orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

偽装請負の状態で働かされたときの思い出

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偽装請負について考える

偽装請負の係争の話を見ていて思うことです。

 

tech.nikkeibp.co.jp

竹中工務店の建築工事の現場で施工図を作成していた設計者が、「偽装請負」の状態で働かされたとして、同社とその子会社のTAKシステムズ(大阪市)、日本キャリアサーチ(大阪市)の3社に220万円の損害賠償などを求め、2019年12月26日に大阪地方裁判所へ提訴した。原告は、施工図の作成や人材派遣などを手掛ける日本キャリアサーチの元社員の男性(41歳)だ。

 

とても事例としてわかりやすいのですが、これが違法だとすると私のキャリアの2分の1は違法だったんだろうなあと思います。

前職が完全なSES会社で、自社ではないオフィスに常駐していました。何個かの現場はあったのですが常駐先に全部自分の机もイスもありました。でも自社オフィスには無し。帰社するにも帰る場所がない。したがって帰社は一年に一度あればいい方。そして、業務については現場の社員さん(何だこの言葉)から頂きます。成果物も現場の社員さんにレビューしていただきます。現場の社員さんから指示がきて動くシステムでしたね、ええ、どこも。

 

思い出

10~20年前、まだIT業界がゆるゆるだったころの話です。

最近はかなり行政も厳しくなった模様ですが・・。

私が偽装請負で仕事していたときはまだ現場でリーダー格だったのでモチベーションは保てましたが・・。自社の子や孫となる、いわゆる多重請負の状態の方も多数見てきました。

そりゃあ、もう、ひどかった。

 

夜逃げ・・・自社から見て子や孫の商流は協力会社と言いましたが、協力会社だったメンバーが急に会社に来なくなる。自社経由で協力会社の営業に連絡を取って帰ってきた報告が、家がも抜けの空だった。夜逃げなんてリアルにあるんだなと思った若い私。

遅刻皆勤・・・会社には来るんですが、何かにつけ遅刻。バスが遅れた、電車が遅れた、体調が悪い、なんやかんやで一か月持たずに終了。勤怠状況表.xlsみたいなファイルを作って事細かにログを取った思い出。

無知識・・・未経験でも現場に来てから教育します、若いし大丈夫、って急にメンバー入れられたけど、様子がおかしい。何もない。無。あれもしかして、日本語の勉強から始めなきゃいけないんですか?というレベル。こちらも一週間もいられなかった。

服がおかしい・・・ビジネスカジュアルの現場だったけど、まさかの厚底ブーツ、ジャージ。会社違うんですけど注意しなきゃならないのは私だという謎ルール。

席にいない・・・振り返るといなくなってる。戻ってきた。振り返るといなくなっている。戻ってこない、いや戻ってきた。あまりにも離席が多くて問題になった人。

 

今は、IT業界も落ち着いたんでしょうか。やっぱり多重請負だ偽装派遣だってのは良くない。なぜなら責任や指揮系統が不明確で、仕事に対するモチベーションや会社に対する帰属感が失われるためです。その悪い影響がモロに出た時代を私は生き抜いたので、今、SESという仕組みが一部で非常に忌み嫌われていることは自業自得だと思っています。

ただ、私自身は、そんなカオスなIT業界で若かったという性質のおかげで、結構有名なSIerに潜り込み氷河期世代真っただ中であるにもかかわらず、貴重な業務経験を積むことができました。何が悪かがわかったので、反面教師とし、自分自身は善であるようにと行動することができるようになりました。

あのころ派遣されたところにいた、超厳しい部長さんとか次長さんとか、会社も違うのによくあんなに親身に私に指導したよな、と言う思い出もあり、あのころのカオスな環境って、戦場で明日には敵味方になるかもしれない状況で今日は味方だね、って感じで楽しかった瞬間もあったのをおぼえています。

あの状況が「ふつう」であった時代はもう今日はないかもしれないけれど、では今の若い世代はどうやって育ったらいいのかは、もう全然ジェネレーションが違い過ぎてコメントできません。誰にもあんな状況、お勧めはできないです。

 

会社のあるべき姿

とても古い考え方なのですが。

 

・会社は新卒しか取らない。中途採用は取らない。アウトソーシングはしない。

・会社の中でなんとかする。新規事業を立ち上げる場合は人事異動で一からやる。会社にはいろんな人がいて多様性があり、いろんな変化に対応できる。

・定年まで新卒で入れた社員は会社がめんどうを見る。

 

そんなことができたら、こんな偽装請負の問題などないですよね。非正規雇用の問題すら出ない。でも、なんとかならないので、アウトソーシング、請負・派遣、非正規のような問題が出てしまった。

問題を解決しようとして、新たな問題の方が深刻であるように見えます。でも世の中、もっと進めて「日本型雇用システムの終焉」まで言い始めています。

会社が人をつなぎとめておく力、これがどんどん弱くなると、帰属意識が低まりモチベーションを保つのが難しくなります。そうするといろんな不祥事が起きますよ。

 

www.itmedia.co.jp

10回超の飲食接待を繰り返しながら、ソフトバンクに関する公開情報や資料、機密情報を要求。受け取るたびに報酬として数万円を払い、機密性が高い場合には金額を引き上げていたとみられる。

 

かなり会社にとって背信的な行為をしているにもかかわらず、それが数万円・・。しかも東証一部企業で。このままだと外国から札束で日本人が殴られるようなことになりかねないと思いました。過去偽装請負が蔓延して、現場のメンバーのモラルも最低だったあのころを考えると、このまま「日本型雇用システムの終焉」なんて方向に行ってしまうとかなり良からぬことがおきるんじゃないかなと思った次第です。