orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

利益が出ても喜んではいけない。再投資しないといずれ詰む。

 

毎年度、部門の売上と利益について予算を作っている。

一年間の予算を実績が超えられたら、プラス評価。超えられなかったらマイナス評価。

とってもわかりやすい。予算とは会社に対しての約束であり、約束を守れたら評価されるのである。だから、予算必達は絶対、なのだ。

ここまでのルールはわかりやすいのだけど、もう一つ暗黙のルールがあった。

「予算規模は昨年度よりも売上・利益ともに高い水準であること」

これだ。簡単に言えば、毎年成長しろ、ということになる。

人間、日々生きているんだから、日々成長する、と言われる。ビジネスだって成長していくことを半ば義務付けられている。

もし、この暗黙のルールを守りたいのなら、1つぜひとも注意すべき点がある。

今年の成績がとても良かったら、来年それが予算として立ちはだかるということだ。だって、年々、売上や利益が前年よりも上回っていくことが成長なのだから。

めちゃくちゃがんばって仕事して、そして売上や利益が向上し、やったぜ、とおもったらそれが未来の壁になる。これが社会の事実であり、単年度でがんばったところで、今年だけ褒められて終わり。来年が平凡であれば、むしろ予算未達でマイナス評価となってしまうのである。厳しい。

前年よりも成績が良いことを義務として考える、成長し続ける。これを目的にした時点で気を付けなければいけない点がある。最近私はこれに気が付いた。

利益をそのまま利益にしてほったらかしておくと、将来の壁にしかならない。利益が出たことをそのまま喜んではいけない。

利益は、将来の売上や利益を生み出すために積極的に投資しなければいけないということだ。もし投資をすると今年度の利益が減る。したがって翌年の予算のハードルが下がるということになる。

その上で、投資した結果、人やモノ、サービスが手に入っているので、来年度以降、売上や利益を手に入れるために必要な要素が今年より来年の方が揃っているということになる。そのやり方であれば今年より来年、来年より再来年と、投資が進むので、成績も出しやすくなる。投資をすることで成長を加速させていく。

売上や利益が年々向上しているのに、それを全く投資に回していないと、そのうち資源が枯渇する。たくさんの仕事のオーダーを頂くのにできる人が限られる。設備がない。マネージャーがいない、パートナーがいない。それなのに毎年ハードルだけが上がって行きいつか詰むのである。節制して利益を毎年出しても、どんどん追い込まれていくというのはせつない。

投資して、利益が出た。そしてその利益をまた投資する。そしたらまた利益が出た・・・ということを繰り返さないと、永年成長するなんてことは無理である。なのに、ケチって投資することをしり込みして、年々の利益創出を優先してしまったばっかりに、「もう来年は無理!」なんてことが起こる。

単年度利益を出すためには原価削減だが、中長期的に成長し続けるためには継続的にお金を使わないといけない。お金を使うからこそ、お金が寄ってくるというのは、実に興味深い事実である。