非常勤講師が多い大学教員
この記事ですが。少し深堀りしたいと思います。
全国の大学の教員のうち約半数は非常勤で、常勤の専任教員も約4分の1が「特任」「特命」などの形で任期付き雇用となっていることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」で分かった。
統計から推察する大学の状況
まず、大学生の数について調査します。
1987年に47万人だった大学生は、2011年には62万人となっています。割合にして131%です。
次に、大学教員の数です。
1987年に20万人だった大学教員が、2012年には38万人になっています。割合にして190%です。
常勤講師だけに注目すれば、11万人から18万人。163%。
非常勤講師だけに注目すれば、9万人から20万人。220%ですね。
もし、大学生の増加率に合わせて大学教員を増やすのであれば、26万人が適正値(常勤14万人、非常勤12万人)です。
したがって、4万人の常勤、8万人の非常勤は過剰という計算になります。
正直言って、生徒の増え方に対して講師が多すぎます。大学が増えすぎなのではなく、講師が増えすぎだと思います。常勤の4分の1が期限付きと記事にありますが、過剰な分が期限付きになっていると考えれば合理的です。
本来は過剰であれば成り手に制限が加えられるべきですが、何らかの理由で過剰に受け入れてしまったことでゆがみが生じているといえると思います。
特に非常勤の増え方は異常で、少子化はすでに待ったなしの中、次の仕事が見つからないのは科学的には当然であると思われます。
まとめ
もし、この人員過剰に対して、政府が何らかの補助金などで救済することがあるとしたらこのまま右肩上がりに教育のために不要な教員が積みあがってしまうことになるということを暗示しています。
ここはもう、ある程度制限を加え、一部の人材は民間に転用できやすくするなどの制度設計が必要だと思われます。
非常勤講師の待遇が悪いということばかりが報道されるのですが、人員が過剰であることが根本原因であるような気がしてなりません。