orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。


技術力のないSE

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はじめに

技術力のないSE、というタイトルから、またシステムエンジニアの愚痴を聞かされるのかとお話ですがちょっと角度が違っていて、この話題の歴史の話です。

技術力の無いSEという言葉が初めて議論になったのは、2005年の下記の記事だとGoogle先生が教えてくれました。

 

ceo.livedoor.biz

今日は某IT会社の方を訪問し、面白い話を伺った。

最近の大手ベンダーのSEは、「手配師」っぽくなっているという話。

自身の開発経験がないのに、見積やプロジェクト管理などをやっているので、表面的な仕事しかできない。

一人ひとりの予算が大きくて(一人年間1億とか)、とてもじゃないけど自分で仕様書なんて書いていられない。そのため、子会社や協力会社に話をつなぐことが仕事にらざるを得ない。中味をちゃんと見る時間もスキルもないので、いきおいオカネと期間の話ししかできず、結局「脅し」や「お願い」が仕事になる。

などといったお話。

 

ceo.livedoor.biz

要は、SEの仕事が相当コモディティ化していることだ。
期限どおりに、要件に合った納品しているだけだと、ますます隅に追いやられていくだろう。

20世紀の労働者のように、労働組合運動で地位の向上を図る手もあるだろうが、おそらく時代の流れは止められないと思う。

 

両方とも2005年の記事です。

今は2019年、14年も時間は経ってしまいました。

時代の流れ、はどうなったのでしょうか。

 

考察

最近は少し状況が違っていると思います。

もちろん手配師っぽい仕事は完全に残っています。

ただ、そのポジションの人々は、2000年からのIT業界の荒波を潜り抜けて来た人たちです。下働きもあり、ブラック時代もあり、様々な経験をしてきて今にあります。技術力のないSEなんて呼ばれ方をするような人はすでに技術者としては淘汰されているか、営業方面にジョブが変わっています。

昔、それこそ2000年前後の手配師は、当時40代~50代の人々はいきなりインターネット革命が起こって技術力などあるはずはなかったのです。今の時代の「若い人」なんてのはまだ甘くて、学生から20代でたっぷりインターネット・パソコンを触ってきた人たちの方が現役世代よりもトレンドに乗っていた。ですから当時のSESはとにかく「若い」「安い」であれば大量雇用されていました。そして手配師はとにかく人を集めることに集中したので、デスマーチなる言葉がこの時代に流行したのです。

誰もちゃんとした作り方を知らないのに、ちゃんとしたプロジェクトマネジメントを知らないのに、とにかく人が集められ体制が組まれ、リリース数か月前にプロジェクトに火がついてお祭りになる。そんな現場を見たことが当時あります。やはりプロジェクトマネジメントは大手ベンターSEで集められる人々はどこの山と知れないSES会社の寄せ集まりでしたね。

今の時代は、手配する方もされるほうもこなれています。誰に相談すればいいのか。相談された方は何をすればいいのか。必要なスキルに関する言葉の定義。また、歴史の長い業界になったので、過去のように「若い」「安い」ではなく必要なのであれば高スキルを高く雇うことも普通となりました。35歳定年説なんて大ウソだった。だれが言い始めたのか。おそらくブラック的なプロジェクトは当時から比べると激減していると思います。

「若いならいい」という状況も今は即戦力が求められるようになりました。若くてもいいけどちゃんと戦力になってね、ちゃんと払うから。これは業界としては健全化したのだと思いますが、若手層は少なくとも2000年前後の状況から考えると、きちんと勉強して現場に入らなければいけないようになった点で条件は厳しくなっていると思います。

一方で、下記の言葉。

 

理想的には、きちんと現場経験を積むことが必要なのだが、そうはいえない現状がある。

短納期化、予算の削減、アウトソーシングやオフショア開発の進展などだ。

昔を懐かしむのは簡単だ。でも、明らかに環境が変わっている。新しいモデルを作り上げた会社だけが生き残るだろう。

 

2019年の今でも、「新しいモデルを作り上げた会社だけが生き残る」なんて言う人は数万人いるだろう。当時はビジネスモデルという言葉も無かったが結局は、コンサル的な層は年中この言葉を言い続けているのだと思う。

新しいモデルは不要だ、となった時点でコンサルは不要となるでしょうからね。

 

風が吹けば桶屋が儲かる

そういえば、SIer関連の決算が最近好調らしいですね。

 

tech.nikkeibp.co.jp

国内IT大手4社の2019年4~9月期の連結決算(国際会計基準)が2019年11月1日に出そろった。各社とも国内のシステム構築事業などが好調を維持し、全体の業績を下支えした。顧客企業は既存システムの老朽化が多額の損失を生むとされる「2025年の崖」に対する危機感を強めており、今後も国内を中心にシステム刷新の需要は底堅く推移しそうだ。

 

経産省や日経が「2025年の崖」を大いに吹聴してくれたおかげで、経営者たちが慌てだしIT投資を増やした結果です。

崖、っていい言葉ですね。経営者に理由をくれる。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 大手、中堅中小を問わず、ITベンダーが人材不足感を強めている。この状況は、2015年から2017年ごろにかけてピークを迎える可能性が高い。これが「2015年問題(2016年問題、なとどもいわれる)」である。

 

www.cics.co.jp

1993年のCICLOCK販売開始から長きに渡りクレジットカード業界を始めとした各業界を支えてきた情報漏洩対策・暗号化ソフトのプロが綴るセキュリティコラム。

今回のコラムでは、「暗号アルゴリズムにおける2010年問題」について解説します。

 

www.dir.co.jp

欧州連合(EU)諸国は、2005年から国際会計基準を全域で適用する。同時に、国際会計基準と同様に質の高い会計基準でなければ、EU域内で利用できないこととする。世界二大経済圏のうち、米国は米国会計基準、EUは国際会計基準で統一される。さて、日本はどうするか?

 

結局は、メディアも企業も一心同体で、どうニーズを作り出すかというだけの話です。アメリカから輸入したDXという概念で2025年までの食い扶持を国内SIerはうまく作り出したなあという印象です。

 

AIやIoT、クラウドなどの新しい軸が出てきたところで、結局はやる人は同じだなあという感想です。新しいモデルなんて創り上げなくても、仕事から近づいてきます。ただ仕事自体が新しくなる。会社ではなく、昔ながらの技術にこだわってアップデートしない「人」こそが生き残れないのだと思います。