虚偽在宅??、何のことやらと思ったら・・・。
河野太郎行政改革担当相は12日の記者会見で、新型コロナウイルス感染対策として政府が推進するテレワークを巡り、中央官庁で虚偽の勤務報告が行われている可能性があるとして、確認した場合には処分する考えを示した。「本人、見逃した上司共に処分対象になり得る」と述べた。全ての残業時間も記録するよう求める方針だ。
中央官庁の職員はテレワークの実績づくりをしなければいけないらしく、テレワークをやっていると見せかけて、実はオフィスにおるぞみたいなことが新聞記事になるぐらい横行しているようです。
かわいそうに・・。
テレワークで済むのであればテレワークで済ませるものでしょう。しかし、現場はリモートで仕事が完結するように全然なっていない、ということの現われなのでしょうね。
3連休の人出の情報がまとめられていますが・・。
NTTドコモがまとめた11日午後3時時点の人出は、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち約7割の62地点で、前日の10日に比べ減った。東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県での緊急事態宣言の再発令が全国に波及し、連休最終日を自宅などで過ごす人が増えたとみられる。
霞が関だけが10日より11日の人出のほうが31.5%増加している・・。3連休なんて取っていられないと言うところだと思います。緊急事態宣言に合わせて行政も大わらわ。いろんな決裁事項があるが、リモートで対応できるようになっていない、のでしょう。
虚偽在宅というのは初めて聞きましたが、日本に住んでいるとこのような、制度を骨抜きにするような「偽装」の問題を良く聞きます。制度設計は日本人はものすごく几帳面で丁寧なのに、その制度通り実施するかについては時間とともにどんどんあいまいになり、とにかく外面だけ取り繕っておけばいい、となりがちな国民性を持っていると思います。
システム運用の世界でも、マニュアルもある、設計書もある、手順書もある。でも失敗した事例の理由を掘っていくと、ベテランがいて手順書も何も見ないで対応していた。手順書通りやったように見せかけるため、手順書は別で作ってチェックをつけていた・・、のような場面も出くわしたことがあります。
現場を統制するにあたり、「それは無理です、できません」という発言ができにくい環境を作ってしまうと、こういった偽装は横行しがちに思います。ルール自体を柔軟に変えていけるのであれば偽装は起こりません。そのほうがもちろん楽だからです。誰しもルール通り仕事できたほうが気持ちがいいでしょう。しかし、ルールがおかしい場合にも、異を唱えた人が冷遇されたり、変更するための対応に不条理なエネルギーを使わされると、もはやルールを変えようと言う気すらなくなります。ルールを守っているように見せかけつつ、裏でルール破りをすることが当たり前になります。
ですから、ルールを破ることがすなわち悪、そして処罰、なんてやっていると、現場からどんどん人がいなくなります。それより、なぜルールを破るような現場環境なのかを問い直した方が良いと思います。
このときはこうしなければいけない、ということを長く積み重ねて行くと、分厚いルールが積みあがっていくようになります。そして全体を把握する人がいなくなり、ルールと現場がどんどん乖離していくことになり、不経済なワークフローが現場で形成されるようになります。新任の人が着任して、ルール一覧を渡され、その複雑さに辟易しつつ先輩に話を聴くと、「それは現場ではこういうふうにやっているんだよ」と諭され、わけがわからない!、となるのです。
ルールそのものより、ルール自体が正しく運用されているかのほうが前提としてよっぽど大事ですね。