orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。


リア充に憧れて

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わたしがこどもの頃からそれはあって、自分の本質を考えると、一人もしくは少ない数人で行動し、あまり目立つようなことは向いていないにもかかわらず、何かリア充を目指していた。学校のクラスで「明るい」と「暗い」に選別され、「明るい」の集団ができるが、「暗い」は集団化すらしない。どうにも「明るい」に選ばれたいわたしは、無理にポジティブな発言をしたり、抑揚をつけていたりしたように思う。それはおそらく成人してからも続き、ずっとわたしを悩ませてきた。自分の中に無い「明るい」を演じようと頑張って来た節がある。

社会人になってからは仕事が主役となるので幾分か楽になり、「明るい」「暗い」の軸で人を語らなくなり、「仕事ができる」「仕事ができない」のような軸が明確に出て来た。細分化して行くと「リーダーシップがある」「リーダーシップがない」とか、「気が利く」「気が利かない」とかいろいろあるけれど、どうもあの「明るい」「暗い」の方向性ではないんだということは知ることができた。

ただちょっと勘違いしていて、「仕事ができること」というのを、単に技術力や問題解決能力のような点数化しやすいもので測る性質があり、リーダーを任され始めていろいろ失敗をした。チームはいろんな立場の人で成り立っており、単に能力の上下で対応を区別していたら、不協和音が起こる。リーダーは複数のメンバーをまとめてこそ「仕事ができること」となるのだが、意味を取り違えて能力の差で対応を完全に分けてしまい、チームをリードすることについていろんな問題を体験したように思う。

この課題について、昔ながらの解決方法があることを知っている。

・タバコ休憩所で世間話をし、仲良くなる
・飲みに誘い、いろんなグチを聴いて、仲良くなる
・ランチミーティングをして、理解を深める

しかし私はタバコも吸わないし、お酒は苦手だ。しかも飲み会という行為自体が自分に合わないこともわかっていて、たくさんの人々がいるところで何のテーマも無く話をすることがとても苦手だ。だからと言って飲み会が好きな一定の人々がいるのはわかっているので否定するのは悪手で、単に座ってニコニコしてれば時間は過ぎるものだ。でも、その後の帰りの電車でとてもメンタルは消耗していて、今日もやりきったな・・と疲れた顔をしているのは会社の人々には秘密だ。

お昼ごはんすら、自分一人で食べたい。仕事の間の休憩時間ぐらい自分一人でいたいし、誰かと一緒にいたらその時間、気が休まらない。ランチミーティングをしている時点で仕事じゃないのかなんて思う自分もいる。

結局、わたしの根は「暗い」であり、わたしが正直にいようと思えば思うほど、リア充のそれとはかけ離れて行く。でも世間一般だと「リア充」は素晴らしいものとされていたので、特にこどもの時は「リア充」に近づこうと懸命だった。でも結局自分を傷つけただけで、もとから「リア充」に近づくことを止めておけばよかった。正直に生きていればよかったと思うのは四十代になってからである。

こうやって、「リア充」を礼賛する社会とつきあいながら、そして最近は距離を取っていた私が、コロナ禍を体験している。少しの間で終わる予想もあったのだが違った。少なくとも1年は経過しそうだ。もしかしたら2021年はこのままかもしれない。これは社会がすくなくともしばらくは変質したと言っても過言ではない。どう変質したのか。「リア充」禁止、だ。

飲み会禁止。集まって騒ぐの禁止。カラオケ禁止。パーティー禁止。家で一人で仕事することを推奨。オフィスの雑談に巻き込まれることはなくなる。最小限のチームでWEB会議やチャットを利用しながら、コミュニケーションの機会はスマートに最小化。

「リア充」には申し訳ないが、わたしはこの世界、嫌いじゃない。

多分、コロナ禍は十年も二十年も続くものではない。だからつかの間の大逆転だと思ってる。「リア充」に憧れて、そして諦めた私のもとに訪れた、謎の異世界転生なのだ。このゲームに終わりがあるのかはわからない。でも終わったら、また元の世界に戻るので今の時代を、適格者として楽しんでおくとしよう。

「リア充」たちが今、争っている。ある著名な高齢者が百名弱でパーティーをし、私たちは意識が高いのでかからない。それより若者がもっと努力し自重すべきではないかとおっしゃっている人がいる。若者は、なぜ国会議員が税金で飲み食いしているのに、今しかない自分たちが遊ぶことを止めなければいけないのか、そもそも自分たちはかかっても症状は軽いのに、と憤っている。

大変だ。

私自身は、全く大変じゃないのでこの争いを遠くから見守っている。ま、両方自重しないといけないよね。これが大逆転の真相だ。期間限定だけど、あれだけ憧れていたリア充を、今だけ、見下ろしている。