orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

インドはどうやってデルタ株による新規感染者数のピークを脱したのか

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デルタ株を一番先に体験した国、インド

デルタ型株はインドから広がった変異ウイルスということは有名な話ですが、ということはインドが一番先にこのウイルスの影響を被ったことになります。インドは5月頭に41万人強/日の新規感染者数を記録しました。人口が日本の10倍の国ですので、日本で言えば4万人/日レベル。今日の日本の新規感染者数は2万5千人/日ですから、今の状況の1.6倍。東京に置き換えれば一日8,500人くらいがインドのピークだったということになります。

Googleが提供する国別新規感染者数を見てみましょう。

 

これが日本

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こちらがインド

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インドは4月~5月に大きな波がありますよね。

そう、日本はインドから学ぶべきです。

同じ特徴のウイルスに襲われているのですから。そしてインドは先にピークを脱したのです。

なぜインドはピークアウトできたのでしょうか。

 

ピーク時のインドの状況

4月~5月のインドの状況については、二日前にJETRO(日本貿易振興機構)からレポートが出ています。

 

www.jetro.go.jp

「第2波では、患者数も症状の程度もすさまじかった。医療機関での物資不足や病床逼迫が顕著な中、迅速さが求められると同時に、相当数の患者への対応を迫られた。総員総力で昼夜を問わず対応する状況が1カ月以上続いた。感染防止には細心の注意を払って対応したが、患者との接触や医療現場への立ち入りも多く、社内でも感染者が発生してしまった。そうした中、少ない人員で罹患した方を救うべく、医療機関への打診や交渉などの業務を続ける毎日だった」「特に苦労したのは病床の確保。多くの医療機関へ打診を続け、何とか受け入れ先を見つけるというケースが頻発した。先にデポジットを払い、病床を抑えたというケースもあった。しかし、ベッドがあっても酸素供給設備がないことも多かった。医療崩壊という言葉を実体験からかみ締めた時期だった」と語る。

 

いかがでしょうか。これはまさに、日本で今叫ばれている医療崩壊の状況と同じではないでしょうか。

 

ピークアウトを脱するためにインド政府が実施したこと

ロックダウンです。

 

www.afpbb.com

新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を記録したインドで6日、首都ニューデリーを対象とした夜間外出禁止令が即時施行された。金融都市ムンバイでも同様の制限が導入されている。

 インドでは5日、1日の新規感染者数が初めて10万人を超え、警戒感が強まっている。人口2500万人のニューデリーを含む各主要都市で、人々の移動を制限する措置が取られた。

 

上記のような外出禁止令は感染が収まるまで各地で範囲が強化・延長されていきました。

その結果、改善することとなります。

 

mainichi.jp

新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が続いたインドの首都ニューデリーで、4月中旬から実施された外出禁止令の効果が表れ、新規感染者が急減している。これを受け、デリー首都圏政府は5月31日、食料品の買い出しなど必要最小限の外出を除き規制した外出禁止令を緩和し、建設業と製造業を再開させた。

 

インドはロックダウンを6週間行ったことでピークアウトさせることができたのですが、ワクチンの関係性はどうでしょうか。実は・・。

  

jp.reuters.com

インドは、12月までに対象となる全ての成人にワクチンを接種するキャンペーンを加速させている。

これまでに5億5400万回の接種を行い、推定9億4400万人の成人の約46%が少なくとも1回の接種を受けた。ただ、2回の接種を受けた人は約13%にとどまっている。

 

上記の記事は8月17日時点ですから、ロックアウトしたときはワクチンを2回受けた人はほとんどいなかったということです。

 

6月の記事を見るとその記録もありました。

www.bloomberg.co.jp

ただ、完全なワクチン接種を終えた人は人口の5%に満たず、一部の専門家はロックダウン解除に伴う第3波を既に警告している。

 

ワクチンの変数を考えないで最も収束させる方法は、ロックダウンということができます。

 

アメリカはどうか

そういえば、ワクチン先進国であるアメリカはどうでしょうか。

 

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アメリカは・・最近増えてるんです。

でも、アメリカの興味深いところは、ワクチンを接種した人から経済を戻すことを選んでいることです。

 

こちら、大谷サンの40号ホームランの映像です。

 

www.youtube.com

 

驚くべきは大谷サンが勝ち投手で8回を投げ切った上でホームランまで打ったこともそうなんですが、観客席を見ましたでしょうか。

密でマスクを着けていない。

一方で、感染者数が増えていることから、3回目のワクチン接種を進めるというニュースが入っています。

 

www.nikkei.com

米バイデン政権は18日、米国で新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)を9月下旬から始める計画を発表した。ファイザー製とモデルナ製の2回のワクチン接種を終えた米国人が対象となる。変異ウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大が深刻となるなか、ブースター接種によりワクチンの予防効果を維持する狙いだ。

 

アメリカは、ロックダウンによる経済ダメージより、ワクチン接種による新型コロナの影響抑止を選んだ、というわけです。

グラフを見る限りは、日本と同じデルタ株による現在進行形なのですが、アプローチは全く違うと思います。

 

イギリスは?

もう一つ、イギリスの状況についても触れておきましょう。

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イギリスは行動抑制を緩和したのに、ピークアウトしたという話が先月ごろありました。しかし、実際は上記の通り高止まりしているんですね。

私は、アメリカもイギリスもやっていることは同じだと思っていて、結局はピークアウトはせずワクチン効果で戦っているんだと思っています。

 

まとめ

目の前に二つの道があります。

①インド型:厳しくロックダウンしてピークアウトさせる

②アメリカ+イギリス型:とにかくワクチンを広げて症状を軽減し、経済を戻す

日本は明らかに②の方向性ですが、一方で緊急事態宣言を実施したりして、①っぽいのですが要請ベースで、中途半端な結果に留まっています。

これを日本型と分類するためにはピークアウトさせることが大事なのですが、そのためには、国民一人一人が政府のイメージ、例えば人流5割減やテレワーク7割などを、自主的に達成する必要があります。

本当にこれができるのか・・。

わかりません。

ただ、インドの脱し方だけは事実ですのでこれは記憶したほうがいいのと、あとは②のアメリカ型やイギリス型で行くなら、中途半端は禁物ということです。ワクチンを接種することを強く進めないと、医療崩壊のトリガーになってしまいます(ワクチンが症状を軽減すると言う前提で考察しています)。

原因不明でピークアウトしないかな、と日々思っているのですが、全然しませんよね。インドの例を考えると、まだ山は先にありそうな雰囲気でもあります。

あまりにも国民が言うことを聞かん、と言う場合で、医療崩壊がインドのピーク並みに進んでしまった場合、政府がロックダウンを急に実施することもありえるんじゃないかと言うのが今日の考察の結論です。ワクチンが行き渡るのが11月ごろだとすると、そこまでに厳しい措置が必要になるのでは、と考えます。