心理的安全性の発祥
従業員のパフォーマンスについて、昭和平成のオフィスにおいては根性論が根強かったと思うのですが最近は、心理的安全性が重要とされるようになってきました。
学校の部活を中心に、上下関係が厳しい軍隊的な規律が自分の子供時代は支配していたことを思い出されます。その教育の上で大人になり管理職になった我々四十代もしくはその上の世代が、まだ部下を軍隊的に扱うのはもう時代遅れだなと強く思います。
少なくとも十年前は、「お前が辞めても代わりはいくらでもいるんだぞ」という基盤のもと、直属の部下だろうが協力会社だろうがベンダーだろうが、高圧的に接するのはそんなに違和感がある世界ではありませんでした。しかし、現在は代わりがいません。人手不足は企業存続における最大のリスクの一つになろうとしています。むしろ、従業員には長く勤めてもらう一方で、精神的により心地よい状態になってもらい、自社で仕事することに満足感と誇りを持ってもらう方が良い。そうなるとこれまでの軍隊的な規律は見直されなければいけないということになります。
この新しい規律のキーポイントとして最近話題になっているのが「心理的安全性」です。この言葉を日本に初めに紹介したのは、調査してみると下記の記事からのようです。
社員の生産性を極限まで高めるには、どうすればいいのか――米グーグルが2012年に開始した労働改革プロジェクトの全貌が明らかになった。
社員同士のコミュニケーションを中心に、その仕事ぶりを徹底的に観察するワーク・モニタリングは、果たして功を奏したのだろうか?
(中略)
このように目立ったパターンが見出せずに困り果てたグーグルの人員分析部では、集団心理学に関する学術論文など、アカデミックな調査結果を再度深く当たってみることにした(同プロジェクトの初期段階では、それから始めていた)。
そして、そこから浮かび上がってきたのは「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっているというのだ。
この記事からもう3年半経過します。2019年が終わろうとしている今、たくさんの心理的安全性の記事を振り返ります。
記事まとめ
「心理的安全性」という言葉をご存知だろうか。Googleのリサーチチームが「心理的安全性が高まればチームのパフォーマンスと創造性が向上する」と発表して以来、このキーワードに注目が集まるようになった。
そもそも心理的安全性とは何か? 職場で上手に活用する方法はあるのだろうか? このほど都内で開催されたセミナーで、専門家であるリクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所・主幹研究員の今城志保氏が解説した。
グーグルの社内調査以降、組織内の「心理的安全性」がとても重要であると言われるようになっています。このメディアでも過去数回にわたって取り上げてきました。言葉としては初めて聞いたという人でも、誰もが気兼ねなく意見を言える風通しの良さが重要ということには、概ね同意するのではないでしょうか。
けれども、リモートワークや副業の解禁などで働き方が多様化し、デジタルでのコミュニケーションが増えると、この心理的安全性をどうにかしてデジタル空間上で実現する必要が出てきます。互いに顔が見えづらい中ではどんな難しさがあり、どうやってそれをクリアしていけばいいのかというのが、この記事を通じて考えたいテーマです。
そこで今回は、ZOZOテクノロジーズの代表取締役CINO(Chief Innovation Officer)金山裕樹さんにお話を伺いました。ZOZOテクノロジーズは、ご存知「ZOZOSUIT」など革新的な取り組みを連発するZOZOグループを技術面から支えるテクノロジー企業。心理的安全を感じながら働けることは、こうした革新的なアイデアを生むのに不可欠な前提であると金山さんは言います。
しかし一方で、機密性の高い情報を扱うがゆえに、ほんの1年前まで同社もまた、社内の風通しに問題を抱えており、そのことが社員の心理的安全を脅かしていたのだそう。どのようにして社内の環境を改善していったのか、チーム内にデジタル心理的安全性を築くための取り組みを聞きました。
同じ社内や部署でも、生産性の高い「強いチーム」と、なかなか成果を上げられない「弱いチーム」ができてしまうのはなぜでしょうか。今回は、人材開発支援会社、コーナーストーンオンデマンドの経営陣のブログから、「強いチーム」を作る秘訣を紹介します。
また、チームのメンバーが萎縮することなく力を発揮できるよう、河村氏は「平時は影響力があっても存在感のない人を目指し、危機的な状態のときは助けてほしいと思っている自分を素直に表現している」と話す。
米グーグルが2016年に発表した研究結果によると、メンバーが委縮せず、心理的安全性の高いチームのメンバーは、自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があるという。
「メンバーがビクついていては『イノベーションを起こそう』といっても難しい。リーダーがふだんから飾らない自分を出すこと。弱さが最大の強い結びつきになる」(瀬戸川氏)
三井住友海上火災保険は、働き方改革の一環として、生産性向上のカギとされる「心理的安全性」の確保に向けて取り組みを本格化する。上司や部下が建設的に意見を言い合える環境を維持することで、イノベーションを生む機会の増加や社員のやりがい向上を目指し、従業員の定着率アップにつなげる。2016年10月からの働き方改革では、総労働時間の10%削減など一定の成果が出ており、それを踏まえて次のフェーズに移行する。
グーグルの取り組みで有名になった「心理的安全性」はなぜ必要なのか。「日経クロストレンドEXPO 2019」の中で10月9日に開催されるセッション「禅から学ぶ最強のチーム作り〜『心理的安全性』を高める方法」(16:30~17:10)に登壇するZENTechチーフサイエンティスト・石井遼介氏が解説する。
人材・組織に関する世界最大級のカンファレンス「ATD International Conference & EXPO」が、今年もワシントンD.C.で開催された。昨年の同カンファレンスでは、「心理的安全性」が特に大きなテーマとして取り上げられていたが、その傾向は今年も変わらず、むしろさらに注目度が高まったと感じられる内容となっていた。
人材・組織領域でいま注目されている心理的安全性とは何か? 長年、外資系企業で人材育成・組織開発に従事してきた大野宏氏が解説する。
世界トップクラスの経営大学院、ハーバードビジネススクール。その教材には、日本企業の事例が数多く登場する。取り上げられた企業も、グローバル企業からベンチャー企業、エンターテインメントビジネスまで幅広い。日本企業のどこが注目されているのか。作家・コンサルタントの佐藤智恵氏によるハーバードビジネススクール教授陣へのインタビューをシリーズで掲載する。6人目は、リーダーシップを研究するエイミー・エドモンドソン教授だ。
佐藤 最新刊「恐れのない組織:職場に学習力・イノベーション・成長をもたらす心理的安全性の創出(The Fearless Organization: Creating Psychological Safety in the Workplace for Learning, Innovation, and Growth)」は、「心理的安全性」をテーマとした本です。この本を執筆した動機は何ですか。
エドモンドソン 「心理的安全性(Psychological Safety)」という概念が学界の外でもトレンドになりつつあると実感したからです。
金融庁が、今年から金融機関との対話に「心理的安全性」という考え方を取り入れている。米グーグルが効果的なチームのあり方についてまとめた研究で、「圧倒的に重要」な要素として紹介したことで知られるようになった考え方だが、いま“グーグル方式”を取り入れる、金融庁のねらいとは……。
2018年11月20日、Learning Space AP市ヶ谷にて「カルビー武田雅子さんに聞く、チームの心理的安全性構築」が開催されました。これは、組織行動学の用語である「心理的安全性」をテーマに、さまざまな有識者の人たちとコラボレーションして、少しでも多くのチームで心理的安全性を高めてもらうことを目的とし、株式会社ZENTechが主催するイベントです。今回のゲストは、HRアワードにて最優秀賞を受賞された、カルビー株式会社の執行役員、人事総務部長の武田雅子氏。現場に心理的安全性をもたらし、さまざまな部署で結果を出されてきました。本記事では、主催である株式会社ZENTechのチーフ・サイエンティスト / 一般社団法人 日本認知科学研究所 理事、石井遼介氏のプレゼンの模様をお送りします。
2018年12月11日、慶応義塾大学 三田キャンパスにて「オムロン竹林一さんに聞く、心理的安全性とイノベーション」が開催されました。心理的安全性の構築をテーマに、株式会社ZENTechが主催する当イベント。ビジネスの第一線で結果を出しながらも、イノベーションの種を撒き続けるオムロン株式会社の竹林一氏をゲストに迎え、さまざまなセッションが催されました。本記事では、竹林一氏と島津清彦氏による、会場からの質疑応答の模様をお送りします。
しばらく前からビジネス界隈で話題となっている「心理的安全性(Psychological Safety)」は,集団作業が求められるゲーム開発においても重要な概念である。ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2019」の2019年9月4日に行われたショートセッション「心理的に安全な状況を作り出し,すべてをかき混ぜる方法」では,この心理的安全性を開発現場で活かすための知見を語るものとなった。
働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョン、イノベーションなどのテーマに取り組む際、不可欠な土壌となるのが心理的安全性だ。政府の「働き方改革実現会議」の有識者議員を務めた経験を持つ、少子化ジャーナリストの白河桃子氏、女性活躍推進・ダイバーシティなどのトータルソリューションを研修やコンサルティングで提供しているWisH株式会社の代表取締役・清水美ゆき氏が、働き方改革や心理学的観点から、心理的安全性の高い職場に必要なリーダーの力とは何かについて語り合った。
世界トップクラスの経営大学院、ハーバードビジネススクール。その教材には、日本企業の事例が数多く登場する。取り上げられた企業も、グローバル企業からベンチャー企業、エンターテインメントビジネスまで幅広い。日本企業のどこが注目されているのか。作家・コンサルタントの佐藤智恵氏によるハーバードビジネススクール教授陣へのインタビューをシリーズで掲載する。リーダーシップを研究するエイミー・エドモンドソン教授は最新刊で、原子力発電所の安全性に関わった2つの事例に注目した。
組織の活力を高め、イノベーションをどう起こすか。世界中の企業の関心事だが、米グーグルが大がかりな社内調査を経てたどり着いたキーワードは「心理的安全性」だ。これはもともと米ハーバード大の研究者が唱えた概念で「この職場(チーム)なら何を言っても安全」という感覚を構成員が共有することだ。何かいいアイデアがひらめいたら、すぐに発言し、実行に移す。仮に新しい試みが失敗に終わっても、嘲笑されたり罰せられたりせず、引き続きチームの一員として尊重される(と本人が確信する)。
グーグルは社員を採用、育成し、定着させるための基盤として「ピープル・アナリティクス」を活用しています。人事に関する慣行、プログラム、プロセスなどをデータに基づいて分析・理解し、それを人事上の問題解決などに役立てるのです。そのピープル・アナリティクスチームが「効果的なチームの条件とは何か」を調べたところ、最も重要な要素が「心理的安全性」でした。シニアマネジャーのキャサリン ディカスさんに伺いました。
忙しいリーダーほど忘れがち、心理的安全性
まだまだ類似記事もありますが、まずはこれだけ通読頂ければ十分かと思います。
きちんと勉強したければ、この本かな…と思います。
世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 (日本語) 単行本 – 2018/8/20
この考え方、実際忙しくて有能な人ほど、忘れがちというか盲点なんですよね。この前ガイアの夜明けで働き方改革に奮闘する店長を見て思いました。モーレツ社員的に突っ走ってきた方は、基本、昭和の軍隊式教育に慣れてしまっている・・。
心理的安全性を重視するこの考え方、もし働き方改革で残業時間が減って時間が取れるとしたら、是非知ってほしい概念です。
自分自身が、部下や同僚、職場の心理的安全性を損なうような発言や行動をしていないかどうか。重要なことだと思います。