orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

縮小する社会に必要な発想とは

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人口増減が社会に与える影響

今、ファイナルファンタジー11というオンラインゲームを進めているのですが、その中でこんなセリフがあります。

「この街はここ最近で人口が2倍に増えた。開拓を続けなければこの街はいずれ滅んでしまう。」

このセリフの意味をかみ砕くと、人が住むには住居もいるし仕事もいる。一方で居住面積は限られるのでもしこのまま街を広げていかなければ、人があふれて街としての機能を失ってしまう。開拓することで居住地を増やさなければ未来はない。そういうことなんだと思います。

一方で、この日本においてはこんな仮定はできません。むしろ、このまま行けば人口は半減してしまうだろうと言われています。

 

business.nikkeibp.co.jp

 

この記事のように、2100年の世界ではこのままのペースでいけば人口は半減の6000万人です。

 

1973年にはオイルショックが起こり、資源と人口増に関する危機感が高まりました。そして日本の人口政策史において象徴的な出来事が起こります。厚生労働省の諮問機関である人口問題審議会が主催した日本人口会議で「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言が採択されています。少子化を目指していたわけですね。

 

人が増えていく、それはそれで問題で、ファイナルファンタジーの世界と同じで日本は危機感を持っていたわけですね。国土の狭いしかも資源のない日本で、人口がこのまま膨張していくと国が滅ぶと。さて、それが叶い、今度は増えないどころか減ってしまう状況となったらそれはそれで社会問題。

結局、いつも人口問題は起きているように見えます。仮にもし今の人口減を乗り越えて人口増社会に入ったら、それはそれできっと問題となりますよ。

 

人口減時代に起こるおかしな議論

さて、人口が減っていくことがもはや確定的なこの時代。耳を澄ますと少しおかしいなと思うことがあります。この国は今1億2000万人の国民が住むための器となっています。半減に向かって人口は減っていくのですが、そうすると器も小さくしていかなければいけません。したがって、街の数も半分になるはずだし、会社の数もそして国家予算も半分でいいはずです。今の生活の延長上であればです。

今の日本は、どうにかこの1億2000万人の器を6000万人になっても保とうと必死なように見えます。したがって、外国人をその分移住させて保っていこうという議論すら存在していると思います。

これはもう、国家観の違いまで行ってしまうのかもしれませんが、私は移民で無理やり維持するより、人口に合ったサイジングを国土に合わせて行っていく方がスマートではないかと思っている方です。

だから、マックの店舗の数が半分になっても、大学が半分になっても、全然「良い」と思っています。「良い」と思わない人がたくさんいるから、こんなに少子化の問題も拡散しているし、自民党の経済拡大政策も大きく支持されているんだろうなと思います。

もちろん、AIやIoT、ロボティクスの力で、人が維持してきた部分を自動化し、1億2000万人の世界を6000万人が享受するという世界を目指すのはよいのですが、前提として、「本当に必要なのかい?そのオーバースペックが?」と思うのです。

 

国家観を見直す時代がやがて来ると思う

もし、人口に合わせてサイジングしなおすとすれば、下記のような表現は見直されるでしょう。

・消費が落ち込む
→人口が減るのだから、消費量が下がるのは当たり前。落ち込むという言い方が失礼。

・働き手が減少し、成り立たなくなる
→同じ機能を持つ会社同士で合併し、機能は維持しつつ、生産量をシュリンクしていく

・限界集落
→人口減に伴い、街の機能を整理する。自然に戻す街があって当然。

成長しないと国家が衰退するような、戦後から続いてきた国家観は、どこかで転換しないと最終的には移民だらけになるのではないかと思っています。

日本は2000万人のときも存在していたわけで、無理に今の世界をキープする必要はなくその時々に合わせサイジングしなおすようなビジョンを持てば、もっと楽に、幸せになれるのではないかな、と思います。

まだそれでも1億2000万人存在している日本で、今こんなことを言っても絵空事なのですが、実は決断は迫られていると思います。外から人を連れてきてでもキープするのか、サイジングしなおすのか。あと10年すれば結果はわかると思います。

 

 

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