orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

RPAの登場をふまえてSIerがこれから考えるべきこと

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はじめに

昨日投稿した「昔、Microsoft ACCESS。今、RPA。」という記事の反応が良いので、これをふまえ、SIerとしてこれから考えるべきことをまとめておきます。

 

現状分析

RPA自体は、開発者(システムエンジニアやプログラマー)の方からするとおもちゃのように見えていたと思いますしそんな論調もたくさん見てきました。

しかしSIerの一部はその可能性を感じて、PoC(概念実証)をお客様と一緒に進めたところ非常に反応がいいし結果もいい。その結果、公共機関や金融の世界で年間〇〇人分の工数削減を実現!というニュースが各方面から寄せられている、ここまではいいと思います。

RPA自体は、SIとは全然別のところで盛り上がっていて、人材派遣を行ってきた企業はRPAに削減されるより先にRPAを持った派遣労働者を教育し増やそうとしています。このときのRPAはどちらかというとシステム開発の部品ではなく、Microsoft Officeを身に着けたオフィスワーカーが二十年前くらいにヒットしたこととすごく似ています。

そしてSIに戻ります。

今SIの分野では、スクラッチ開発、つまり一から要件定義してシステムを手組みすることは全く流行しておらず、何らかのパッケージソフトウェアを利用したうえで業務に合わせてカスタマイズを入れるのが定石です。また、カスタマイズも部品化し、保守費用をできるだけ抑えることができるのが選ばれるSI提案のポイントになっていると思います。

SaaSも良いのですが、あまりにもSaaSの場合はカスタマイズできな過ぎて現場が困るので、ソフトウェアベンダーもSaaSをやりつつも、お客様のインフラ基盤にプライベート導入できるというパターンが今のトレンドかと思います。

 

今後の予想

・・・という時代に、RPAという存在が生まれました。

これからの時代は、きっとSI提案の中にRPAを組み込み、運用担当者の負荷軽減を初めから実現するのが大きく流行するはずです。

今は既存システムありきで、そこに煩雑で非生産的なオフィスワークが大量に発生していたこと。またそこにシステム改修費用を当て込むのではなくRPAでとりあえずは省力化したほうがよっぽど効果が見込めることから、今のRPAブームが作られていると言えます。

では、時間が進んで既存システムの更改を行うとします。RPAは後回し・・とはいきません。なぜならば、システムを公開すればRPAのシナリオ自体も作り直さなければいけなくなるからです。ということは、システム更改時にRPAもセットで提案してくれるSIerが選ばれやすくなるに決まっています。

かつ、既存パッケージやSaaSも、どんどんRPA対応してくるでしょう。推奨するRPAソフトウェアを提示しロボットをオプション提供するのです。このロボットを構築するのは、顧客業務を知っているSIerが中心になるはずです。RPAベンダーは顧客業務までは知りませんから、プラットフォームビジネスに徹しロボットが流通する市場(ストア)を運営する方に廻ると思いますし、実際それを行っているRPAベンダーもあります。大手の一社であるAutomation Anywareの例を紹介しておきます。

 

www.automationanywhere.com

Automation Anywhere Enterpriseプラットフォームは、Bot Storeにある作成済みのボットを利用することで迅速に、人が創造性や創意工夫の必要な活動に注力できるように支援します。Automation Anywhere でデジタルと人のワークフォースの可能性を最大限に活用してください。

 

SIerとして考えなければいけないこと

今、特定のSI分野(業務パッケージ含む)をリードしている会社で、もしRPAの組み込みを全く考えていない企業は危機感を持った方がいいと思います。

どんなに便利なパッケージでも、今の段階では、オペレーターの運用手順と教育がセットになっています。製品選定の際にRPA付きとRPA無しの提案があった場合、間違いなくRPA付きの提案が勝つようになってくるのは自明の理です。

エンドユーザーは、できるだけ楽ができるシステムを求めているのです。

しかし、今後SI提案の際に競合がRPA付きを出してきた場合に、慌ててRPA対応しようとしても体感で三周遅れになります。RPAとは何か?、RPA技術者の確保は?、開発者にRPAをどう使わせるか?、ここからになります。

今、社内でとりあえずRPAについて情報収集を全く始めていないならば、プロジェクトを組成しスケジュールを組む必要があるでしょう。また、既存システムにRPAをエンドユーザー目線で適用するならどうするか。またこれに合わせてシステム改修するにはどうしたらいいか。またRPAに開発者のスキルを入れて、むしろ強みにできないか。やることはたくさんあるはずです。

どのSIerも手遅れにならないよう、RPAをいつまでも「おもちゃ」扱いしないようにすべきかと思います。