orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

切り売りされるシニア世代

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将来を予見するようなお話です。

 

xtech.nikkei.com

NECは2020年10月19日、社員のキャリア形成支援の新会社「NECライフキャリア」を設立したと発表した。社員向けのキャリア研修や社内でのジョブマッチングのほか、定年後のシニア人材についてもグループ内外に派遣やあっせんを行う。

 

ジョブ型だスキル育成だと企業側は言うでしょうが、狙いははっきりしています。

これまでの企業の人事制度はピラミッド型の年功序列でした。年齢を重ねればほぼ自動的に昇級していき、企業の成長とともに若い世代が増え、秩序が保たれる設計でした。

しかし、社会は少子化が進み、逆ピラミッドが形成されるようになりました。どう考えてもシニア世代のほうが人が多い。この会社には管理職が多すぎる。実際に仕事を観察してみると管理職とは名ばかりで、待遇のためだけに役職がついているだけ、という状況も十分にあり得ています。

ですから、45歳希望退職ブームなども起こり、矛盾から構成された大量のシニア世代はお金を支払ってでも外に出したかったのですが、あくまでも「希望退職」なので、強制するわけにはいきません。

それではどうするか。冒頭の人材派遣やあっせんです。

組織のピラミッド構造から外れた人で解雇できない人材は、別の形で雇用しなければいけないものの、社内の人事制度を大きく変える必要が出てきます。

それはいろいろな懸念が強いので、もう別会社にしちゃえ、ということです。転籍させたうえで、能力のある人は高い給与を維持でき、ない人はそれなりの給与にする。

もしリストラ部署という位置づけなら誰も行きたがらないでしょうから、基本は、高いスキルがシニアになっても発揮できる組織、としたい。

もちろんその機能は実装されるのですが、本当に企業がやりたいのは、「やったぶんだけそれなりに」の世界構築だと思います。あまりにも年功序列が「やろうがやるまいが年齢に応じてそれなりに」の世界でした。

解雇しづらい日本の状況で、社内でピラミッド型を年功序列を排して構築する場合、完全にシニア層の人が余ります。その人たちにどう納得感を与えながら、仕事を与えることができるか(派遣)。また納得できない人をどうすればいいか(あっせん)。

 

制度設計についてよくできてるなあと感心しつつ、40代以下が考えなければいけないことはなんでしょうか。それは、技術スキルだけ磨いて言った場合、シニアに近づけば近づくほど、このような制度の下、切り売りされる可能性が高いということです。

スキルではなくビジネスに近い、本体の事業部長レベルでお金の動きを握り、顧客との信頼関係を築いている人は、なかなか異動させられません。ビジネスの顔であり、切り離したら売上も消えてしまいます。

ところが、単純にローテーションするプロジェクトをこなすだけ、ある特定分野に通じている、などの技術志向であれば、その技術取得者を中途採用したり若手の育成でカバーできます。ITの世界は汎用的であるため他社に転職しやすいのは特徴ですが、逆に切り売りされやすいことも反面、考える必要があります。

 

特に大企業ともなると、きっちり組織分担され属人化しないような構成を作るように心がけているため、なかなか本体から抜かれないような人材、になるのって特に今の40代以上は厳しい難関だなとも思います。

一方で、中小企業やベンチャーは、大企業の洗練された方法論を知っている人材は貴重なので、受け入れ先にもなると思いますが、待遇は一時的に絶対に下がると考えます。

人口構成と昭和から続く労働文化にかなりギャップが生まれている世界で、今後どう立ち回るかが特に40代以上に迫られている状況で、先に企業側が制度構築してきました。労働者側には、何らかの主体的な戦いが必要に迫られています。