orangeitems’s diary

クラウドで働くエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

VTuberは『声優スタッフ』なのかという哲学的命題

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VYouTuberが問題提起

VYouTuberグループの「ゲーム部」が運営元と揉めている件、ニュースになっています。

 

kai-you.net

VTuberグループ「ゲーム部」解散疑惑騒動に進展

声優スタッフとされる人物が過酷な環境・待遇を暴露

運営会社Unlimitedが声明「改善含めて協議中」

 

この「過酷な環境・待遇を暴露」と言った部分について、深堀した記事はこちらです。

 

matome.naver.jp

 

VTuber自体が新しいビジネスということもあり、かつ年齢の若い方が関わっていることも合わせて、就労環境という意味ではかなり未成熟なんだろうと推察します。

内容がすべてフィクションということはないと思われ、いち早く収束し、VTuber界が健康な状態になることを願います。

 

運営元Unlimitedとは

本題に入る前に、運営元Unlimitedを知っておきます。

 

unlimited-ent.co.jp

 

 

・・と、ホームページを見てもあまり会社自体の情報がうかがい知れません。

こちらの求人を見た方がわかりやすいかな・・と。

 

www.careertrek.com

 

VTuber運営会社としてはかなり大手の部類になるのではないか‥と思います。

 

考察

この件自体深刻な問題なのですが、運営元の下記の言葉が気になるのです。

「声優スタッフ」

こちらのUnlimitedの声明は4文からなるのですが、全部の行に出てくる声優スタッフという文字。

VTuberは絵的にはアニメと似ているため、アニメで言うところの声優、という言葉を使ったのでしょうが、果たしてこれで意味は通るのでしょうか。

そもそも、VTuberは特殊な機器をつけてキャプチャーモーションし、表情も含めて「中の人」がコントロールしているはずです。

あらかじめ決められた脚本を使ってアニメーションに声を当てていく「声優」という表現で良いのでしょうか。

ほぼアドリブの世界のVTuberでは、表面上はアニメーションでもそこに「人格」が表現されるのではないか。「人格」を構成するスタッフのアウトプット活動を「労働」だとすると、それに対して人間的な待遇がない、専門性に対するリスペクトがないというのが問題の根本のような気がするのです。

声優スタッフという表現をすることで、声優という定義では表現できない人格の部分が軽んじられていることが、問題を大きくしているのではと思うのです。

 

単に労働環境の問題だけでは片づけられない哲学的な問題が隠れていると思います。VTuberが実装するキャラクターに宿った人格(発言だけではなく、表情や動作も含めて)が価値であるとき、これをどうマネジメントしていくかということです。

俳優とも違うし、コメディアンとも違うし、もちろん声優とも違うのです。

そういう意味では、VTuberはVTuberであってそれ以外の単語はない、ということが正解なのかもしれません。

 

VTuber自体は技術的に発明だと思うのですが、これをビジネス化するならば、コンテンツに人格が宿るという性質に対して気を払わないと、運営企業側が「次世代のIP」としか見ず人格に対する気遣いを忘れてしまうような危険なロジックが潜んでいると思います。