orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

IBMがRedHatを買った理由が今さらながらわかってきた OpenShiftとCloud Paks

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IBM Cloudの話

IBMというと、クラウドの世界ではAmazon、Microsoft、Googleと言ったところの陰に隠れてマイナーなイメージかもしれませんが、実はクラウドの世界シェアで見ると3位でGoogleよりも使われています。

 

tech.nikkeibp.co.jp

この2社を含めた上位5社は米国企業が占めた。3位は米IBMでシェアは対前年比1.4ポイント減の8.8%、4位は米グーグル(Google)で0.5ポイント増の5.6%、5位は米セールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)で0.1ポイント減の5.0%だった。マイクロソフトとAWSの2強はシェアの伸びで見ても他社を引き離しつつある。

 

日本ではIBM Cloudを過小評価している向きは多いのですがグローバルに見ていく必要はあると思います。東京にもAZを3つ用意していたり、大阪にもDCを用意する準備をしていたりと、徐々に充実してきているのを知っています。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 IBMの東京データセンターは首都圏に複数のアベイラビリティーゾーン(AZ)がある。それぞれのAZは地理的に離れ、独立した電源や冷却設備、ネットワークを備えているため、大規模な自然災害が起こっても情報システムへの悪影響を最小限に抑えられる。耐障害性をさらに高めるため、関西にもデータセンターを設ける。

 

RedHatと組んだ理由は

このブログでも、Kubernetesはオープンソースなだけに、各クラウドで実装が違っていて困るという話をしました。

一方で、RedHatはOpenShiftというコンテナ管理基盤をリリースしていて、このプラットフォームはパブリッククラウドだろうがオンプレだろうが動く状況を作り出して来ました。しかもその最新バージョンはKuberenetesを利用しています。

 

cloud.watch.impress.co.jp

Red Hat OpenShift 4については、米Red Hatのマーティン・クラウス氏(クラウドプラットフォーム部門 シニアディレクター)が説明した。OpenShiftについて、クラウス氏は「“OpenShift 4はスマートなKubernetesプラットフォーム”と思ってください」と説明した。

 

で、このOpenShiftがどこでも動く・・と言いましたが本当にその通りなのです。

 

AWS

aws.amazon.com

 

Azure

azure.microsoft.com

 

Google Cloud

cloudplatform-jp.googleblog.com

 

IBM Cloud

www.ibm.com

 

 ということで、どこでもOpenShiftを動かせる状況を作った後に、IBMが打つ奇手がIBM Cloud Paksという商品です。

 

www.ibm.com

【迅速で信頼性の高いモダナイゼーションとクラウド移行に】必要なコンポーネントを必要な時にパブリッククラウド(IBM Cloud、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud)でも、オンプレミス(Red Hat OpenShift)でも稼働するコンテナ対応したミドルウェア

 

こちらが発表時のニュースです。

japan.zdnet.com

IBM Cloudのバイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)のHillery Hunter氏によると、両社のアプリケーション統合の取り組みは、IBMとRed Hatが提携した2018年に始まったという。「Red Hat OpenShiftが稼働するすべての場所で、当社のソフトウェアを利用できるように最適化した。統合によって、一貫性のある管理と準拠が可能になり、複数クラウドの一括制御ができる」(同氏)

 

つまり、IBMの有名なソフトウェアであるWebSphereやDb2、Watsonといった主要なソフトウェアをコンテナで動かすための一連のコンテナ群をCloud Paksでソフトウェア提供。どんな場所でも安定した基盤で動かせるということです。

 

論理的に強い

おそらく、世の開発者はみなマイクロサービスに向かっているのは間違いなく、そのうえでKubernetesが脚光を浴びているのは間違いありません。ただそれを動かす基盤について、クラウドごとに種類が違うのでは、クラウドにロックインされてしまうという課題を抱えます。

基盤ですから、RedHatのような実績のある企業に長期間安定したサポートを受けたい。かつパブリッククラウドやオンプレのどこでも動かしたいと思えば動かせるような基盤であってほしい。

経営者からすれば、もうオンプレだ、クラウドだで、基盤がガタガタするのは企業の安定によろしくないということです。開発者には安定したモダンな環境を長期間使わせたい。

OpenShift自体は独立していますし、IBMがその上にWebSphereやDb2をマイクロサービスで動かせるようにするプラグインを出せばこれは理にかなっています。これまでのモノリシックな/レガシーなアプリケーションをマイクロサービス化するための格好のプラットフォームをIBMは欲しかったんだなあと言う感想を今さらながら持ちました。

OpenShiftを各クラウドに乗せた場合も、各クラウドのPaaSやSaaSとの連携ができるとも言うことですので、なおこのOpenShiftがどの環境でも動くという事実と、IBM Cloud Paksという製品の戦略性に価値を感じた次第です。