orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

昔は、企業が社員の人生を背負っていたものだけれど今は

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私が新入社員だったころ

ーーもう25年くらい前のことになってしまいますがーー

は、ITの仕事なんて社会から見たら規模も責任も軽かったと思います。

①組み込み・・精密機器などの中に入っているソフトウェアの開発を行う。Cもしくはアセンブラ。

②パソコン・・クライアント-サーバー全盛期で、クライアント側のソフトウェアを手組みで作っていた。Visual Basicが強かった。

③オフィス・・マイクロソフトオフィス、特にアクセスを使ったデータベース周りを開発していた。

④UNIX・・ベンダー独自のUNIXで開発しソフトウェア開発。CやC++が強かった。

まあこんな景色だったと思いますが、パソコンが大いに売れ、企業にパソコンがどんどん入っていったこともあり、パソコンやオフィス周りの仕事をしている人をたくさん見ました。

なお、④に相応する銀行システムは、結局今と変わらず大変な現場だったようで、今第四次システムを作っているのに、それが頓挫しつつあり、もう第六次システムの要件定義に入った、なんて話を企業ビルのレストランで横で話しているのを聞いたことがあるくらいです。おい五次はどこいった、なんて思っても今となってはよくわかりません。

 

さて、当時はシステム開発をどうやって行うか、ということの基本すら策定中でした。営業が仕事を無尽蔵に受注するものの予算オーバーや、人員が足りない。納期が短すぎる。要件がよくわからない。いろいろブラック企業となるべき条件が揃いすぎていたおかげで、なかなか大変な業界ではありました。そのころから営業が悪い、いや開発が悪いみたいな論争は普通にありました。仕事見つけてこなきゃ食っていけないだろと強気な営業と、それで赤字になっちゃしょうがないじゃんそんな安値で取ってくんなよと反発する開発。それをなだめる事業部長。昔からある景色です。

そんな、ブラック状態の会社でしたが、なんとなく会社に属していたら定年まで面倒見てやるよ、という雰囲気だけはありました。昇給も地道にしていき、安安月給が安月給になるような形であっても、なんとなく人生のシナリオに合わせて給料も上がっていくような雰囲気だけはありました。

もちろん実力がはっきり出やすいので、実力がある人は上に行きやすいし、当時は今で言う体育会系の世界なので気合の入った人が評価される土壌はありました。つまり、どんな会社であっても、終身雇用的な色彩があり、ある種安心して働けていたと考えます。

 

今はどうでしょう。会社自体がどうも従業員の人生まで面倒見てやるような時代じゃなくなっている気がするんですね。この仕事をするためには、この能力が必要だと。この能力を使ってこの成果を成し遂げる人にこれくらいの給料を上げよう。いわゆるジョブ型と言われているこの制度ですが、会社にとって見れば成果に合わせて給与を設定できやすいので都合がいいのかもしれません。

でも、例えば今の若手が、とりあえず会社についていけば、普通の人生送れるかな?という実感を持つには根拠が薄いと思うのです。

自分に能力がないと決めつけている、達観している人は、もはや一定以上の給与は無理だと諦めています。諦めるからどうなるか。

 

 

ということですね。能力や成果で給与が決まると言うことは、自分にはチャンスがない。もしくはチャンスをあきらめることで、挑戦しない人生を若いうちから選んでいってしまうわけです。

これがごく一部の人だけだったらまだわかるのですが、かなり若手全体に無力感が浸透していっているような気がしてならない。

勝っている人だけが勝ち、その他の人々は自己責任で食っていけ。

結果として、結婚・家庭・子育て・家・車、どこの切り口もリスクしか見えなくなります。仕事での立ち位置に若くから悲観すると、積極的に避けるようになってしまうのです。

そうなると、独身で、サブスクで見放題のコンテンツでお金を使わず時間を過ごし、家はワンルーム、車なし、のような若者が増え、結果として社会全体が衰退していく。そんな時期に本当に入ってしまったように感じます。

 

いやいや、能力主義を徹底するからこそ、勉強しようと言う意思が生まれ、成功者がどんどん生まれていくんだという意見もあるでしょう。

さて、そうなっていますか?。

できる人だけ救う社会の在り方を作ったため、本当はできるのにできないと達観する若手の出現を止められていますか?。

 

 

ってことなんですよね。みんな去っちゃいますよ。こんなの続けてたら。

たくさんの人が「自分、いけるかも」と思えるような仕組みにしていかないと。こんな自己責任社会、終わらせねば。