orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

若手のうちはたくさん手を動かした人が勝つのではないか

 

私のIT業界探検も、おそらく中間地点は超えていて、若手がベテランになりシニアになりみたいなプロセスも俯瞰できるようになっている。いろんなキャリアの人がいて、ずっと同じことをしているという人もいれば、いろいろな仕事を経て現職という人もいる。今活躍しているベテラン・シニアの人たちのことを考える。

私の職域であるインフラエンジニアで言えば、若手のころにたくさん、インフラ構築をした人はベテラン以降も強いなと思う。しかも、素人構築ではなく、大きい目のプロジェクトで、かっちりSIerの手法の下で要件定義から設計、実装、テストまでの流れを一通り経験してきた人。そして1つの技術だけではなく、いろんなことに関わって来た人が強いよなと思う。

インフラといっても、昨今はたくさんのことを横に知っておかなくてはいけない。データベース、ネットワーク、仮想化、ストレージ、ロードバランシングやCDNなどの負荷分散、OSやコンテナ、監視やバックアップ、うんぬんかんぬん。特にクラウドの進化によって、少人数でたくさんのことをいっぺんにできるようになったので、「私は○○しかできません」とはどんどん言いにくくなっている現実だ。一人で全てを語れる人が求められる。

だから、若手のころ、あんまりこだわりなく、いろんな技術に触れて来た人は、今、ベテランやシニアになって、とても頼もしいことになっている。インフラの構築要件にしろ運用要件にしろ、前述のようなたくさんの技術の組み合わせによって成り立っていて、全体を俯瞰でき、そして説明できる人はとてもありがたがられる。一方で、要件定義からテストまでの設計手法はたいていどの会社でも似たり寄ったりなので、若手のうちにこれを地道に経験していると強い。どんな現場でもたいてい再現できる。

一方、手を動かせばいい、という単純な話でもない。動かすなら効率的に。教材が仕事場にたくさん転がっているとなおいい。何かよくわからないが完成物と手順があり、それを真似ているうちに実力にできるというのが一番都合がいい。あまりレベルの高くない職場に長居して、そこでいっぱい手を動かしていましたといっても、他社では通用しないお山の大将、井の中の蛙的なナレッジな恐れもある。

だから、若手で、こういう学べて手を動かせる環境にいないし、未来もそうなる状況にないのなら、転職の検討も行った方が良いとお勧めしておきたい。現職がとても待遇が良く将来も保障されているならこの限りではないが、その現職で出世したとして、他社でも通用するスキルなのだろうか。結構今の時代、どこでも活躍できるスキル形成というのは、非常に重要になってくるのではないか。

ここ最近、私は他社の技術者の方と会話することもあるが、まるで会社の垣根がないように、さまざまな技術についての情報交換をすることができる。お互い今まで別々の人生を歩んでいたのに、技術的な、共通のことをやけに知っているというのは面白い。ああ、やっぱり、たくさん手を動かしてきた人は強いんだなあと実感するに至った。

若手の際の立ち位置、環境というのは非常に重要であり、将来を大きく左右すると、長年経験して思うところである。