はじめに
ゲームチェンジとは、業界のいろいろな慣習やしきたりを大きく変えるような商品やサービスのことを言います。革新的な技術で今までできないことができたり、考えられないほど安かったりといったことを実現することで、今までのビジネスのルールを変えてしまうということです。
思い返せばインターネットがそうでした。インターネットの登場以来世界はどんどん形を変えていって未来の今があります。
iPodが出て音楽が変わり、iPhoneが出てコンピューティングが変わったのもそうです。ガラケー、音楽、ゲームなどいろいろな産業を飲み込んで行きました。
また、Googleは全てを検索できるというビジョンで世界の知の在り方を変えました。
今年前半のゲームチェンジを特集します。全てのゲームチェンジが本当に実現するかは未知数ですが、その発想とエネルギーは参考になります。
ゲームチェンジ特集
クラフトビール / キリンビール
世界的なクラフトビールの興隆が示すのは、画一的なメガブランドの退潮だ。日本でもビール市場は2018年まで14年連続で縮小している。アサヒビールの後じんを拝し「万年2位」が続くかつての王者、キリンビールはクラフトビールを復活の突破口と位置づける。きっかけは1人の若手社員がつづった14枚の「紙芝居」だった。
5G / O-RAN Alliance
従来のRANは、いわゆるメガベンダーが1社で提供することが多かった。オープン化によってこの状況を変え、エコシステム拡大によるコスト減や、RANを構成するコンポーネント単位での機能拡張を可能にしようというのがO-RAN Allianceの狙いだ。オープンなインターフェースを規定し、様々なベンダーが提供する“部品”を組み合わせられるようになれば、多様な要件への対応やサービス展開を迅速化したり、さらにはイノベーションが活性化したりといった効果が期待できる。
5G / 楽天
インターネット通販大手の楽天が2019年10月、国内携帯電話市場に新規参入する。NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクに続く「第4軸」が誕生するのは約13年ぶりになる。14年から格安スマートフォン(スマホ)事業を手掛けてはいるが、自前で最大6000億円規模の資金を投じる展開は大きな賭けだ。長らく続く大手3社の寡占市場に割って入り、5G時代に躍進できるのか。楽天傘下で携帯通信事業を担う楽天モバイルのタレック・アミンCTO(最高技術責任者)にゲームチェンジの“秘策”を聞いた。
ゲーミングスマホ / ASUS
ASUSが台湾でプレスカンファレンスを開催。その席上で同社のジョニー・シー(Jonney Shih)会長が、「昨年、(初代ROG Phoneという)リアルゲーミングスマホを発表したことで、世界的なゲームチェンジを遂げることができた。今日は、これを刷新する。これは "for Gamers by Gamers" スマートフォンだ」と宣言し、「ROG Phone 2」を発表した。
EV / トヨタ自動車
だからこそ、地域の問題解決をしてお金を稼ぐビジネススタイルに変えていった方がいい。そのためのMaaSだし、MaaSの手段としてのEVである。「すごい性能のEVを作ったから買ってくれ」と言うのは完全にプロダクトアウト型で、それでは商品が変わりこそすれ既存のビジネスモデルに過ぎない。しかもEVが普及するにはまだまだ時間がかかるだろう。むしろMaaSによるゲームチェンジを泥臭いところから落ち穂拾いで作り上げる堅実さに、トヨタのラストワンマイルの強さを見た。
レッドハット買収 / IBM
レッドハット買収はゲームチェンジの切り札となり得るか。野村総合研究所の藤浪啓上級コンサルタントは「買収を通してエコシステム(協業の生態系)を手に入れられる。そこに大きな意味がある」とIBMの狙いを指摘する。OSS製品は特定ベンダーに依存しないオープンな開発コミュニティー活動に基づいており、システム構築(SI)業者やソフト会社、ユーザー企業のIT技術者につながり、イノベーションを生み出す源泉にもなる。レッドハットはエコシステムの真ん中で重責を担っている。
プロジェクター / 富士フィルム
「これまで設置したくてもスペースの制約でプロジェクターが置けなかった、あるいは投写できなかった場所に高輝度、高画面の投写ができる。プロジェクター市場を大きく成長させる可能性を秘めた革新的な機能が詰まった製品と自負しており、この画期的なプロジェクターで世界のプロジェクター市場にゲームチェンジを起こしていく」と思いを語った。
Stadia / Google
Googleが3月20日、ゲーム開発者カンファレンス「GDC 2019」で発表した、新ゲームサービス「Stadia」大きな話題を呼んでいます。
ゲーム業界を変える、文字通りゲームチェンジを起こすかもしれないといわれている「Stadia」は、いったい何がすごくて、実際のところどうなのでしょうか?
消費者として楽しみ
2020年に向けて5Gが実用化したり、AI関連の実装が加速したりと今後ゲームチェンジはあらゆる分野で加速しそうな気配です。
どの企業も、ゲームチェンジを仕掛けられる方となり、かつそれが既存のビジネスモデルでは太刀打ちできないくらい画期的なものであるとすれば持っていたシェアはどんどん奪われてしまうでしょう。
個人的にはどこかのタイミングでゲームチェンジの波に乗ってみたい・・、と思っています。楽しそうなので。
今後も注目していきます。