orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

渋谷の人混み、そして人手不足

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渋谷での出来事

今日は用事があって東京都内に行き時間があったので渋谷に寄りました。

渋谷と言うとこの前のハロウィンの大騒ぎを思い出します。あの日はYoutubeのライブでセンター街の様子を眺めていたのですが街が溢れかえる勢いでしたね。

ハロウィンが通過して普通の街に戻っているかな、と思ったのですが大違いでした。人、人、人。数年前の渋谷よりも段違いの混み具合です。店を散策することはほぼ無理です。人をかき分けてゆるゆる進むしかない、そんな限界を迎えた渋谷の土曜日でした。

客層も、外国人が非常に多い。おそらく観光にくる外国人が増えていると聞きますが、渋谷は格好の観光地になっているのだと思います。渋谷に何か観光資源があるか、というより人混みそのもの、そして駅前のスクランブル交差点の人の流れ自体が名物になっているのだと考えます。

そんな状況なので、飲食店に入ってもたくさん並ぶんだろう、そう思って入ったフルーツパーラーがあら不思議。待つには待ったのですが10分そこそこで入れてしまいました。街は混んでいるのに、店が混んでいないというギャップが甚だしいです。これでは渋谷のお店も商売に良くない影響を与えているのではないでしょうか。街が混みすぎて店への導線すら潰してしまっているのです。これは、渋谷の街には興味はあるけれど店舗には興味の無い層が増えすぎているという点です。特に外国人は言葉の壁故にその傾向が強いのかもしれません。

一方で、席についてオーダーはしたもののです。待てども待てども商品が来ません。これは今流行の、「人手不足」です。土日で来客率が100%のときに、商品を生産するだけのマンパワーがいなそうです。これがまた皮肉な話で、店の外には大量の人がいます。なのに店員は人手が足りない。ギャップとはこのことです。店の外の人々の一部でも働く側に回れば、回転率も上がるだろうに。

 

考えられること

今回の出来事で考えられることは2つです。

1つ目は、街が爆発的に混んでいるけれども、商店街への還元は見た目ほどないということです。混みすぎです。駅からの人の流れを分散させないと街自体の機能性が低下してしまいます。おかげで通りだけが混んで店の中に人が流入しないという皮肉な状態が起こっています。

対策としては、現在の渋谷の裏手の再開発(渋谷ストリームのあたり)をさっさと終わらせて、センター街周辺の人々を引き寄せないといけません。ハチ公前の広場でまず人が滞留し、そこからスクランブル交差点経由でセンター街に流れるのですがここでもうお祭り状態になっています。むしろ新橋のようにスクランブル交差点すら廃止して、センター街まで広場のようにしてしまうのも手です。もともと車道も渋谷駅周辺はぐちゃぐちゃしているので、地下化も含めて整理すべきでしょう。これだけ人を呼び込む力があるのならば、投資対効果も相当あると思います。

2つ目は、人手不足はもう限界を超えていながらも、人がいないわけではないということです。本当の人手不足なら人がいないことに誘発されるのですが、人は恐ろしいほどいます。この現象は興味深くて、外食業界が不人気で必要な人が確保できていないことは理由の一つでしょう。特にインターネットでいろいろな職業の内情が簡単に知ることができる状況で、職業の人気不人気が全国的に定着しているように思います。職業選択の自由はそもそも憲法の規定ですので、情報過多の時代でなるべくしてなったのだと思います。次に、昨今の過重労働の問題がクローズアップされたことで、外食業界でも無理な働かせ方ができなくなってしまい、シフトを産めるのに四苦八苦しているというのもあると思います。特に外国人のアルバイトもよく見かけるようにもなりました。介護や建設業の現場などもそうですが、「不人気職業だけれども誰かがやらねばならぬ」というエリアでの最適化が非常に難しい状況であることを痛感します。一方で、「賃金水準が大変低いけれども、この仕事が好きだから続ける」という日本人は増えているのではないかと思います。

職業を何にするかは個人の自由である以上、強制ができません。とすれば、選んでもらうためには、働くことが魅力的である必要があります。外食業界はどちらかと言えばファストフードやファミリーレストランが全国チェーン展開していて、その他は中小企業ではないかと思います。継続して働くことがキャリアアップにつながらないのではないか、成功しても店長どまりではないか、と言う印象があります。このあたりを変え、若い人に目指してもらえるような仕組みづくりが重要かと思います。

 

同時に2つのことが起きている

街に人があふれているのに店に人が入らない。あまり待たずに入れるのにオーダーしてもなかなか商品が来ない。この2つに因果関係があまりありません。なぜ回転率が悪いのにすぐに入れるのか。これは客が学習していて、回転率が悪いのに待たされるなら別の店に行こうということを徹底しているのではないかと思います。すぐに入れたのですぐに食べれるかと思いきや・・です。

問題解決とはこのようなケースが多く、1つだけ解決しても収束しないものです。物事を多面的に捉える癖をつけて、偏った仮説と偏った解決法にならないようにしなければいけないと思います。

 

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