orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

マネージャーが部下の品格を尊重すると、部下は組織の品格を尊重し出す

 

これは経験上のお話ですが。

マネージャーにもいろんな性格の人がいて、そしてやり方があります。昔は平気で部下を怒ったり、怒鳴ったりというタイプの方がいらっしゃいました。私の記憶では、90年代から00年代にかけて出会った年上のマネージャーがそうでした。もう今では、60代後半から70代後半、元気にしているでしょうか。

仕事とは厳しいものであり、その厳しさゆえに厳しく対応しなければいけない場面はある、なんて感覚が常識となっていました。文字面としては正しいのですが、2023年から眺めると時代錯誤ですね。昔の部活動もそうだったのですが今の学校は全然違うのかな。厳しい指導ができることが価値だった時代は確かにありました。

私もそういう時代にそういう教育を受けてきましたので、厳しく接することが良いと思っていた頃もありました。

しかし、時代がアップデートし、そういった厳しい指導は間違いということになりました。各種ハラスメントについて整理され、その中のパワハラの概念が世の中を変えました。え、こんなことも言っちゃいかんのか、という反応だったのが一昔前。今ではそんな意外な顔をしようものなら行動を疑われかねず、「当然だよね」という顔をするのが身を守る方法となっています。

これまでの武器だった「厳しい指導」を取り上げられたマネージャーたち。私もその一人ですが、その後組織がどう変わったのかを観察すると面白いことがわかってきました。

全く怒らない、ということは、部下の人格を尊重する第一歩となります。指導しないわけじゃないです。冷静に、ロジカルに説明はします。ただ、感情を極力入れず、業務として必要なことを伝えるのみです。

無理をお願いするときは、部下であってもお願いの姿勢であり、強く抑え込むようなことはしません。説教はご法度で、強くお願いしたいことであっても、あくまでも依頼ということを前面に出します。

これを、長い時間続けていくとどうなるかというと、部下も、同僚や上司の人格を尊重するようになります。感情的にならず、ロジカルに同僚や上司と接するようになります。部下に強い思いがあっても、それをストレートに放り投げることはなく、裏で相談して調整したりと誤解を与えないように行動します。上司がそうやっているのだから、部下だってそうしようという狙いが伝わるようです。

考えてみればその通り、なのかもしれません。マネージャーの一挙手一投足は組織に強い影響を与えます。組織の中で行われるマネジメント手法は、部下もそれを当たり前と感じ、周りに対する行動を起こす際に影響を受けます。マネージャーが暴君だと、サブマネージャーもそれを真似しだし、そして部下もそういうもんだと割り切ります。そして伝播していきます。

そういう、古いタイプのマネジメントで組織を統括していると、マネージャーに対して部下が共感しているうちはいいですが、その結果に信頼が持てないと部下が思い出すと反乱が起きます。抑えつける力に対して反発力もそのまま生まれます。その結果、組織は崩壊する。このプロセスについては、私の経験を振り返ると再現性があります。力による支配というのはどこかで終わりを迎えます。

一方で、品格を尊重する現代のマネジメントは、うまくいっているときの堅牢さがすごいです。メンバー個々が尊重し合い、自主性・主体性を尊重することで、人々が自発的に行動する仕事を組み上げていきます。私は、こういうことは、「きれいごと」だとばかり思っていたのですが、実経験でこういう状況を目にしたので、これはちょっと、反省せねばならないな、と思ったところです。

もし、マネージャーとして、新しい組織のマネジメントを始めるのであれば、部下の品格を尊重するというマネジメント手法、ぜひやってみてください。結構すごいです。