orangeitems’s diary

クラウドで働くエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

次世代RPAが満たすべき原則がわかった IMAGINE TOKYO 2019に参加した感想

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RPAイベントに参加

今日はIMAGINE TOKYO 2019に参加してきました。

相変わらずRPA関連イベントの賑わいっぷりは半端ないのですが、基調講演にソフトバンクグループの孫さんもいらっしゃるとあって独特のお祭り感がありましたね。

今回のイベントを開催したAutomation Anyware社はソフトバンクグループのビジョンファンドから大型投資を受けているRPAソフトウェアベンダーです。

 

www.nikkei.com

【シリコンバレー=白石武志】企業向けの業務自動化支援を手掛けるユニコーン(評価額が10億ドル以上の未上場企業)の米オートメーション・エニウェアは15日、運用額10兆円規模のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)から3億ドル(約340億円)の出資を受けたと発表した。調達した資金は労働人口の減少を背景に自動化への関心が高まっている日本市場の事業拡大などに充てるという。

 

追加出資もするという話を今日聞きましたし、日本法人を立ち上げ1000人単位で増員するとのこと。かなりの力の入れようだと思います。孫さんがわざわざプレゼンするのもわかります。

 

次世代RPAが満たすべき原則

ここ最近RPAに注目するようになり、昨日もRPA DIGITAL WORLD 2019に参加していろいろ思うこともありました。

 

www.orangeitems.com

 

そのうえで、いろいろともやもやしていたこともあったのですが、本日Automation Anywareの次世代バージョンの紹介を聴いていっぺんに心が晴れました。これまで何が引っ掛かっていて、次世代RPAは何を実現するのか、今日聞けた話をもとに整理します。

 

サーバークライアント型からの脱却と、クラウドファースト対応

これまでの数々のRPAは、パソコンにクライアントソフトウェアを導入することが主流でした。そしてサーバーを別途立てる必要がありました。いわゆるサーバークライアント型ですが、これはモダンなアーキテクチャーではありません。

昔を振り返ればサーバークライアント型の代表的なソフトウェアは、ロータスノーツやMicrosoft Exchangeがありました。クライアントにアプリケーションをインストールしサーバーと接続する形式です。

しかし世の中はWeb化の流れです。Webブラウザさえあれば完結する。ブックマークを開きすぐにシステムを利用できる。RPAだけサイズの大きいクライアントを導入しなければいけないのに違和感がありました。サーバークライアント型全盛だったときは、情シスがクライアントソフトウェアの異常終了や異常動作にかかりっきりとなっていたことも知っていて、RPAを導入すると多分同じ目に合うのではないかという危惧がありました。

今回発表されたAutomation Anywareは、クライアントはWebブラウザーでURLを開くだけで使えるそうです。開発も利用も全てWebブラウザーで完結するとのこと。クライアントにはロボット実行環境モジュールをインストールする必要があるのですが、これもWebブラウザ経由での導入となり、かつすべてのモジュールを一括インストールするのではなく初めは必要な分だけ入るそうです。

サーバー側からクライアントにはモジュールがプッシュされるので管理者は手間いらず。ということで、サーバークライアント型からWeb型に見事に脱却したというお話でした。

 

クラウドファースト

次世代Automation Anywareのクラウドファーストぶりはすごかったです。

サーバーをパブリッククラウドからSaaS提供するとのことです。

しかも、Web型ということは、特にサーバーOSなどを構築する必要がない、とのことです。クラウド側に全て管理側を持ち、クライアントは利用するだけ。

もちろん、予定として、パブリッククラウドのIaaSに専用OSを準備しサーバーを構築することもできるし、オンプレミスに準備することもできるそうです。

私は断然、SaaS型利用を考えますね。SaaS側のインフラ運用が全く不要になりますから便利極まりない。クライアント側はWebブラウザがあれば利用できる。

これぞ次世代、という点でした。

 

開発者、ユーザー、IT部門が三方良しであること

バリバリの外資ベンダーから「三方良し」という言葉が出てくるのは驚きました。この点非常にRPA導入論の中で気になっていた部分でした。RPAで自動化したプロセスは一体誰の物なのか。開発者やIT部門は、ユーザーのプロセスのことを全然知らない。一方でユーザーは、開発はできない。IT部門は保守工数が上がるようなソリューションは手を出せない。

Automation AnywareはWebの開発ツールを三者がコミュニケーションできるように作りこんでいて、三方が協力してプロセスを作り育てていくというやり方をしていました。具体的な方法論は勉強する必要がありますが、ビジョンとして三方良しというのはRPAの導入にとって最も大事な観点ではないかと思います。

また、プロセスの中に、開発者がPythonでコードを書けるというのが面白いと思いました。そこに機械学習のライブラリーを埋め込んでAIを取り入れられるとの思想とのことです。

 

無料版の開放、無償教育の実施

企業文化にRPAが入り込むとすると、どのようにその利用スキルをすべての社員に広げていくかということがまず問題になると思います。

初期導入費用やライセンスも安くはありませんから、まずは研究したり勉強したりしたいものですが、なんとAutomation Anywareは、次世代版についても無償のCommunity Edtionをリリースするとのこと。またAutomation Anyware Universityというeラーニング(日本語版)もリリースすると。これも無償。

何かの技術が爆発的にヒットするときは、こういった裾野を広げる動きが非常に大事だと思います。VMwareもESXiの無償配布が処理のポイントでしたし、入門版のサブセットを配り教育プログラムを無償で開放するというスタイルは、RPAの分野でも有効かと思います。

 

AI対応

ソフトバンク孫さんの、「RPAだけだったら単純作業のロボット化だけになるじゃないか。AIを組み合わせて生産性を劇的に向上させられないのか」という視点は核心をついていると思います。ビジョンファンドがRPAのナンバーワンベンダーを選定して投資先を決める際に、最もAIで進化するRPAソフトウェアは何か、選定の結果Automation Anyware社が選ばれたそうです。

「RPA + AI = RPAI」

とおっしゃっていましたが、RPAの先にはRPAIがあり、これが人間の仕事を発展させるカギになるとのお話、とても面白かったです。

 

(追記)スキルが買える

このエントリーを書いた後に思い出しました。もう一つ大事な話がありました。「ペルソナ」という言葉で表現されていましたが、なんとRPAやAIを組み合わせて作ったプロセス群(BOT)をBOT STOREという場所から購入することができるそうです。

経理ができるBOT、人事ができるBOT、のように特定業務のプロセス群をパッケージにして購入できるとのこと。

人を採用するように、ロボットを購入して組み込むことができる。一から育てる必要がない。

これも注目の機能だと思いました。

 

RPAは、今こそ始めどき

今回のイベントはAutomation Anyware社の主催なので、「Automation Anywareつえーわー、一強だわー」と思ったものですが、まだ他のベンダーも競争のさなかにありますから、他社の動きも注目しています。

きっと、上記の条件を意識してくるでしょう。

ここ一年ぐらいでぐっと次世代感のあるRPAが出てくると予想しています。いよいよ楽しみです。

先行した会社はノウハウは得られていると思いますが、旧世代の体験となってしまい、かえって新世代に適用する手間があると思います。今から始めるぐらいの方がもっともスマートに設計・構築・運用できると感じました。

私もRPAを自分のビジネスに取り入れる準備を始める予定です。クラウドファーストのRPAが出始めた今、始めるならこれからと読んでいます。