orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ブラック企業に苦しむ人のためのアプリ「社畜のシャチくん」

f:id:orangeitems:20200702232050j:plain

https://shachikun.info/

 

ブラック企業に勤めていて、助けを求めている人が使うといい(らしい)アプリが出たということで話題にしておきます。

 

www.itmedia.co.jp

アプリ開発を手掛けるベンチャー・ミギナナメウエは7月2日、長時間労働など労働関係の法令違反の可能性がある“ブラック企業”に勤める人を対象にしたスマートフォンアプリ「社畜のシャチくん」(iOS/Android)β版を無料で公開した。弁護士などが利用者からの職場の悩みにアドバイスをするコミュニケーション機能や、出退勤時間の記録機能を持つ。

 

ここ数年でめっきりブラック企業の現状が報道されることは減り、法律も厳しくなって意識から消えかかっていたのですが、このようなアプリが出るということはまだまだ、法令違反をするような企業は存在するということなんでしょう。

すっごく心配しているのは、このアプリ、所属企業名や氏名まで登録しなければいけないということです。そうするとこのアプリを動かしている場所にあるデータベースは、生のブラック企業データベースになりますね。

これが漏えいした日には、もう大変です。あの企業は実はブラック企業だったのか、とか、表に出た氏名から「君はこんなアプリを使っていたのか」なんて問題になったりして、結構きわどいデータだなと思いました。

まあ、そこまで考えて脆弱性検査などきちんと運営側で実施しているとは思いますが・・。

弁護士、社労士、キャリアコンサルタントなども、クライアントを見つける機会にはなりそうで、企画としてはWIN-WINが成立しそうです。あとは、本当にセキュリティーだけは確保して頂きたい。

なお、このアプリを開発したベンチャー企業を調べてみました。

 

migi-nanameue.co.jp

 

まあごらんのとおりで、明治神宮前駅の真上にある本当に若い企業です。ITmediaに記事にしてもらえるまでの企画力、宣伝力は素晴らしいなと。内容も、ベンチャーならではだと思います。

 

いろいろと情報を調べていたら、ホームページが存在しました。

 

shachikun.info

これは、ブラック企業で働く人のためのアプリです。

日本の労働人口の4分の1である1480万人がブラック 企業で働いていると言われる中、本当のブラック企業 の実態を“表面化”させます。アプリではブラック企業で働く人が日々悩んでいる、長時間労働、セクハラ、パワハラ、給料・残業代未払い、転職などの悩みを投稿することができ、他の人は 他社の実情を知ることができ、また投稿に対しては弁護士・社労士・キャリアコンサルタントなどをはじ めとしたブラックアドバイザーが回答します。

 

機能詳細

▶︎悩みの投稿・閲覧

本アプリではブラック企業で務めていくにあたり生み出される”悩み”や”疑問”などを解決すべく、悩みを投稿し、それに対するフィードバックを得ることができます。また、他人の悩みを閲覧し、共感した投稿や保存したい投稿はマイページに保存することも可能です。

 

▶︎専門家からのフィードバック

投稿していただいた悩みや疑問に対して、ブラック企業勤務に関しての専門的なアドバイスをしてくれる「ブラックアドバイザー」がコメントやフィードバックをします。あなたの悩みの解決策や打開案などを得ることができるかもしれません。

 

▶︎出退勤管理機能

”出退勤時間記録”はブラック企業で働く上で、激務の 証拠になりうる重要な情報です。毎日出勤時間や退勤時間にボタンを押すだけで、真の出退勤記録を取ることができます。この記録は労災認定などの証拠にも使用することができます。

 

▶︎出退勤時間GPS管理機能(8月公開予定!)

位置情報から出退勤時間を管理する機能を搭載します。これにより出退勤ボタンの押し忘れを防ぐことができ、また、証拠としての効力も向上します。

 

▶︎クーポン機能(8月公開予定!)

弁護士相談費用/退職代行サービス/マッサージ店/遅くまで開いている飲食店など、ブラック企業で働く人に役立つサービスをお得に利用することができる特典クーポンを随時発行いたします!

 

8月の機能がすごいですね。GPSを使って自動で出退勤を記録してくれる・・と。

弁護士、退職代行などと有償でつなぐというのもこれまた。

 

一方で、ブラック企業というのは、こういった外部へ告発する動きをすごく恐れていますから、こういうアプリが出て来たことそのものを先回りする傾向にあります。彼らの作戦としては、告発するような気力すら社員に与えない。すごくエネルギーがいることなんです。外部へ不正を訴えるということは。そんなエネルギーすら吸い取り、激務に体を慣れさせ、むしろ日常の一部とすることで達成感まで与えてしまうという仕組みにあると思います。そして、必ずこう言う。ここで耐えられないのに外に行って通用するわけがない、と。外へ出る恐怖を植え付けるのです。だから、こういったアプリが出たことすらも、本人に届かない可能性があります。

微力ながら取り上げさせていただき、とりあえずこういうアプローチができるようになったみたいだよ、と言っておきます。このアプリが抑止力となり、ブラック企業が減ると言いなと思いつつ、お願いだから運営はセキュリティーだけはちゃんとしてね、と思う次第です。