orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

RPAで時間がどんどん削減されていく

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日経xTECHがRPA大調査

元来、時間というものは1つしかないのですが、RPAにかかるとまるで資源かのように削減されていくように感じます。

日経xTECHがRPAに関する統計調査を行ったのですが、破壊力のある結果となりました。私は有料会員なので全部読めますが1ページ目だけでも十分わかります。

 

tech.nikkeibp.co.jp

PC作業の効率化による時短効果は、年1700万時間にも及ぶ――。大企業90社への調査から、RPAの威力がはっきりと見えてきた。1社で年100万時間分のPC作業を減らす「強者」企業も増えそうだ。
 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によって自動化したPC作業時間の合計は2020年末に、回答した50社の合計で年1700万時間にも達する―――。日経コンピュータが実施したRPAの活用状況に関する独自調査から、こうした実態が浮かび上がった。調査は国内の大手企業を中心に2019年8~9月に実施。163社に調査票を配布し90社から回答を得た(最後に調査概要を掲載)。
 調査は「RPAによって自動化(削減)できた時間」「RPAツールによって開発・稼働させているソフトウエアのロボットの台数」「導入時期」「推進体制」「適用業務」「導入しているRPAツール名」などを調べた。それぞれの結果を詳しく見ていこう。

 

調査結果については全公開されています。

 

tech.nikkeibp.co.jp

日本の大企業はどの業務にRPAを導入し、どれだけのPC作業を減らしているのか。どんなツールを選び、今後どのような普及計画を立てているのか。初の調査に回答した全90社の実態を一挙に公開する。

 

時間削減のニュースは続々と

RPAによる労働時間削減の話はすでに実行フェーズに入っていて、ニュース記事も続々と投稿されています。

たくさんありすぎるので、今月(2019/10)だけのものだけご紹介します。

 

www.nikkei.com

19年9月時点の集計で、削減できた労働時間は年換算で1万9330時間に達したとする。19年9月時点で国内外のグループ30社、1074人がRPAの教育プログラムを受講し、126の業務プロセスでロボットが稼働している。

 

japan.zdnet.com

 これにより、年間約261時間の削減効果が試算された。職員の作業時間の約50%に当たる。各業務のの自動化により削減した作業項目と時間だけでなく、導入によって増加した作業項目と時間も盛り込まれている。作業時間の削減効果は、この増減をトータルして算出されている。

 

www.keyman.or.jp

目がくらむような定型業務の量に、PoCも行わず即決でRPA導入を決めたという遠州鉄道。2017年の12月にはRPAプロジェクトをスタートさせ、2019年には全社で年間約2万8000時間の削減効果を挙げている。しかし、約1年半の道のりは、困難にあふれていた。

 

www.keyman.or.jp

グローバル企業ウォルマートの完全子会社として2008年に再スタートした西友は、国内スーパー334店舗を展開する企業。ITを活用した業務改革の一環として、2018年12月オンプレミスサーバにRPA(Robotic Process Automation)ツールの「BizRobo!」を導入し、約2万時間に上る業務時間を削減した。

 

考察

大企業中心にRPAが業務時間低減に効果があるということはもう周知の事実で、「業務プロセス自体を見直さないから意味がない」「運用でつまづく」という抵抗は無意味だったようです。

RPAの動きを見ていると、Web画面・Excelの入出力が主なように思います。それだけ、大企業のシステムはWeb化されているということですし、WebやExcelに手入力する仕事が多かったということだと思います。

大企業では、そんなにたくさんの人がパソコンとにらめっこして、データを切り貼りして手入力していたということですね。そしてそれが、仕事となっていた。そして給料が支払われていた。生活の糧となっていたし、仕事の誇りとなっていた。

日経xTECHは別記事にて、導入・運用時の課題もまとめてくれています。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 富士フイルムホールディングスは「作業量が膨大で、人手では実施が不可能な作業にRPAを導入。以前は考えられなかった成果が得られるようになった」と回答した。キリンホールディングスは人手だと負担が重く1回しかできなかった作業にRPAを適用することで、ソフトロボによって何度でも作業ができるようになった。日本航空も膨大なデータをパソコンで確認する作業にRPAを用いた。従来は確認できる件数が限られていたが、RPAに切り替えてからは全件確認できるようになった。

 繰り返し作業などをRPAで自動化すれば、データ入力のミスや確認漏れが減って、PC作業の質を高められる。さらに社員の心や体の負担も大幅に減らせる。損保ジャパン日本興亜は数秒に1回必ずクリックしないといけないPC作業の自動化が「社員のストレスの解消につながった」という。

 RPAの主な自動化対象はデータのコピー・アンド・ペーストやマウスによるクリック操作など、決まった手順で何度も繰り返すようなPC作業だ。延々と終わりが見えない作業を続けていくことに苦痛を感じたり、肩こりやけんしょう炎といった症状が出たりする恐れがある。RPAによってこれらの作業を自動化することで、オフィスワーカーの心身の負担を軽減できているわけだ。

 社員の心身の負担を減らす策としては「早朝出勤をなくす」や「伝えづらいことを社員の代わりにソフトロボに伝えさせる」などもある。複数の企業が、午前中に必要な資料を作るために社員が始業時間前に出社して取り掛かっていたPC作業をRPAで自動化することで、社員の早朝出勤を無くしたと回答している。

 「伝えづらいことを社員の代わりに伝えさせる」という使い方をしているのが大和ハウス工業だ。出張した社員が申請した経費精算を経理部門が確認する作業にRPAを使っている。「社員が自己申告した費用の金額が、クレジットカードなどの利用金額と異なる」というケースだ。社員に確認を促すメールを、経理担当者の代わりにRPAが送っている。「出張申請の金額が間違っていますよ」。同じ社内とはいえ面と向かって言えば角が立つことがある。それをRPAに任せることで回避しているわけだ。

 

この後の有料記事部分では課題等のまとめてあり読み応えがあります。ぜひ有料契約をお勧めします。

RPAは銀の弾丸ではない、という否定的なコメントも以前はあり、それはもう十分わかっていて各社工夫して現場導入し、結果として1700万時間削減という統計結果まで出てきたということで否定から入るのはもう無理、と言ってよいと考えます。どう使っていくか、デメリットを発現させないか、という視点を持つべきでしょう。

結局のところ、本当のRPA否定派の発言は、RPA適用が向いていない仕事をされている方の発言であることが多いと思います。そういう仕事もたくさんありますしRPA万能と考えるのは誤りです。ただし、RPA向きの仕事もたくさんあります。「RPAがあるから仕事が奪われる」というより「どんどん奪われて結構なのでもっと品質の高い仕事に取り組みたい」という意欲が統計から透けて見えてくると考えます。

日本国中からRPAによってどんどん排出される「時間」。この「時間」をどう日本は活かしていくのでしょうか。手が足りないという介護や育児分野に振り向けていくのかどうか。それとも単に人口減に合わせて社員を減らしていくだけなのか。

1700万時間削減したら、今度はどういう領域で1700万時間を使うのか、大変興味があります。