orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

随分、時が経ったね

 

「けんかをやめて」っていう曲は竹内まりやが歌っていたものと記憶していたけど、実際は河合奈保子のシングル曲を竹内まりやが提供したという形だったのか。

そもそもこの曲の歌詞について、私は当時小学生で、めちゃくちゃ、男二人が喧嘩してると思っていた。殴り合いみたいな。けんかをやめて、だから文字面的には正しい。

けんかをやめてくれと懇願する歌だから、落ち着いて、平和に仲良くやろうよ、みたいな雰囲気で捉えていたような気がするが、この歌の歌詞は、実際はもっととんでもない、主体である女性の思想はものすごくおかしい。

実際は、女性が男性二人に思わせぶりな態度をしてしまったばっかりに、その男性二人が険悪になってしまった、ということだったんだろうが小学生にわかるわけがない。

 

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まあ、すごい歌詞である。

何だかこのころ(バブルが弾ける直前)の女性はとても強かった。男性もお金だけはあったから、女性に対するアピールも激しくて、恋愛至上主義みたいな雰囲気もあった。

だからこの歌も、世間に普通に出てしまったんだろうな‥と思う。

歌にするこっちゃないよな、と思うのだけど、この心の動き自体が「あるある」と人々に思わせるぐらい説得力があったと思うと、この頃の生存競争も激しかったと思う。

基本的にはこの頃は、「精神力・生命力が無い人は落ちこぼれる」という倫理があったように思う。飲み会は絶対参加だし、お酒も強制的に飲まされていたし、残業上等で、24時間働けますかって言葉にしても自然だったころだ。

この後の時代、男性が「草食男子」と評されるようになる。ラブソングが流行らなくなった。現在の歌なんて、「上がって行く」「扉を開く」「光の方へ」「夢をかなえる」みたいなキーワードで成り立っている、空白のような歌詞しかなくなったように思う。

 

随分、あの時代から時間が経って、もはや別の国のようだ、とも思う。この前、「不適切にもほどがある」というドラマがあったが、そう、随分過去と現在は、別の色となってしまった。

次のフェーズは「忘れる」になるんだろう。

もう明治時代や江戸時代の人々がどのような精神性を持っていたのか、忘れているだろう。きっと、バブルの頃のこと、忘れていく。

そのときはそっと「けんかをやめて」を聴いてみるといいと思う。

 

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