orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

環境の大事さ

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興味深い現象

私の趣味の一つに中央競馬があるのですがその中で興味深い現象があります。

競走馬は新馬戦から始まり、その後1勝クラス、2勝クラス、3勝クラス、オープン・重賞と続きます。一度も勝てないと未勝利戦をさまようことになります。

未勝利戦はデビューから2年ぐらいしか出られないのですが、もう絶望するぐらい結果が出ない馬がたまにいます。12着、15着、13着、みたいな二桁着順が続きます。

競走馬が向いていないのかと思いきや、調教では走るので関係者も首を傾げます。なぜ走らないのだろう。

こんなとき、そのまま引退させるのではなく、いったん地方競馬に転籍させることがあります。全国で地方競馬は開催されています。

そうするとどうなるかというと、中央競馬と地方競馬のレベルの差は格段に違うので、地方に行ったとたんに連勝街道が始まります。

あんなに惨敗続きだった馬が、地方に行った途端出れば勝つ。

稀に地方競馬に行くと、中央競馬から転籍した馬が出てますがだいたい上位人気です。

半年ぐらい連勝が続いたら、中央競馬に戻します。

※もちろん、ここでも惨敗していく馬もいます。その場合は片道切符となり戻れません。

中央に戻ってきた馬の人気はそんなに高くありません。ただ成績表(馬柱)上は1着が続いているので最低人気ではないことが多いです。ただ昔は中央競馬で惨敗続きで一回も勝っていない馬でしたから上位人気なはずはない。

・・で、たまに中央競馬復帰第1戦で勝ってしまう馬がいたりします。

不思議ですよね、惨敗続きだったのに、レベルの低い場所で連勝したことにより、自信をつけて実力を発揮できるようになる。人間じゃなくて馬が、です。

 

逆の状況もある

以上は「良いこと」なのですが、逆の状況もあります。日本で負けなし最強馬、と言われた馬が海外、例えばフランスやドバイ、香港に遠征します。

その結果、大惨敗することがよくあります。

日本のレベルも大昔に比べると随分上がったのですが、環境も全然違うこともあり勝てることは稀です。フランスの凱旋門賞は何十年も挑戦していますが、まだ日本馬は勝ったことがありません。

さて、挑戦したその後が大切です。日本に帰ってきた後、あの最強馬の成績が低迷してしまうことがよくあります。

もちろん遠征を競走馬生活のピークに持ってくる可能性もありますし、遠征による疲れもあるかもしれませんが、往々にして、海外で大惨敗するとその後低迷することが多いです。

これは、逆に、馬の自信が失われてしまった現象と言えるのではないかと思います。

 

環境の大事さ

いくら実力があっても、自信がないと結果は出ない。

馬は何も考えず走っているようですがとんでもなく、人間と同じように心がある生き物です。

走ることに自信が持てない、そんな中でいくら鍛錬を積んでも結果は出ない。

人間も同じではないでしょうか。

同じ人間なのに何らかの理由で結果が出ないと、本来の力が出せなくなってしまう。

または、とても力が出せていたのに、大きな失敗を経験することで自信を失ってしまう。

競走馬生活より社会人生活の方が長いし、引退するわけにもいかないので人間はもっと賢く周りの状況を観察していく必要がある。

あまりにも結果が良くないのであれば、同じ環境にしがみつくのは得策だとは思えません。実力があっても出せなくなるのは馬と同じだと思います。

ある企業で悲しい出来事がありました。

 

www.nikkei.com

三菱電機の男性新入社員が自殺し、警察が自殺教唆容疑で上司を書類送検した事件で、男性は自殺した当時、社内向けの発表会へ向けた準備を進めていたことが7日、会社への取材で分かった。同社では過去にも社員の過労自殺や精神疾患による労災認定が相次ぎ、元社員は「パワハラが日常的で自浄作用はなかった」と話した。神戸地検は上司の刑事責任の有無を慎重に検討している。

 

新人と言う社会人の入り口で、失敗経験を植えつけてしまうこのような教育は、もう時代遅れも時代遅れ。撲滅すべきです。

これでは、実力が上がるどころか、実力通りの力すら出せなくなってしまいます。ここからの仕事も惨敗続きでしょう。

明らかに、今の環境で勝てないという思いを抱えている方は、環境を変えてみることをお勧めします。もちろん、戦略もなくただ変えるのはいけません。自分の適性も考えて、確実に勝てる場所を選びましょう。

自信がついたら、思ってもない良い結果が出るかもしれません。

そうすれば、また新しい道も開けてきます。

 

環境は、大事です。本当に。