orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

同じIT業界と言ってもいろいろあり、全然違う話を毎日している

 

私はインフラエンジニアだが、隣に開発部署があるので開発現場の話し声も良く聞こえてくる。心底思うのだが、開発現場の人たちは開発するその業務自体のプロセスのことをよく話す。どんな業務であるにしてもIT自身ではない。顧客がどういうふうに仕事をしているか。どうこなすべきなのか。顧客の要望は何なのか。その会話の中にはIT自体の用語はほとんど入ってこないから面白い。具体的にITでどう実装するかということは結構洗練されきっていて、それより業務が何なのかということのほうが従業議題である。どんなに先端技術を使ったところでアプリケーションとしての見た目、動き、処理速度みたいな部分しか顧客にはわからないのである。

ネットで実装技術や実装工程の話がよく議論になるが、実際の現場は顧客ロジック、業務内容のほうが9割、であるのが横に居てよくわかる。世の中には色んな会社がいるけれど、会社ごとにかなりやっている業務プロセスが違う。だからこそ、体系的にならない。ローカルルールが多すぎるので、業界全体に通用するシステムみたいなものが作りにくいのが日本企業の特徴であろうとも思う。日本企業にフィットしようとする開発現場は、それぞれの誤差をカスタマイズで埋めようとする。豊富な機能を持つパッケージは、いわばカスタマイズの蓄積である。うちのソフトウェアは、そういうふうにも実装できますし、ああいうふうにも実装できますよ。ただ、結局御社はどういうふうにしたいんですか、から仕事になるという様子を、インフラエンジニアの立場で日々観察している。

それと比べれば、インフラエンジニアの知識というのは結構コンピュータ寄りなので、どんな業務がやってきてもパターン化はできやすい。いわゆるベストプラクティスが通用しやすい。1社でうまくいったから他社に展開するみたいなことをやりやすい。業務プロセスのことをあまり気にしないで、非機能要件と言われている性能的なところやセキュリティー的なところに集中すればいいので、会話の内容も開発の現場と比べると全く違う世界になっている。サーバーがCPUがメモリーがストレージがネットワークが、なんてことを話しているので、同じ業界にいるのが信じられないくらい、人生観が全く異なってくると思う。

さて、どちらがITエンジニアとして有望なのだろう。開発かインフラか。これは、かなり人物の適性で異なってくる。実装する対象、ロジックに興味を持ち、自動化することに特化したい人は開発エンジニアのほうが良いのではないかな。私のようなインフラエンジニアは、新しい技術に触れていたい、新しいソフトウェアを試してみたい。ロジックより結果を楽しみたい、コンピュータを触っていること自体が楽しいという人が向いているのであろう。

同じITの会社でもこうなので、会社が違うともっと違うんだろうな、と思いつつ。人生いろいろだし、日々やっていることもバラバラな中で、「エンジニア」というくくりで話をしたとしても全く違うことを言っている可能性大だな、なんてことを思っている。