orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

アジャイル・バブルがやってきた!

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アジャイルの由来

アジャイルなんてすごーく昔から耳にした言葉です。

調べてみたところ2002年あたりに登場したようです。

 

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しかしアジャイル開発の一つのエポックは2001年にアジャイル開発関係者が集まって「アジャイルソフトウェア開発宣言」というマニフェストを示したことであろう。そこには「個人と対話」「動くソフトウェア」「顧客との協調」「変化への対応」というアジャイル開発手法の価値が示され、アジャイルソフトウェアの12の原則(http://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html)が示されている。

 

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「アジャイル・ソフトウエア開発」は、いま最も話題を呼んでいるソフトウエア開発手法だ。ドッグイヤーと叫ばれ出してから久しい今日、「完全な要件定義」、「完全な設計」、「完全な実装」を求める従来のソフトウエア開発手法は、もはや無力である。経営スピードにマッチした新たな手法が求められている。アジャイル開発は、ソフトに対する要求の変化を受け入れ、同時に“人間”を重視することで、ユーザーに価値をもたらすソフトを“超高速”で実現することを狙う。ここでは代表的な6種類のアジャイル開発手法の概要を紹介する。

 

ただ誕生してからも旧来のウォータフォール型開発が本業で、何となく正統法から外れたようなやり方とされていたアジャイルが、今2019年に来てバブル的な様相を見せているのをご存知でしょうか。

 

2019年のアジャイル関連ニュース

NTTデータ(2019/4/19)

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NTTデータは2019年4月19日に記者説明会を開き、アジャイル開発やデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応した受託開発やソリューション提供を強化する方針を説明した。専門技術部門の参画案件数を3~10割増やし、受注貢献額を2018年度実績の300億円から600億円に倍増させる計画だ。

 

日立(2019/2/6)

japan.zdnet.com

日立製作所は、「アジャイル開発コンサルティングサービス」を提供を開始すると発表した。アジャイルソフトウェア開発(アジャイル開発)の専用スペースの提供や技術支援、体制整備などトータルでサポートするもので、同社が培った経験やノウハウに基づき、専門技術者によるコーチングや、システム開発に関する顧客の社内規約の整備・標準化を支援する。

 

KDDI(2019/3/11)

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アジャイル開発手法「スクラム」に関する認定やセミナー、導入支援サービスなどを行う米Scrum Inc.の日本法人「Scrum Inc. Japan株式会社」が設立された。

 設立は1月29日で、4月より事業を開始する予定。KDDI株式会社と米Scrum Inc.、株式会社永和システムマネジメントが、51%:44%:5%の比率で出資する。なお、米Scrum Inc.は、スクラム手法の提唱者であるJeff Sutherland氏が創業した企業だ。

 

富士通(2019/3/11)

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富士通は昨年10月、米Pivotal Labsとの業務提携により「FUJITSU Agile Lab」を立ち上げた。同Labは、富士通としてアジャイル開発の実績を重ねていく拠点であるとともに、共同開発を通じてグループ企業やパートナー企業、顧客企業にアジャイル開発を学び取ってもらう場でもある。同社がこの取り組みを進める背景やねらいは何か。FUJITSU Agile Labの責任者を務める福井伸彦氏と、同Labでコーチ役を務める春日理氏に話を聞いた。

 

各SIerの動き(2019/2/14)

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次に「顧客システムのアジャイル開発プロジェクトに携わるエンジニアの数」を聞いたところ、今後3年間で合計3倍以上に増える見通しが明らかになった。伸び率が最も高かったのが富士通で、3年後は2018年比13.3倍の4000人に増やす計画である。現状で最多のアジャイル人材を抱えるのはNTTデータで1000人。3年後には6000人とし国内最大規模を維持する。

 

なんとなく、デジタルトラスフォーメーションはアジャイルと解釈された

去年、デジタルトランスフォーメーションという言葉がバズったときに、SIerもこれをどう顧客に説明するか、そもそもSIerの経営層もそのプロセスを掴みにくい。

「何かもっと、こう、うまく説明できる言葉はないのかね、君?」

「あ・・あります。アジャイル・・です!」

「ああ、アジャイルなら知ってるぞ。でももう十数年前からある言葉だな」

「はい、だからこそ、お客様にも浸透していて何をするかが明確なのです。どのように進めるかについても過去の知見がありますし・・それから・・」

「よし、じゃあその線で進めよう。」

という会話がいろんなSIerの本社内でされたんでしょうね。

 

その結果、顧客のうけもいいようです。

 

enterprisezine.jp

 一方、アジャイル型については、「採用中」の割合が継続/拡大と縮小を合わせて40%近くに上り、「未採用:採用予定あり」の割合も30%に達していて、実に70%ほどの大企業が採用中や採用予定の段階にあると回答している。

 この割合は、全体の30%(「採用中:継続/拡大」 15%、「採用中:縮小」2%、「未採用:採用予定あり」13%の合計、図1)と比べて大きく、大企業でのアジャイル型への関心が非常に高いことがうかがえる。

 

デジタルトランスフォーメーションという最新の概念が、アジャイルに変換する辺りが日本っぽくて面白いところだと思いますが、最後にアジャイルが2002年に生まれたのに2019年まで主流になっていない原因まで探っておきます。

 

2010年の記事です。

www.nikkei.com

いま、企業のシステム開発プロジェクトでは、「アジャイル」[注1]方式の採用が本格化しています。Webアプリケーションなどスピード重視の開発案件が増えたからです。アジャイルは、開発途中での仕様変更などに柔軟かつ迅速に対応することを重視したやり方の総称です。一方、事前に仕様を詳細なレベルまで詰めておく、プロセス重視・手続き重視の従来方式を「ウォーターフォール」[注2]と呼びます。アジャイル開発は、ウォーターフォール開発よりも簡単そうに見えますが、安易に取り組めば失敗します。本連載の第1回では、アジャイル開発の経験が豊富な3人に、現場の様子を語ってもらいました。(聞き手は、池上俊也=日経SYSTEMS)

 

今回のアジャイル・バブルともいえる状況は、上記のような問題を超えていける知見を持っているかどうかがSIerに十分存在しているかどうか、そしてその自信があるということになるかと思います。

まあ、デジタルトランスフォーメーションがアジャイルかどうかも、懸けのようなところも個人的には感じますけれども。