orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

円安、資源高 資産の安全を確保するために個人が今から取り組むべきこと

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最近、お給料の話がすごく多いですね。アメリカが二十年で平均給与が倍に増えたのに日本はほとんど同じ。低所得者層に分配を行い、底上げを行いたい。どうやったら給料が増えるのか。個人も国家も、給料のことに対する関心がとてつもなく上がっているように思います。

一方で今、経済の足元では変化が起こり始めています。円安です。長い事110円近辺でピタッと安定していたドル円のレートが、今この記事を書いている時点で114円を突破しました。

円安が起こると、アメリカから見て日本の物価も給与水準もなお下がります。ただでさえ給与格差が広がっていたところにこの状況。ますます日本とアメリカの格差は広がっていきます。

この傾向が中長期的なものであれば個人はどうするべきか。日本円を替えて米ドルに両替するのと、米株を所有するのが一般的には良いでしょう。日本円で持っていてもアメリカからみればどんどん目減りしていきます。

また海外のものを購入するときに、円安ですから価格が上がります。円安でなくたって、コロナ禍後の需要急増で、原材料の価格はどんどん上がっています。その結果どこかで製造業が我慢できなくなり、ついに日本でもインフレが始まります。今まで日本人は、値段を維持するがためにアジアを駆け巡り、給与や原材料が安い国で作らせることで何とかしのいできました。しかしもう限界が来ています。もう安く作れる場所もなく、原材料自身の価格も上がるので、ついに日本国内での価格を上げなければ世界との辻褄が合わなくなるのです。

もし円安主導でのインフレが始まった場合、国内でじゃぶじゃぶしている日本円の普通預金は相対的に世界で目減りしていくことになります。今日100円のものが150円になったとき、預金が一定金額だとすると1.5倍損したことになります。それなら、ということでとりあえず、金融商品や不動産など、価値が変動する資産にお金が向かうことになります。それらはインフレが起こった場合一緒に値上がりしていきますから、お金を生身で持っておくよりも資産を守ってくれます。

皮肉にも、やっと値段を上げられるようになった日本は、売上や利益もそれにつれて上昇します。その結果給料にも波及することになります。インフレは資産価値や給与を上げ、円自体の価値を目減りさせていくのです。インフレが起こり日本でも金利が上がると、今度は円安が終わり円高方向にまた戻っていくことになるでしょう。この巻き戻しが始まるときには、米ドル、米株を保有しておくのは逆にリスクとなりますので、引き揚げて日本の資産に振り替えるべきでしょう。この辺りは注意深く経済動向を見ていく必要があります。

このように、日本国内で分配を検討していても、外圧として海外の物価がどんどん上がっていく。これに対して日本だけが追随しない方法でここ二十年間をやりくりしたものの、どんどんと海外との成長格差が説明できないゾーンに入って来つつあり、今起こり始めている円安・資源高が、インフレを強制的に促すのではないかと考えます。

今後の自衛策としてお勧めするのが、普通預金を生活の運転資金だけに留め、現金以外の資産を持つことです。不動産にしろ株式にしろ、価値そのものが同じであれば、インフレが起こると値上がりする性質ものです。値上がり目的に買いが殺到するような資産は、過剰評価となる場合があるので注意です。安定的な収益を長期間に渡って維持できるような種類の資産を、できるだけ複数持っておくとリスクを避けられるでしょう。

まとめますと、日本円は、今後世界の貨幣価値との矛盾を調整する場面が必ず出てくると考えます。コロナ禍終了によって世界中でモノ不足が起き資産が高騰しインフレが進むからです。日本だけが知らない、とはできません。その場合、現金で持っておくことは目減りを引き起こします。今日100円だったモノが150円になるようなときに、預金は1円も増えていないのです。それでは預金残高は同じですが、価値は半分になるようなものだからです。それを踏まえると、今のうちに、物価が変わらないうちに、現金を金融資産に変えて保持するべきと思います。もし多数の人々がこの事実に気づいたときには、むしろ買いが殺到し値段が上がり買いたくても適正価格では買えず、手遅れになるかもしれません。

バブル崩壊以降、ずるずるここまでデフレマインドが続いてしまったので、これからも続くと思っている人が今のところ多数と思います。しかし、まず円安が現実に発生しています。ここからもっと進むと、耐えきれなくなりいろんな物の物価が上がりだすでしょう。そうなってからは遅いのです。

一方で、合わせて給料も増えていくので悪い事ばかりでもありません。今為すべきは資産防衛だと私は思います。うまく今から立ち回れば、リスクを回避できるでしょう。