巨大IT？、寡占？、何のこと？
この記事のことです。会社名を名指ししていない記事なので、具体的にどの企業のことか考えてみます。
公正取引委員会は「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大ＩＴ企業の取引実態を把握するため、年明けにも大規模な実態調査に乗り出す方針を固めた。寡占が進んで巨大ＩＴ企業の市場支配力が高まり、取引先に不当な取引を強いている恐れがあるためだ。独占禁止法４０条に基づく強制調査も検討する。
考察
アマゾン
アマゾンについては、ECの分野で寡占状態と言える状態にはあると思います。ただこれまでに何度も公正取引委員会とバトルを繰り広げています。
今回の件は、今さら感が強く、目新しい話でもないかなと思いました。
AWSもパブリッククラウドで盤石の位置にいますが、「取引先に不当な取引を強いている」という表現などやりようがないですね・・。別に使いたくなければ他のクラウド使えばいいだけの話で・・。
Googleが寡占状態と言えば、インターネット広告市場ですね。これもインターネットで完結する話で、不当な取引ってどうやってやるんだろう・・・。
Androidはライセンス料が発生するわけではないので、不当な取引となりようがないのでは・・。まあ、Androidを使うにあたって、いろいろな条件をスマホメーカー側に出してくるというのはあり得そうな話です。一方で、Pixelを国内で売る話もあるし、あんまりパートナーを刺激するような会社ではないと思っています。
Microsoft
マイクロソフトがまずいとすれば、Microsoft Office周りかなと思います。Windowsの寡占状態はご存知の通りで、Surface Go売るときに日本だけOfficeを抱き合わせにして高額にしてしまったのは記憶に新しいです。WindowsやOfficeは価格拘束力が激しくて、マイクロソフトの言い値で買わなければいけないのは長いこと問題になってきました。急に十数パーセントの値上げを通告してくるのでなんだかなあと思っていました。
MS、10月より「Office」と「Windows」の一部製品を値上げヘ - ZDNet Japan
8月よりMicrosoft User CAL製品が値上げになります | OTTOSERVER "TECH" Blog
売上足りんなあ、利益足りんなあ、というときに、じゃあ値上げしとこうというのが見え見えです。ここ最近。
Apple
最近のiPhone、値段高いですよねえ。一台20万とかパソコンかと。一方で利益最高！とか言っているので、最近は技術的価値よりブランド価値、数学的な話のように思えてちょっと興ざめしています。
高価格なiPhoneによってAppleが史上最高の第3四半期決算を達成 - GIGAZINE
本来はAndroid勢にも頑張ってほしいのですが、日本での圧倒的なシェアで、販売会社も相当な販売条件を突きつけられているのでしょうし、これは昔からそうと言われていました。キャリアも、何とか達成すべく、にねん割や実質四年割などいろいろやらされる羽目になってしまいましたね。
プラットフォーマーの具体例
基本に立ち返って、プラットフォーマーの意義をおさらいしておきます。
プラットフォーマーとは、第三者がビジネスを行うための基盤(＝プラットフォーム)として利用するソフトウェアやアプリケーション、機器、サービス、コンテンツ等を構築・提供・運営する事業者のこと。
（中略）
プラットフォーマーという言葉は和製英語であり、英語で記述される「platformer」はビデオゲームジャンルの一つである「platform game」を指すため、別の意味を持つ。
おっと、和製英語だったのか！。困ったもんですね、逡巡する以前に、言葉からして意味不明でした。
前章以外で出ていないプラットフォーマーと言えば、任天堂、ソニー（PS4）などのコンシューマーゲーム勢。あとはキャリア（ドコモ、AU、ソフトバンク）、SNSで言えばFACEBOOK。営業支援で言えばセールスフォース。グループウェアで言えばサイボウズ。そんなところですかねえ・・。
全く公正取引委員会が出てくる場所が思い当たりません。今後、具体的な強制捜査がニュースになったときに、もう一度考えてみたいと思います。
備考
あんまり公正取引委員会がアメリカ企業に対して動きすぎると、トランプ大統領が圧力をかけてくるでしょう。政治の動きと密接に絡んでいるので、正義は勝つ、とはいかないと個人的には思っています。
むしろ、国内の寡占キャリア勢の圧倒的な利益体質の方が問題のように感じますけどね・・。
