orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

「AI、認可保育300施設割り振り 手作業50時間が瞬時に」とは言うけれど

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この記事を読んで、少し思ったことがあったので書きます。

 

news.biglobe.ne.jp

人工知能(AI)を活用し、さいたま市の認可保育施設の入所希望者を市内約300施設に割り振る実験をしたところ、職員の手作業だと約50時間かかっていた作業がわずか数秒で終わった。大幅な業務の効率化が期待できることから他の自治体にも導入に向けた動きが広がり始めた。一方で住民からは、行政サービスの向上につなげてほしいとの声が上がっている。

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考察

本記事は富士通と九州大学の実験結果をふまえてのものです。

富士通と九州大などが昨年夏、AIを活用して同じ作業をする実証実験をしたところ、わずか数秒で終了した。割り振りの結果は職員の手作業とほぼ同じだった。 

こちら、思ったのですが、AIがすごいのじゃなくて、単に認可保育施設の入所希望者を市内約300施設に割り振るシステムを作っただけではないでしょうか。もっと言えば富士通が、人力の仕事をSIしただけじゃないかと思うのですが。

保護者の勤務時間や世帯構成などを点数化し、高い順に希望する認可施設に割り振っている。保護者は自分で順位を付けて施設を何カ所でも希望できるうえ、兄弟姉妹がいる場合は「同じ施設を望む」「別々の施設でも近くなら良い」などと細かく要望を伝える。条件が多い分、市側の作業も複雑になる。

とあるのですが、単に業務分析して計算式を作ればいいので、結局生データは正規化しなければいけないでしょうし、普通にシステム化したのと代わりがありません。

また、法制度の変更に伴ってシステムのルールも変更になるでしょうから、システム導入後の保守は必須です。ということは、AIがすごいのではなく、富士通がすごいだけではないのかな?、と思いませんか。

システムにディープラーニングを使うのか、普通にビジネスロジックで処理するのかは単に手法であって、結果は同じだと思います。まるでAIを使ったから人力の事務が省力化されたよと言わんばかりですが、むしろ保育施設の割り振りは定型化作業でありAIを使うのはもったいない気がします。

結局システム保守費用を富士通に支払うのであれば、人力でやったほうが効率がいい場合もありますし何でもかんでもシステム化すればいいというものではないと思います。民間にアウトソースするのもアリでしょうしね。

AIの用途としては、もっと形の決まっていない大型のデータ分析のほうが向いています。例えばGoogleはブラウザに出力する広告を、そのユーザーの検索結果や見ているWEBサイトを総合的に判断して、決めています。これは完全に裏でAIが動いていて、大量の広告とユーザー行動をマッチングするために利用しています。もしくは、裁判所において紛争を扱う場合に過去の全ての判例から類似の案件を絞り出すとか。もしくは過去30年間分の天気図から類似の天気図を割り出し、天気予報をするとか。というふうにAIにはAIの仕事をやらせないと、コストパフォーマンスが悪いと思います。

AIがすごいすごいもてはやされますが、人間には人間のインテリジェンスがあるわけでステレオタイプにAIのほうが全てすごいとは思うのはミスリードに繋がってしまいます。システム屋が売り上げるためにAIという言葉を使うようなことが続くと、今のAIブームも収束してしまうに違いありません。

 

再度繰り返しますが、認可保育300施設を割り振るシステムって、50時間で完成するんでしょうか。また来年そのまま使える業務なのでしょうか。保育施設の増減もあると思いますし、新たな条件の追加も発生すると思います。その保守は50時間で済むのでしょうか。

ということで、AI先生に、変な仕事ふらないでほしいなあと思った土曜日の夜でした。