orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

もう第二波の話題に移っている世界

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「第二波」がメディアの関心事に

新型コロナの話題はもうそろそろ終わりな雰囲気は漂っていますが、今週に入って世界メディアは「第二波」という言葉を盛んに使うようになりました。これは、緩和はするんだけれど、したらしたでまた再度感染が広まるのではという話です。

 

世界

forbesjapan.com

世界の多くの国で、新型コロナウイルスの流行がピークを越えた。日本でも、新規感染者数は4月12日の714人をピークに、5月5日には174人まで減少している。

現在、世界が関心を寄せるのは、「第二波」への対応だ。その際に重要なことは、第一波の対応をしっかりと総括することだ。今回は、そのポイントを述べてみたい。

 

jp.reuters.com

世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルス感染拡大抑制策の緩和には、感染拡大の第2波に対する「強い警戒」が必要になるとの考えを示した。

 

アメリカ

www.newsweekjapan.jp

米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド局長は21日、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が今年の冬に米国を襲う見通しで、インフルエンザの季節と重なるため、今回よりも大きな影響が及ぶ可能性があると警告した。

米紙ワシントン・ポスト(WP)のインタビューで「次の冬に米国に到来する新型ウイルスの襲撃は、われわれが今回経験したよりも厳しいものになる可能性がある」と語った。

 

 日本

mainichi.jp

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言で、各自治体が「出口戦略」を模索し始めている。だが、2月末に独自の緊急事態宣言発令に踏み切った北海道では解除後、感染者数の伸びがより大きい「第2波」が押し寄せた。専門家は「解除のタイミングを慎重に見極めなければ感染の再拡大を招く」と神経をとがらせている。

 

イラン

www3.nhk.or.jp

中東のイランは、新型コロナウイルスの感染者が再び増加に転じたことを受けて先月から再開させていた企業活動などを一部の都市に限って再び停止することになり、感染の第2波をどう防ぐかが課題となっています。

新型コロナウイルスによる死者が6600人を超えるなど中東で感染拡大が特に深刻なイランでは、3月から全土で経済活動の停止に踏み切りましたが、先月中旬、感染はピークを越えたとして企業や商店の活動を再開させました。

しかし、イラン保健省によりますと、1日あたり800人程度となっていた新たな感染者数は10日ほど前に再び増加に転じ、ここ数日は1500人前後で推移しています。

このため、特に感染の広がりが深刻な南西部フーゼスタン州は11日から、主要都市のアフワズなど9つの都市で、企業や商店などの活動を再び停止すると発表しました。

 

ドイツ

www.businessinsider.jp

ドイツの専門家によるとコロナウイルスは、第2波はもちろん、第3波もありそうだという。
ロバート・コッホ研究所のワイラー所長は、「第2波が来ることは確かだ。大多数の科学者は確信している」と語った。
ドイツでは、各州がレストラン、ビアガーデン、ホテルの営業再開に向けて動き出していて、全国的な規制が緩和され始めている。

 

タイ

diamond.jp

新型コロナウイルスの感染拡大を抑制しつつあるタイで、経済活動の再開と国民生活の復旧に向けた動きが本格化しようとしている。政府は5月3日以降、一部商業施設の営業を再開。徐々に規制緩和を実施していく方針だ。だが、ネックとして立ちはだかるのが、感染第2波のリスク。再び感染が広がれば、直ちに営業停止を復活させる見通しだ。新型コロナウイルスを完全に収束できるか否か。そのカギを握るのが、3月下旬から封鎖している陸路国境での密入国者への対応にある。

 

中国

www.jiji.com

新型コロナウイルスの拡散が鈍化していた中国で11日、2日連続で10人以上の新規感染者が確認され、感染の「第2波」が懸念されている。国家衛生健康委員会の米鋒報道官は11日の記者会見で「過去14日、7地区で(入国者以外の)新規感染が報告され、集団感染が増えている」と指摘し、感染拡大の防止に努めると強調した。

 

韓国

jp.reuters.com

韓国の韓国の文在寅大統領は10日、就任3年にあたってテレビ演説を行い、年後半にも新型コロナウイルス感染拡大の第2波が到来する可能性に備え警戒を緩めないよう呼びかけた。

同大統領は、ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)のクラブで新たなクラスター(感染者の集団)が発生したことを受け、感染拡大はいいつでも起こりうると指摘。「戦いは完全に終わっていない」と述べた。

 

 

スペイン風邪に見る第二波

かの有名なパンデミック、スペイン風邪に関してのデータがあります。

 

idsc.nih.go.jp

スペインフルの第一波は1918年の3月に米国とヨーロッパにて始まりますが、この(北半球の)春と夏に発生した第一波は感染性は高かったものの、特に致死性ではなかったとされています。しかしながら、(北半球の)晩秋からフランス、シエラレオネ、米国で同時に始まった第二波は10倍の致死率となり、しかも15~35歳の健康な若年者層においてもっとも多くの死がみられ、死亡例の99%が65歳以下の若い年齢層に発生したという、過去にも、またそれ以降にも例のみられない現象が確認されています。また、これに引き続いて、(北半球の)冬である1919年の始めに第三波が起こっており、一年のタイムスパンで3回の流行がみられたことになります。これらの原因については多くの議論がありますが、これらの原因については残念ながらよくわかっていません。

 

スペイン風邪の文脈で言えば、第二波とは「緩和してぶり返す感染」ではなく、本当に落ち着いて次のシーズンに来る波のことだということがわかります。

状況が全く一致するはずはありませんが、とにかく、一度抑え込んで安心ということは全くないということを教えてくれる記事だと思います。

 

 

一度終わりは来るがまた始まる

ウイルスとの戦いにおいて思い出されるのは次の記事です。

 

www.sankeibiz.jp

中国新聞社によると中国工程院の院士、鍾南山氏はこのほど、「目下、新型コロナウイルスによる肺炎は集団免疫に頼ることはできない。人口の70%に1度罹患(りかん)させないといけなくなる。感染後、永遠に二度とかからないと表明する証拠はないからである」と表明した。鍾氏はまた、「次の段階としては、効果的なワクチンをつくり出す必要がある。これはとても重要な任務であり、国際協力が必要である」と指摘した。

 

www.nikkei.com

ドイツのメルケル首相は11日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて初めて記者会見し、このまま治療法が見つからなければ、ドイツの全人口の60~70%が感染する恐れがあると語った。このためメルケル首相は医療システムに過大な負担をかけないためにも、感染拡大を遅らせて時間を稼ぐ必要があると訴えた。

 

結局のところ、まだワクチンが無い状況だと、いくら一時的に感染者数を抑え込んでも緩和したら広がるのループであること。ワクチンを完成させるまでの長い戦いであることがわかります。また第二波、第三波で毒性が上がるかもしれないリスクがある。

こんな状況で、「もう終わった」はないな、と認識を改めた次第です。