orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

新しいビジネスに参入するときに守って欲しい三つの原則

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ウーバーイーツと労働組合の話

だんだんとこのブログは、現代社会でどう振る舞えば生き残っていけるかというコンセプトを持ちつつあると思います。世の中が変化しても普遍的に使えるような原理・原則を追求しています。経験則が多いので社会人経験が短い人にはライフハック的な側面があるのかもしれませんね。

さて、今回はウーバーイーツに労働組合ができるという話を見て思ったことです。

 

www.nikkei.com

米ウーバーテクノロジーズの宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の日本の配達員による労働組合の設立に向けた準備会が12日、東京都内で開かれた。20人程度が参加。仕事の現状や課題について意見交換したり、労組を結成する意義を話し合ったりした。今後も会合を重ね、早ければ年内に労組の結成を目指す。

 

ウーバーイーツとは飲食店舗の配達を、第三者が請け負うシステム全般のことを指します。もちろんウーバーが用意したプラットフォームを店舗と参加者が利用することが前提で、そのプラットフォーム利用料がウーバーの売上となるシステムです。

アメリカ、ウーバー、シェアリングエコノミーとその新しさに惹かれて参入する個人は多いのですが、ここにきて労働組合結成ということで、矛盾が表面化したように思います。ウーバーイーツを支えるたくさんの人々がビジネスに不満を感じていることが裏返しです。皆満足であればこんなことにはならない。

ビジネスは常にたくさんの選択肢があり、下手な選択肢を選ぶと「働いても負担ばっかりで儲からない。何のためにやっているかわからない」と言うことがよくあります。そうならないための心がけについてまとめておきます。

 

初めが肝心

ビジネスは常に、自分と他者が契約を交わして、その契約に沿った成果を報酬を生み出したら金銭を受け取るという仕組みで成り立っていると思います。

報酬を生み出すためには、かならず自分が何か負担をしなければいけません。もし材料を仕入れてそれを加工する場合はその仕入れ代がかかります。原価と言いますよね。ウーバーイーツの場合の負担は何でしょうか。それは輸送にかかる交通手段と、自分の時間ですよね。ウーバーイーツがバイクや自転車を貸してくれるわけではありません。

 

www.uber.com

 

そこで、ではこのビジネスに参入するかどうか。私は以下の基準で判断しています。

・時間を売るビジネスモデルになっていないこと
・原価に対して報酬が安すぎないこと
・社会のために役に立つこと

この3点が同時に満たされていることが非常に大事です。どれか欠けていると「やらなきゃよかった」となります。個々の条件を詳しく説明します。

 

時間を売るビジネスモデルになっていないこと

お金は欲しいですよね。

であれば、いっぱいお金が欲しいときはどうするか。時間を売る契約の場合はいっぱい時間を使えばいいことになります。古い価値観ではこれを「働く」と言います。

どうも働くとは、仕事に時間を使うことだと言う刷り込みを、多くの人がされているように思います。しかしこれは思い込みです。例えばWebサービスは多くの人が同時に使うことによって短時間にたくさんの売上を上げることができます。時間を使ってお金を得られるのは単にビジネスの手法のうちの一つにしか過ぎません。

時間を使うことが報酬に比例している場合に何が問題になるか。自分がコントロールできる時間は限られているということです。

自分が持っている時間以上に報酬を得ることができないのです。したがって、自分の持っている時間(例えば週40時間)を基本とすると上限の報酬が見えてしまうのです。

ここでまた考えるべきは、そのビジネスに加担している時間を奪われる以上は、他のビジネスを掛け持ちできないということです。もし優秀な他のビジネスが出てきても同時にはできないということです。

数年前に一度私もこの手の契約に巻き込まれてしまい、別のビジネスを広げたいと思っても時間を取られてしまった結果、なかなか手が出せないという悪循環に陥ったことがありました。しかも、一度始めた以上お客様もおり、辞めるのも一苦労でした。

時間を売る契約でやれば、初めからやってはいけません。

 

原価に対して報酬が安すぎないこと

このウーバーイーツと労働組合のニュースを見ても思うのですが、配達者は時間だけを負担しているわけではありません。自分の生活費は立派な「原価」です。ご飯を食べることや家を借りること、水道代や電気代・ガス代・・・などなど自分が生きるためには出費が必要です。時間を使って労働力を提供する自分が生活するための費用、生活費は立派な原価だと思います。

報酬がこの原価に対して小さすぎれば、貯金ができなかったりもしくは原価削減をしないと逆に赤字になってしまいます。

また、リスクに対する費用も原価になります。ウーバーイーツの例では、個人事業主の契約となり労働者ではないため交通事故にあっても休業補償や労災認定はされないと聞きました。ということは報酬にこのリスクに対応する費用まで含まれていないとおかしいということになります。

ビジネスを始めるときに、単に報酬だけ見るのではなく、報酬が原価割れしていないかを確認する必要があります。この報酬を割り出す作業を、報酬モデルが複雑であることによりうまく回避し、何となく雰囲気で儲かりそうということで契約させるビジネスも世の中にはたくさん溢れていますから要注意です。

もちろん、主業があったうえで、空き時間を提供して報酬に変えたいという動機であれば、副業としてはアリだとは思いますが。その場合は主業で生活費は賄うので原価はかからないとみなすこともできますよね。

 

社会のために役に立つこと

これは大事なことですね。

いくら報酬が頂けても、社会のために役に立たないことや害になることであれば、そのうち社会から排除されてしまいます。

自分の中のモチベーションもダダ下がりします。

これは日本の教育の中で必ず刷り込まれることなので、大多数の人がわかっている概念だと思います。

ただ、ネットなどを見ていると、拝金主義的な、社会の役に立つ立たないを一切無視した扇動的なお金の儲け方を推奨しているような情報もあるので、原則は見失わないようにしたいものです。

 

まとめ

これら三つの原則を持って、ビジネスを選択していきたいものです。

いざ始めてしまうと、いくら効率が悪くてもそれを止めるにはリスクが生まれます。そのビジネスを最大化したときに何が起こるか、想像力を働かせることが大切です。

特に「社会のために役に立つこと」を強調し、「やりがい搾取」を行うビジネスモデルも横行しているように思います。すごく社会貢献の側面が強くやりがいを感じられるけれども、財布を見るとお金が入っていない。これは3つの原則を満たしていないということになります。そんな仕事が社会に溢れていませんか?

よく注意して、ビジネス参入するようにしましょう。