orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

サポートエンジニアだったときの思い出

 

サポートエンジニアとして、10年間を過ごしたことがある。

かなり昔のことだが、若手だったときの大半の出来事なのでよくおぼえている。

 

anond.hatelabo.jp

もう新機能とか開発しなくていいから、ひたすらちょっとしたメンテナンスだけしててほしい。

余計なことしないでほしいというのがサポートチームの総意です。

 

サポートチームだった時を思い出して書こう。

不具合がお客様から報告されたとき、本当かな?と思う。でももし、本当に不具合だったらお手柄だとは思う。他に同じように問題を抱える顧客もいるかもしれないし、そもそも製品の品質が上がる。不具合は見つかった方がいい。

しかし開発チームに症状だけ言ったって、「ちゃんと切り分けしてから報告してくれよ。君たちの仕事は何だよ。」と冷たくあしらわれるので、きちんと調査を行う。

困っている顧客の立場に立って、ぜひ素早く再現させて、開発チームに突き付けて、「君たちこそ、ちゃんと作ろうよ。(そのころは若い)私に切り分けされて再現してしまう障害なんか、作り込まないでよ」と言ってやりたい。

顧客ファーストの気持ちで対応するも、顧客側があまり熱心に取り組まない場合もある。困る。再現手順がわからなければ、開発だって何を修正していいかわからない。

顧客だって被害者かもしれないので、「突然起きたし、再現ったって何もしてませんからね・・」と言われることも多いので、とりあえずログ取得をお願いする。ログから、障害の直前の様子を推察するしかない。

仕事の5割は「ログの取り方」「ログの受領」だった気がする。で、半分くらいは送っても来ない。ログの送付はまだですか~、と催促するも、たいていは様子見にします、だったり音信不通になったりもする。

ログがばっちり届いて、さあ調査だ。で、ログを見たら何だか原因がそのまま書いてあるケースも多かった記憶だ。メモリーが足りないだのディスクが足りないだの。

または、「古い」というケースも多かった。修正のパッチがたくさん出ていて、最新バージョンに至る中で修正された障害、ということも多かった。それを見つけると、ああ、バージョンアップすれば修正されるのね、と、ご納得いただいた。

修正パッチは当てたくなくて、この問題だけの対応はないもんですかね・・と相談されることもあった。かなり昔だったので、パッチの適用は今と違って皆慎重だった。できればバージョンアップはしたくなくて、軽微な修正で済ませたい・・という声はあったが「いえ、無理です。バージョンアップをお願いします。」とお答えして終わりだった。

 

今思い出してみると、新機能のリリースに伴う不具合に引っ掛かってくる顧客は少なかった。むしろ、たくさん修正したのにバージョンアップしてくれず、過去の不具合を踏みまくる顧客に、「お客さん、踏んでますよ」とお伝えすることのほうがものすごく多かった記憶がある。

不具合多数はごめん、地道に一個ずつ修正したから、頼むから最新版使ってくれよー、という開発のフラストレーション。

アップグレード作業も大変だし、アップグレードしたから出る不具合も怖いんだよー、という顧客のフラストレーション。

どちらの言うこともわかるので、どちらにも親身になって間に立つのがサポートの仕事だなあと思ったあの頃が懐かしい。

サポートの現場からは離れたが、結局、特定のお客様向けにサポートをしているようなものであり、あの場で学んだことは宝物のようになっている。