orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

バックオフィスが終わる日

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最近のニュースを見ていると、大企業中心に配置転換のニュースが非常に多いです。狙い撃ちにされているのは事務職です。バックオフィスと言われる、売上を生まない間接部門の人員が大量に営業に配置転換されるというからくりです。

国内企業でも記憶にあるだけで3つあります。

 

www.nikkei.com

住友生命保険は2022年度末までに、事務などに携わる従業員2000人を配置転換する。事務の廃止などで既存業務の量を約3割削減し、同業務に携わっていた人材を顧客への営業や新規事業に充てる。新型コロナウイルス禍で対面営業を前提とした生保の強みが揺らぐなか、効率性を高めて収益基盤を維持する狙いがある。

 

www.nikkei.com

みずほ銀行は2023年度末までに、事務員のうち約3割の3千人程度を資産運用の相談を受け持つ営業に再配置する計画だ。口座開設や振り込みなど定型的な業務をデジタル化し、店舗の事務量を大幅に減らして捻出する。業務の効率化で経費削減と営業力の底上げを図る。

 

www.nikkei.com

富士通は26日、2020年度をめどにグループ全体で5000人規模を配置転換する方針を示した。対象は人事や総務、経理などの間接部門で、成長分野であるIT(情報技術)サービス事業に振り向ける。非中核と位置付ける製造分野の切り離しも進め、事業の選択と集中を加速する。

 

10人くらいの小さな会社で考えると、バックオフィスは2人くらいいれば十分でしょう。だいたい20%くらいか。これぐらい小さいと社長が兼業するパターンもあるでしょう。

一方で大企業で1万人従業員がいれば、同じ割合でバックオフィスを配置すれば2,000人が必要になります。

というのが、平成までの常識だったように思います。

これが、システム化によって状況が大きく変わってきた。

バックオフィス業務は、ワークフローそのものです。手続きと決済によって成り立っています。この手続きについて、コンピューターが代行することによって、2,000人の作業の大部分が自動化されてしまった、というのが現状でしょう。

 

象徴するような記事があって。

 

nlab.itmedia.co.jp

営業の仕事は、会社の売り上げに直結する目に見えやすいもの。一方で事務の仕事は、そのまま会社の利益になることはなく、「コストセンター」という呼ばれ方をされることもあります。でも組織運営には欠かせない仕事……のはずなのですが、なんとな~く事務職以外の人から感じる「この程度の仕事、簡単だろ」という気配! 長く会社にいても名前を覚えず「事務の女の子」としか呼ばない人もいる……!

 

事務職の人は事務の大切さを叫びながらも、営業が会社の売上に直接つながっている大事な仕事であることをわかってしまっています。もし事務の仕事が大幅に効率化され自動化されてしまったら、営業に配置転換されるという運命を暗示しているように思います。

生き抜け、と言いながらも、これでは生き抜けないというのが現実と思います。

 

バックオフィスは「手続きと決済」という話を前段でしましたが、決済部分までコンピューターが握ることはできないので、決裁権者、意思決定のような部分だけが今後のバックオフィスの主役になります。総務や経理といった仕事は残りますが、意思決定が中心になり手続きはどんどん自動化されます。そうやってバックオフィスを効率化し、手続きにかかる人手を減らしていくというロジックです。

 

さて、中小企業だと手続きも決済も少人数で同じ人がやるので、人員を減らすことはできません。それなら安泰かというと、別の議論になっています。中小企業が乱立する日本は非効率ではないか、と言う議論です。

 

www.shinmai.co.jp

 菅義偉政権が、中小企業の定義を変える方向で中小企業基本法の見直しに着手する。

 企業に再編や統合を促し、生産性の向上を図るためという。

 中小企業には、税制上の優遇措置や補助金の対象になりやすい利点がある。保護を受け続けようとあえて従業員数や資本金を増やさない事例がある、との指摘を踏まえた対応である。

 菅政権は規制改革の断行を前面に打ち出している。詳細は今後詰めるが、見直しは基本的に市場原理の阻害要因を取り払う発想で進むとみてよいだろう。

 生産性は、企業規模が大きくなるほど高まる傾向がある。従業員の賃金も高い。新たに収益が確保できる分野を見いだして事業拡大に踏み出す企業が多いほど、経済は活性化していく。

 

中小企業だから、バックオフィスも安全だ、と思っている人は黄色信号です。

中小企業が再編を繰り返して大きくなったら、待っているのはバックオフィス部門のシステム化、効率化、そしてリストラによる営業部門への配置転換です。これが生産性向上の中身です。

 

最近のニュースを見ていてここまで予見できました。

繰り返しますが、バックオフィス自体が無くなることはありません。決済業務は残り、手続きが自動化されていきます。

もしバックオフィスを極めるなら、決済ができる専門能力を磨くべきですし、「簡単なお仕事」と思われるような手続業務に巻き込まれているのを自覚している方は、一日でも早くフロント業務、営業や技術などの仕事に転職を考えるべきだと私は思います。人に指示されてやることほど憂鬱なことはないからです。