orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

主体性 あるとないとで 大違い

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はじめに

二日間研修で缶詰めだった、と言うことで職場が二日間私不在でほったらかしでした。私自身はいつもオンラインでどこで働いてもアウトプットできるよという性質なので、二日間オフラインであるということは組織にとってもチャレンジな場面ではありました。で、その結果どうなったかというと、思った以上に現場はまわっていました。感心する一方で何でこんなにちゃんと廻っているかを逡巡したのですが、これには主体性が大きく関わっているのだろうなと思います。

 

考察

この、主体性を持つことについては7つの習慣で一番初めに語られる有名な話ですが、「主体性を持て」とメンバーに命令したところで持つでしょうか。変な言葉です。命令とは指示でありますから、それを遂行する時点で主体的でもなんでもないのです。実は主体性を高めるというのは次元の高い話だと思います。

主体性が上がるといいことづくめです。各メンバーが仕事を親身になってやってくれるので、細かい指示を与えなくても創造的にやるべきことを策定し、作業タスク化してくれます。もちろん上級者がいない場面でそれ以上のスキルを発揮することはないのですが、逆に足りないスキルについては勉強しないといけないという動機も生まれます。主体性がある場面においては、多少の不確定要素を吸収してくれる組織の強さが生まれます。

一方で主体性が下がるとその逆で、指示がないからやりませんでした、ということが連続します。ワークフローまで話を下ろさないといけません。このプロセスが不在の間誰もできなくなるからワークフロー自体もそこで止めておく。そのために後続が処理されず結果的に顧客へ不満を及ぼすという流れとなります。また自分の領域に対して保守的となりそれ以外の部分をやらないと決めているため、新しいことをおぼえることのトリガーが無くなるということになります。このような組織では、マネージャーが事細かに指示をしたりマニュアルをたくさん作らせたりすることとなり、一方でマニュアルをきちんとやらないことで報告書も量産されることになります。主体性のない職場はルールブックが膨れ上がる、という性質を感じます。

さて、ではこの主体性ですがどうやって上げていくのか。先ほど申し上げたように高い次元のものなので簡単なことではありません。最悪なのは「主体性を上げなさい」と指導することです。これを言われたら「?」となります。「何とか性」と言う言葉自体が抽象的過ぎてゴールが見えないのです。これは逆に下げることを考えると分かりやすいと思います。マネージャーがメンバーの主体性を下げたいと思うのなら私ならこうします。

・言い出しっぺが必ずやらなければいけなくなる組織
・マネージャーがあいまいな指示をしておいたうえで、メンバーの成果物にねちねちケチをつける
・マネージャーが仕事の全体像を共有せず、細かいタスクに区切ってメンバーに渡すため、横の仕事が見えない
・指示されたこと以上のことをすると罰される
・手順書が全て、ルールが全て、の組織
・過去の障害報告等で、メンバーが主体的に実施したプロセスが「余計なこと」とされ、何もしない方がいいという誤解が広まった
・評価が失敗の数で決まるから、何もしない方が得だという価値観が広まった

最近だと「心理的安全性」という言葉も流行していますが、メンバーのモチベーションを下げていくと等しく主体性が下がっていくのではないかという仮説を持っています。

逆に言えば主体性を上げるためには、この逆を行っていけばいいのではないでしょうか。

・言い出しっぺだからといってプロセスオーナーになる必要はない組織
・マネージャーが適確な指示をするから、メンバーの成果物が正確であり誤りに対しては明確で公平性がある
・マネージャーが仕事の全体像を共有してくれるので、横で何が起きているかがわかり、マネージャーがいなくてもメンバーが手伝える
・指示されたこと以上のことをしても、理由があれば許容される
・手順書よりも個人の判断が優越し、事後報告にて理由を報告すれば許容される。ルールについては現場がより働きやすいように常に改善される。
・障害報告において、メンバーに原因を求めず、常にワークフローやプロセスに対して原因がある態度がある。主体性が常に守られる。
・評価は主体性、取り組んだこと、またその結果を総合的に判断して行われる。成功・失敗という軸ではなく、組織に対しての貢献が軸となる。

 

主体性はすごい

この主体性という項目、時間の経過とともにどんどん組織もメンバーの変容していきます。良い方向に、悪い方向に。

昨日たまたま見ることができた現象は、良い主体性の産物でした。でも過去、悪い主体性の産物も見たことがあります。

コントロールすることができるかを本当にできるかはわかりません。ただ日本全体は非常に良くない方向に行っていることは間違いない。

 

asagei.biz

調査はアメリカ最大の調査会社のギャラップ社が2017年に行ったもの。それによると、日本の企業で「熱意あふれる社員」はわずか6%しかおらず、1位のアメリカの30%に遠く及ばない数字となっているのだ。「やる気がない社員」が71%で、さらには周囲に不満をまき散らすような「無気力社員」が24%だという。そして調査を行った139の国のうち、日本は132位という、惨憺たる結果なのだ。

 

やる気が失われている原因はマネジメントなのか。待遇なのか。お金なのか。制度なのか。政治なのか。複合的な要因があるでしょう。

やる気が失われれば主体性も失われます。マクロで言えば深刻な状況だと思います。せめて自分の身の回りはきちんとしたいし、自分自身は影響を受けないようにしたいものです。