orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

生きていくことについて整理してみる

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反論

「好きなことだけして嫌なことを全て避けて生きたほうがいい」という意見に対して、きちんと反論しておきたいなと思って書きます。

 

anond.hatelabo.jp

嫌なことを全て避けて、好きなことだけ興味のある限りやってみる。
その方が成果を出せると僕は思う。

 

人それぞれ生き方はあっていいと思うのですが、若い方はきっと不安になるだろうと思って、40代まで生き残ってきた私なりのアドバイスを書いておきます。

ちなみに、反論というだけあって、賛同していません。

 

考察

好きなことをやるためには、人間の基本的な欲を満たしてあげないといけないと思います。

まずは、睡眠欲が満たされていないと、何をしてもパフォーマンスが出ませんよね。とりあえずきちんと眠れていたとしましょう。

次に、食欲。食べ物をきちんと食べられていること。飢えていては好きなことどころではありません。

性欲は・・まあ上記よりは我慢できるとしても、これも生理的なものですね。

この3つの欲はまず、人間が動物であることの証明のようなもので、これらが適切に満たされていないと、人間らしい高次的な欲求より優先してしまう、ということになります。

では、それらが満たされていたとして、好きなことをやることに集中できるか。

いえ、大事なものがまだ残っています。社会的欲求です。

自分自身が社会の一員であるという安心感。

今の自分が社会に通用するということが信じられる自分への信頼感。

将来生命が脅かされることがないと信じられる、衣食住や財政状況の将来展望。

今、リスクを取ることができる人は、上記がゆるぎないからこそ決断できるのです。家族がおらず、定職もなく、貯金もない。かろうじて健康だけある。

そんな状況で「好きなことだけやる」ことは決してできないと断言しておきたいとおもいます。

いい高校、いい大学、いい会社に入るというのは、これらの欲を満たすことに対してダイレクトです。その後で「好きなことをやる」のは理にかなっています。大成功した人の経歴が素敵な人が多いのはそのためです。教育も素晴らしいですが、そのうえで基本的な欲求が満たされたから、高次的な欲求が生まれ達成したと考える方が自然でしょう。

もちろん、いい高校・大学・会社に入れなかったとしても、日本はまだまだ豊かなので、基本的な欲求は満たせるように社会設計されていると思います。

それらを全て否定し、本当に集中して「好きなこと」に挑戦し成功する人はいます。芸人一筋・・のような。そういう方も、家族や周辺に支えられていた可能性が高いです。下積みの長い成功者に多いですが、誰かが支えてくれていたというのはよくある話です。衣食住の面倒をみたり、生活費を援助してくれたり・・。

これらを踏まえて反論するとすれば、不登校・留年・中途退社。これだけで「落伍者」と決めつけていいはずはありません。ただ一人きりでこれらのイベントを、自分ひとりで乗り切れるかと言うとかなり厳しいのではないでしょうか。「好きなことをやるんだ」と自分を奮い立たせる前に私ならつぶれてしまいそうです。また、つぶれてしまいそうになる自分を支える周辺も大変です。

まずは、自分を大事にすること。高次的な欲求より前に、リタイア的なイベントは自分自身を傷つけます。できるだけ選ばない方をお勧めします。それでももう無理だ、となった場合は、あきらめましょう。ただそれがいいとは決して思わないほうが、人間の欲求に対して自然です。反省し、そういう方向に行かないように軌道修正をするべきだと思います。痛みを感じなくなるようになろう、という努力は間違っています。次はそういうことにならないように気を付ける。

また、好きなことではなく得意なことで、とりあえずは社会の役に立ってみるのはおすすめです。得意なことは、楽です。楽なことをしてとりあえず、生活ができるようになる。最低限のお金や衣食住を安定させる。家族や恋人、友人と暮らす。そのうえで、もし好きなことができて本当に自分がやりたい、と思ったら、その基盤を崩さないように挑戦してみる。もしマネタイズできそうなら、それを主業にする。

official髭男dismのボーカル、藤原さんは、銀行員としてまず就職した後、バンドとして成功したお話は有名ですが。「好きなことをする」って、自分自身を大事にしてこそできることではないか、と思うのです。

 

好きなことをする前に

私自身も、基本的な欲求が満たされない渇望というか、苦しみ自身をすごく知っているので、そんなときに「好きなこと」なんて言っていられないというのがわかっています。

一番怖いのが、基本的な欲求が満たされているのが当たり前、の恵まれた若い人が、「嫌なことを避けて、好きなことだけやったほうが成果が出る」に刺激を受けて、大事なことを投げ出してしまうことです。

今の環境、学業、仕事、家族・・。

大事にしてください。

思った以上に、自分自身が何もできなくなります。

今手に入れていることを大事にして。自分自身を大事にして。

挑戦はそこを基盤にして行うことです。自分はこれからも大丈夫。そんな気持ちのある人じゃないと、「好きなこと」はやり続けられません。

以上、40代半ばのひとりごとでした。