2015年にパンデミックを予言したビル・ゲイツ氏
あのマイクロソフトの共同設立者、ビル・ゲイツ氏のパンデミックに対するインタビュー記事が出ていて、とても理にかなっていると思いました。
2019年末に新型コロナウイルスが発見されるはるか以前の2015年に、ビル・ゲイツ氏は「もし次の疫病大流行が来たら」をテーマにしたTEDカンファレンスでの講演を行い、大規模な感染症のまん延に警鐘を鳴らしていました。そんなゲイツ氏に、コメディアンのトレバー・ノア氏が真剣な質問をぶつけたムービーが公開されています。
まさに真実、という内容ですが、ロジックが多少複雑なので整理してみます。
ビル・ゲイツ氏のロジック
Q. 2015年にカンファレンスにて語っていた、ビル・ゲイツ氏のパンデミックに対する発言は、まるで新型コロナウィルスのことを知っていたようだ。
A. No. もちろん知らなかったし、2019年末に襲来するとは思っていなかった。
Q. 2015年末に、感染症に速やかに各国が備えるよう警告したが、今そうなっていると思うか?
A. 残念ながらそうはならなかった。
Q. なぜ、こうなる前に、世界保健機関(WHO)やアメリカ疾病管理予防センター(CDC)といった機関が対応しなかったと思うか。
A. 2つある。
・新型コロナウィルスが、簡単に感染拡大してしまうから。
・パンデミックの準備が不足していたので、場当たり的な対応しかできなくなってしまったから。
Q. これから、各国はどうすればいいか。
A. 個人は、行動を変えること。Social Distance(社会的距離)を保ち、Stay Home(家に留まる)であること。
政府は、症状が出た人をきちんと対応すること。また症状が出た人と濃厚接触した人を検査できる体制を持つこと。
究極の目的は、ワクチンを作ること。そして世界中の国々の人々に接種させること。
Q. 各国で状況が違う。
A. 経済的な負担を伴うが、検査や検疫の強化、接触者の追跡、つまり、経済よりも感染拡大を止めるための行動を優先しなければいけない。
中国がこれに成功し、工場や学校を再開させても再流行していないというのは明るいニュース。
Q. 経済をあきらめることで、新型コロナウイルスではなく経済的に困窮し犠牲になる人のことをどう考えるか。
A. 感染拡大より、経済を優先する選択肢はない。感染拡大を封じ込めれば経済は復活できる。
Q. 具体的には、感染拡大のために何が必要か。
A. 検査の強化が必要となる。しかし検査には限りがあるため、陽性の人/陽性の人と濃厚接触した人/社会インフラを支える人、を優先しなければいけない。
また、検査のスピードアップも必要となる。
無症状だが心配な人、は待ちなさい。
先進国で感染拡大を防ぐ努力をすれば、医療環境が不十分な発展途上国への蔓延を防ぐことができる。
Q. まだ感染症の怖さを理解していない指導者や国家が存在する。
A. 悲しいことだが、そういった国とは入国制限を行わなければいけない。ワクチンができるまでその対応が必要となる。
Q. ビル・ゲイツ氏がこの件で大金を寄付しているのは存じているが、お金では解決できない。
A. No. お金があれば解決までの時間を促進することができる。私は有望な7つのワクチンの製造をすでに始めている。この中でおそらく2つくらいが効果があると思うが、そのほかのラインで数千億円の損失が出ても、素早く開発できるのであればそれを取り返すぐらいの価値があると思っている。
Q. ほかに警告したいことは?
A. 今回は自然発生的なものだが、バイオテロなど人為的に発生することがある。準備が大切だ。
感想
その内容のスマートさに感服します。
氏の現役時代でも世界に革命を起こしましたが、一線を退いた後でも社会に影響を与え続けられるのはすごいことです。
もはや、感染症への必勝法は確立しているのですから、一時的な経済へのダメージより、ぜひ感染症への封じ込めを優先してほしいと、日本政府に対して考えます。
そして、日本人も、Social Distanceと、Stay Homeを最優先。経済的なことは全て後回し。そして早期に封じ込めを終わらせ経済をV字回復したいですね!。