アジャイルはどうなったか
7か月前ぐらいに、あれアジャイルの話すごい増えたなと思った書いた記事がこちら。
ただ、世間一般、いわゆるNHKニュースのクラスでアジャイルという言葉が躍るほどでは無かったかな。ただアジャイル開発自体はやはりこの時期から多くの現場でトライされたと思います。
見返してみると、成功例が出てきています。
アジャイル成功例
アクサ生命(2019/11/13)
顧客データが社内の複数のシステムに散在していて、正確な情報を確認するのに時間がかかる――。多くの企業で起こりがちな問題だ。同様の課題を抱えていたアクサ生命保険はCRM(顧客関係管理)システムを刷新し、1人の顧客にまつわる情報を一元的に参照できるようにした。2019年9月に本格稼働を開始した。
保険会社のCRMなんて生命線みたいなもんですね。
記事を全文読むと、開発スタートは2016年から。たまたま今になったみたいですが、時代先取りと言ったところです。関係者がきっとベンダーのイベントに呼ばれて登壇するだろうなあ・・。
ダイキン(2019/11/11)
「DAIKIN LAUNCH X」では、同プラットフォーム内のコンテンツ「READY PRODUCTS」にて開発途中の製品の情報を公開し、ユーザーから随時意見を募集。それらを参考にしながら、共に開発をしていくことを目指しています。これまでの製品開発とは異なり、実際のユーザーの声を反映させながら開発をする、いわゆるアジャイル型の開発(※)を推し進めていきたいといいます。さらに「DAIKIN LAUNCH X」では「ONLINE SHOP」を設置し、製品の販売も行っていくとのこと。
本記事を見ていただきたいですが、日本メーカーでもアジャイルでやるとこんなしゃれたデザインになるんだなあという好例。
もうどのメーカーもやった方がいいんじゃないですか?
ANA(2019/10/21)
“重厚長大”なシステムについては従来通り、仕様を固めてから開発に着手するという。ANA全体でウォーターフォールとアジャイルを適材適所で使い分けていくということだ。
なんでもかんでもウォータフォールじゃダメだよねという話です。逆に何でもかんでもアジャイルじゃダメだよねということも言えましょう。
この辺りの見極めこそ経営者に求められているということでしょうね。
アジャイルな現場で大切なこと
ちなみに、現場にアジャイルが持ち込まれたら大事なこと。それは、参加者のメンタルヘルスだそうです。
アジャイルとデジタルの変革により、職場の個人およびチームの心理が重視されるようになった。現在のマネージャのほとんどは、"Thinking Fast and Slow"と"Drive"について知っている。いずれもチームパフォーマンスにおける心理学の重要性を強調するものだ。Agile2019の講演のトップページをざっと見れば、テクノロジ業界の人々とチームの身体的および精神的健康に重点が置かれていることはすぐ分かる。
これすごいわかるんですよね。アジャイルだーって部長から指示が降りて、でもそれを動かす社員が、残業続きで終電まで帰れない。何とかハラスメントで心がボロボロ。職場いじめで居場所がない。理不尽な仕事環境。どんな話でもいいですが、幸福感というか心理的安全性が大事で、心が満たされていないとアジャイルやると現場は地獄になるんでしょうね。
世の中が嫌に働き方やメンタルヘルスに気を配り始めたなと思ったら、まぁそんなところです。仕事の生産性とメンタルヘルスが、アジャイルによって密結合し始めたと。十年ぐらい前までは湯水のような仕事量に大量の残業時間で、人の気持ちなど考えず仕事優先、みたいな現場が多かったからなあ・・。
いいことだと思います。ただ、逆にモチベーションが低い現場でいきなりやり始めるとチームが空中崩壊する可能性も感じるので、慎重に。