万国郵便連合のニュース
普段、万国郵便連合という組織を意識することはなかったのですが、この組織は相当に長い歴史があるのですね。
万国郵便連合は、加盟国間の郵便業務を調整し、国際郵便制度をつかさどる。
最も古い国際連合の専門機関の一つであり(最古は国際電気通信連合、万国郵便連合はそれに次いで古い)、1874年10月9日、万国郵便条約によって設立された。本部はスイス・ベルンに置かれている。
で、ここからアメリカが脱退するというニュースです。
国際郵便の料金などを定めた同連合の規則では中国企業が極めて安価に郵便物を米国に配送でき、米国企業や消費者に不公正な制度になっているためだと説明した。今後、条約の見直しを求めて交渉し、1年程度で合意できなければ脱退する。
UPUの万国郵便条約によると、中国など新興国や発展途上国の郵便事業者は軽量な荷物の場合、米国など先進国の事業者よりも国外に安く送れる。米政権はこの規則の見直しを求めている。
そもそも中国を発展途上国という扱いにしていることが、無理がありますよね。歴史が長いからこそ、大昔の前提が変わらず施行されているというお話です。
実は日本でも。
私はアマゾンで家電の品ぞろえをよく見るのですが、最近気づいたことがありまして。アマゾンでトップセラーになる商品って、家電量販店ではあまり見かけないブランドなのですね。例えばですね。
上記から、ベスト10の会社を見ると、1位のAppleはともかく。
・Pasonomi(パソノミ)
・iHarbort
・EnacFire
・Muzili
・iKanzi
・EVISTR
・Ginova
・YEMENREN
です。こちら、聞いたことがありますか?、私はさっぱりです。しかも、一部はどこの国籍の企業が販売しているか隠しているブランドもあります。
実体は中国です。しかもスペック(仕様)が非常に優れているにも関わらず、価格が相当に安いです。したがって、ネットでスペック比較すると優位性があるのです。本当の品質を否定しているわけではなく、スペックと比べて異様に安いのです。また、Amazonレビューも非常に評価が高いという性質を持ちます。このレビューすら私は信用していないのですが、他のサイトでは売っていないのでAmazonレビューを信じるしかなくなるというのがうまくできていると思います。
まとめますと、
・中国からの輸出品だが、メーカーを抽象化している
・スペックが異常に良いのに、安い
・Amazonレビューが総じて良い
・他のサイトでは売っていない
ということになります。これなら売れますよね(数学的に)。
長くなりましたが、万国郵便連合の件に戻ります。上記の製品は、Amazonの日本の倉庫に在庫を持たせています。そこに中国からの郵送で補充しているのです。ここで話がつながります。小さいロットでも中国から日本に安く送れるので、日本に大量の在庫を持つ必要がないのです。したがって、日本での在庫リスクがなくかつ製造は中国なので、上記のようなこと(アマゾンで中国製品がトップセールス現象)が起こっていると考えています。普通の条件なら、大量に日本へ一度に送らないと大変な郵送費がかかるはずです。
一方で、中国人は日本に「爆買い」と呼ばれる購買行動を起こしているので、何となく相殺されている感があるのですが、Amazonで買い物をするようになって何となく思ってたことがつながったので記事にしておきます。
もし日本が米国に追随するなら
実質的に中国からの直送販売となるようなやり方は、相当にコストが乗ってくるようになります。そうすると今までのようにはいかなくなる、と思われます。
一方で、中国の購買力は日本も当てにしているところもあるので、何となくアメリカの要求をやり過ごしていきそうな気もしています。
日本の立場が透けてくる一件でありました。