リーダーとは、特定分野の業績に優れ、メンバーを引っ張っていく存在ですよね。
一方で、マネージャーとは、メンバー全員を下支えしてパフォーマンスを上げて行く存在です。
リーダーとマネージャーは機能が違うのに、よく一緒にされてどっちもやれ、と言われます。ですから、現実のマネージャーは、リーダーとしても適性がある人も多いかと思います。
しかし、一緒にしちゃうとまずいな、と思った出来事が最近ありました。私もリーダー気質が非常に強いので、あれやりたい、これやりたいとすぐ思うほうです。新しいことを思いつき導入しようとしました。
そのやりたいことは完全に正しいのです。ですが、メンバーはたいてい、速さについていけないのです。リーダーについていきたい気持ちはあるものの、メンバーはまだ発展途上。リーダーと同じペースで手を動かそうとすると、既存の仕事も抱えておりたいてい、音を上げてしまうのです。リーダー、待って!、と。
そこで、マネージャーをリーダーの機能と切り離しておくと言いことがあります。
リーダーは、直接メンバーに語り掛けるのではなく、マネージャーとまず相談するのです。こういうことをやりたい。チームは大丈夫か、と。
すぐメンバーに指示を降ろしていたときに比べると、1テンポずれます。リーダーは、マネージャーと相談している暇があったら、すぐにメンバーを巻き込みたいという衝動は、我慢する必要があります。
リーダーは、少し、まどろっこしさも感じつつ、それでもマネージャーに相談してみましょう。そうしたら、新たな発見を提示してくれる可能性があります。各メンバーのことをよく見ているマネージャーだと、もし、新しいリーダーの提案を実行したら、どんなことが起こるかを一緒に想像してくれるはずです。
リーダーが思ってもいないような副作用もあるかもしれない。マネージャーが間に立ってくれることで、必要な事前準備が生み出され、直接実施するよりもうまくチームに新提案を持ち込める確率が上がります。
マネージャーはたいていメンタルが強いので、リーダーが異論と戦うとしてもマネージャーは最適です。これがメンバー相手だと、より破壊的、悲劇的な結末すらあります。メンバーとの関係がこじれたり、メンタルに響いて長期に休んだり、最悪は退職したりというのもあります。
リーダーは、より効率高くといつも考えますが、それを組織の仕組みにするには慎重さが必要です。この緩衝材としてマネージャーのポジションを使いましょう。
また、新しい案を導入する時に、リーダーがメンバーをリードするのではなく、一旦はマネージャーに説明してもらったりメンバーへの説明をお願いしてもいいかもしれません。マネージャーも万能ではないので、メンバーからネガティブな反応を受け取ったら、うまく情報収集してリーダーにフィードバックし、リーダーに連携してくれるでしょう。そのあたりはマネージャーの方、たいてい上手です。
メンバーという集団がいて、リーダーは一番上に位置付ける。そしてマネージャーはその下、という位置づけがピッタリです。
マネージャーは底支え。リーダーは上に引っ張り上げる。このリーダーとマネージャーが同一人物であると、かなりやりにくいことになりますよ。
組織をうまく回すときに考えてみてください。