orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

クラウドロックインと内製化のワナ

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ベンダー丸投げからAWSによる内製化のプロセス

ベンダー丸投げの弊害はもう何十年も言われ続けたことで、AWSに代表されるようなクラウドサービスを使うことで内製化を果たす。これはここ5年くらいでよく聞く話になってきました。

今日もそんな記事が出ていましたのでご紹介します。

 

www.atmarkit.co.jp

アイティメディアが2019年9月17日に開催した「ITmedia DX Summit 2019年秋・ITインフラ編」に登壇した大創産業 情報システム部 課長の丸本健二郎氏は、「Amazon Web Services」(AWS)を活用してデータ管理基盤の最適化、高度化を図ったいきさつと結果について講演した。

 

考察

この件、Amazon Redshiftと、AWS Lambraを使ってますよね。また、キーワードはサーバーレスです。

そして、「サーバレスであれば、アプリケーションとネットワークのみで済み、ユーザーはビジネスに集中できるようになる。」と言い切っていらっしゃいます。

こんな作りのシステムは増えていますし、事例発表もたくさんききました。この結果アプリケーション構築を内製化し、インフラ関連はAWSを利用。

こうすればベンダー丸投げはせず、社内でアプリケーション構築をハンドリングしていくことも可能でしょう。

私はこの内製化、ワナがあると思っています。

サーバーレスの下で動いている、ミドルウェアやOS、ハードウェアやネットワークは、AWSが粛々と運用しています。そしてそこにユーザーはお金を支払っています。

AWSが顔が見えないだけであり、丸投げしている事実は変わらないと思います。

もっと言えば、ベンダー丸投げ自体は悪だとは思いません。ベンダーの技術を使ってSIすることは間違いではないと考えます。

ただ、内製化、というのを単にベンダーの営業やSEと顔合わせしなくなったことを言っているケースが多い、というのがポイントだと思っています。

過去、ベンダーロックインという言葉があり、特定のベンダーに全てを丸投げしてしまった結果自社のガバナンスが全くできなくなるという例が問題とされ今も課題となっています。

今回、内製化を果たしたとありますが、結局はAWSにロックインされているということは大いに自覚すべきだと思います。

AWS Lambraも、Amazon RedShiftも、AWS上でしか動きません。

これらを使ったシステムをどんどん増やしていくと、別基盤への移行ができなくなります。

AWSがいつまでも盤石であり、いつまでもカスタマーファーストを貫くことを前提にお付き合いするのはこれも判断でしょう。

ただ、

 

「AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azureのいずれも、技術的な差はあまりないと考えています。しかし、情報量や対応できるベンダー数という点で、AWSは圧倒的な優位性を誇っています。もちろん各クラウドサービスの特性、メリットを広く浅く享受することもできますが、時間は有限です。私たちはAWSという1つのクラウドベンダーに特化して、狭く深く活用していこうと決めたのです」

 

 という状況が未来永劫続くものなのか。

もし、この仮説が崩れたら、強みはいっぺんに弱みに変わることを常に、ITコントローラーは意識すべきではないかと思います。

 

クラウドから離脱する勢力もいる

少し前に、クラウドに移った企業から、オンプレミスに戻る企業が存在することを触れました。

 

www.orangeitems.com

オンプレミスに出戻りするシステムが増加しているそうです。
結局は、問題は無くなったのではない、置いてきただけだ、ということです。

 

内製化、という言葉の心地よさに思考停止せず、本来のITの在り方を常に追求する必要があります。あるべき姿は常に変わります。

あるべき姿が変わった時に、自社のITは変われるのか。

これを念頭に置くべきだと思います。

ロックインは、なんであろうと防ぐ方向で考えるべきだというのが私の思いです。