orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

今の仕事がきれいさっぱり無くなるという漠然たる不安

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NHKスペシャルの「EVシフトの衝撃〜岐路に立つ自動車大国・日本〜」をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。

 

www.nhk.jp

世界の自動車業界に急速に広がる“EVシフト”。震源地・EUでは官民一体となって主導権を握ろうと始動。ルノーの生産現場では大変革を進めていた。対する自動車大国・日本はどう立ち向かうのか?番組では、ホンダの開発現場に密着。そこでは、航続距離を伸ばすために新たな電池を開発するなどギリギリの闘いが続いていた。番組では、世界の自動車産業の構図がどう変わるのかを描き、日本が世界で戦うための課題をみていく

 

自動車のアーキテクチャーが大きく変わると、今までの自動車産業の産業構造にて食べていた人たちが大量に失業してしまうというお話でした。

詳しい話は以下の記事でも語られています。

 

dime.jp

米欧を中心に脱炭素規制が強まり、電気自動車普及の動きが本格化するなか、完成車メーカーに部品を供給するサプライヤーの危機感が強まっている。

帝国データバンクの調査で判明した、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダといった完成車メーカーと、グループを形成する製造子会社やメーカー系サプライヤーに直接部品を供給するティア1(一次下請)における製造業約300社のうち38.8%が、EVの普及が自社にとって「マイナス」と回答した。

調査全体の企業約1万社における同割合(14.9%)に比べて約3倍高い水準となり、サプライヤーでEV化進展に対する危機感が鮮明となった。また、中小サプライヤーではEV化によるマイナスの影響が4割を超えるなど、大企業に比べ危機感がより強かった。

 

自動車産業が今後どうなっていくかについては専門外なので関連記事にお任せするとして、このような話はIT業界では日常茶飯事です。

新しい技術が出ては、古い技術を駆逐すると言われていました。それも毎年のこと。スティーブジョブズのようなプレゼンがいろんなところで行われ、世界は変わると。しかし私の感覚では、思ったほどIT業界自体は変わっていません。いろいろ打ち出した新しさは少しずつ受け入れられつつも、古い技術は新しさに合わせてチューニングされ、モダンな姿で生き残り続けるという状況です。

未だにCOBOLで動くプログラムはありますし、クラウドが全盛でもオンプレは残っています。汎用機もかなりのワークロードを未だにこなしていて、むしろコンテナやAIなども取り込む始末。全ては新しい技術で取り替わると登場時は豪語するのですが、時間が経つとわかるのは、新しいもののほとんどが幻滅され普及しないこと。普及するとしてもある程度時間をかけていくこと、です。
日本におけるEVはどちらかというと一度幻滅されました。登場自体はむしろ早かったのですが充電環境や連続走行距離などの問題で、全てを置き換える、とはなりませんでした。

ところが、環境に対する世界の世論の高まり、そして現在の自動車市場をひっくり返そうという政治的な野心も重なり、日本国内でもEVを取り込まなければ世界では戦えないという状況になりました。

したがって、EVは幻滅したからもう日本には来ません。なぜなら・・、という考え方自体が、日本の都合の良いように考えていたのであって、世界の情報を客観的に捉えていた場合、古い技術にしがみついていたら失業の危機だ、といつ早く気が付けるかが勝負だったと思います。勘のいい会社は既に事業転換を図っていたり、傷が深くなる前に廃業を決めたりしていることでしょう。

私の属するIT業界でも、この手のちゃぶ台返しが今後ないとは言い切れません。例えばクラウドは突然利用禁止になるとか、インターネット自体が大きな規制の網にかかり自由に使えなくなるとか。今のスマートフォンの形が大きく変わるとか。

あり得ないと思っていたことが突然起こることが、この世の中の特徴だと考えるべきだと私は思います。それは過去と比べてもスピードアップしている印象です。瞬間的な判断と行動が求められ、正確に行動できた人が大きな果実を得、腰の重い人は突然仕事を失う、そんなルールです。

決して、今の仕事内容を妄信しないことです。絶えず、自分の仕事がなくなるような画期的な、ファンタジックな話には興味を持っておくこと。成長期のうちに参画し、イニシアティブを取っておくこと。

 

2015年あたりに、ディスラプター(破壊者)という言葉が流行していたのを思い出しました。

 

it.impress.co.jp

 これまでの業界秩序や商習慣にとらわれることなく、斬新なビジネスモデルを市場に持ち込んで、あっという間に顧客を獲得して急成長する──。そんなプレーヤーを、最近は“Disruptor”と呼ぶことが多くなった。IT関連のセミナーなどで耳目にする機会もとみに増えている。

 

そう、EVの件は、自動車産業の破壊者です。破壊者は急には現れません。それならば、噂を聞きつけたら乗り込んだ方が良いと思います。もし偽物なら見限ればいいだけです。本物なら破壊者に自分から参画しないと、破壊される側になるだけです。

今の仕事なんて蜃気楼。来年は違うことをやっているかもしれない。いつも心に言い聞かせて、仕事に取り組んでいます。