orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ビジネスを起ち上げる基本中の基本

 

数年前に、ビジネス起業のコンテストのようなものを見たことがあって、いくつかの発表を見た。とんでもなく最低で、絶対こんなもんうまくいくか、と思って見ていた。案の定どれもこれも、全部没になっていた。これなら初めからやらないほうがいいだろうと思っていた。私は新規事業の立ち上げ中だった身だったので、それらが最低な理由がわかってしまった。そんな企画、理屈が通らないのにうまくいくわけないじゃん、と思ったけれど、そんなの口に出すだけ損だよね。嫌われたくはないし。

 

最近も、今後本格的に起業する人と話したんだけど、まあ起業って成功確率が圧倒的に低いわけでしょ。失敗するのが当たり前で、成功なんて針の穴を通すと思っておいた方がいい。基本成功している人は何度も何度も小さい失敗をして、やっと掘り当てた金脈を大事に大事に育てる。その何度もトライしてやっと到着した一度の成功を、皆は才能があると呼ぶが、そんなことない。まずは辛抱強いということがポイントとなる。

これ、というものに出会うまでには時間がかかる場合がある。または、いくら待っても現れない場合もある。だからまずはピンと来るかどうか。本能的にこれは本物だと断言できるか。そのためには、少なくともその当たりの近くには来てないといけない。もし運動神経がいいならスポーツ、コンピューターが好きならIT系、何でもいいが、とにかく匂いがするところに自分が物理的にいないといけない。

起業したいのが目的で、やる事業は何でもいい、なんていうのは絶対に失敗する。自分がその事業をやることで人にできない価値を出せるんだ、という直感のようなものがないと、きっと辞めてしまうことになる。そんなもの、無価値だ最低だ。

その次に、価値あるものを見つけることができたら、という話に移る。

それを育てる。始めから大型の契約なんてくるわけないでしょ。まずは1円を頂けるところから。育てるためにはまた根気がいる。自分を信じる力がいる。自分が生み出すものはすごく価値が高いけど、人にまだ知られていないだけだ、と信じる心が必要となる。

育てるし、自分自身も育たないといけない。起業をするというのは、自分自身のビジネスセンスも磨かないといけない。お金を頂くことをするというのは責任を背負うということで、責任には義務が付きまとう。いろんな、仕事の本流以外の必要な部分を痛感する。仕事にはフロント業務とバックオフィス業務がある。お金のことやら法律のことやら、いろんな事を気にしながらビジネスは進めて行かないといけない。

いろんなことを知りながら、そして事業を大きくしていく。そこには時間がいる。苦難もある。でも自分だけはここを守るという信念で、やめないこと。そうすれば確実に成長はできる。時間をかけるために、リスクは管理しなければいけない。宣伝に大金を突っ込むなどギャンブル的な手段に手を出して、結果借金を背負って続けられなくなる人もいる。それは違う。成長させていけば自ずとお金は付いてくるのだから、焦ってはいけない。収支で無理をしないこと。辛抱が必要だ。

後は、応援してくれる人、である。事業は一人では成立しない。自分の苦手な部分を引き受けてくれる人が必要になる。もしくは、人が、苦手ではなくても得意な部分に集中するために必要となるときがある。事業は基本、味方を増やしていくことで成長していくルールだ。彼らにも応援するメリットを与えつつ、相変わらず事業を成長させていく。ここまできたら、全部のことはしなくて済む。ただただ得意なことに、自分しかできないことに集中すればいい。

 

これらのプロセスの中で、最も大事なことは何か。

「自分がこれ、と信じたことが、本当に価値があること」、だ。

ビジネス好きな人が、いきなりマーケティングや市場分析をし出す。違うのだ。どんなにキレキレの営業活動をしたところで、モノが良くないとだめなのだ。がっかり、を売っても返品の山なのだ。

すごく価値があるものがここにあって、それを知る人が少ないので売れていないだけ、という仮説を大事にすること。すごく価値があるとまだ言い切れないのであれば、その価値を高めること。商品価値。そこをないがしろにすると、ビジネスはどこかでしぼむ。

だから、起業するってことは、起業自体が目的じゃなくって、素晴らしい価値を多くの人に届けることが目的であることを自覚すること。素晴らしい価値さえ確立できていれば、あとはマーケティングの問題であり、技術的な話なのである。

その上で、素晴らしい人に出会い、助けてもらうことができ、そして恩返しができれば、ビジネスとはどんどん大きくなる。

直感やら、辛抱やら、信頼やら、結構地味な要素が基本中の基本なのだ。