orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

お姫様キャラ・勇者キャラの呪縛

 

子供が見るような番組に顕著だが、男性は勇者キャラ。女性はお姫様キャラ。大昔から確立されてきた、男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、という人格形成論について、とても最近では有害性を感じている。

特に女性目線だと、以下のような特徴があると思う。

・常に笑顔で、明るく気さくで前向きであること
・容姿がきれいであること
・一歩後ろに立ち、誰かを支える存在であること
・周りの人々と同調性が高いこと

女性アイドルがその見える化となっているが、その他アニメにしても漫画にしても、影響が色濃い。

一方人間の内面は、性別関係なく色々人それぞれだ。あくまでも1キャラクターであるにも関わらず、これらを良しとし、そうではない人々を下に見下そうとする。

男性目線の勇者キャラも考えてみよう。

・周りの目を気にせず、リスクに挑戦したがる。
・自分の夢を最優先する。
・努力と根性で、苦難を克服する。
・周りの人を巻き込んで目的を達成する力が強い。

 

ところが、社会に一歩出てみると、このお姫様キャラ、勇者キャラ、ビジネスの世界では輝けないように思う。偉くなっている人を見渡してみての感想だ。

 

お姫様キャラを考えると、

・常に笑顔?、そんなの疲れてしまう。悪い感情は外に出さない努力は必要だけど、良い感情は心から思ったときにだけ出せばいい。
・容姿は清潔である必要はあるけど、淡麗である必要などまるでない。人間性のほうがよっぽど魅力に関わる。
・一歩後ろに立とうとする態度の人は、ビジネスの場で主役になれない。したがって出世しにくいし、上司も扱いにくい。
・同調性が高いと、本人の身を守ってくれるかもしれないが、ビジネスの場では主張こそ価値となる。意見のない人は中心になれない。

 

今度は勇者キャラだ。

・周りの目を気にしないのはいいが、リスクは確実にマネジメントしないと討ち死にするだけだ。これで、たくさんの人が致命的な失敗をしている。
・自分の夢より、会社のビジョン・ミッションを理解し、それらを遂行する力のほうが求められる。特に会社での仕事は、人のために行う意味付けが強い。自分の夢ばかり語る人は、仕事生活が続かない傾向にある。
・努力や根性は、仕事でそこまで必要に感じない。それより生産性向上や、組織の心理的安全性向上に気を払い、無理ない形での業績アップ、その継続性強化が求められる。
・周りの人をそのキャラクターで巻き込むのではなく、参加するとWIN-WINになる仕組みづくりのほうが大事だ。本人が勇者である必要はなく、仕組みが優れていることのほうがよっぽど人が参加してくれる。

 

これらのように、どうも、お姫様や勇者に、大人になってから備わってほしい要素が欠落しているように感じる。特に女性には問題があって、ビジネスに向いていないようなイメージを間接的に植え付けているような気がしてならない。ビジネスの世界で難しくなるような人格形成を強いているのが、日本の男性優位社会の基礎となっている気がしている。

生まれながらにして、お姫様キャラ・勇者キャラの人がいてもいいとは思うが、何か象徴のような形で、昔ながらのキャラクター形成が広く広まっていて、そして街を歩いている子供たちがそれに染まっているのを見ると、こんなのいいわけない、と思うわけである。

なんとなく、私自身も子供時代にそういった呪縛を受け、そして40代でばかばかしくなり、開き直った生き方をしたところそれでも結果が良好で、な〜んだと思ったものだ。

そろそろ時代がアップデートし、多様な人間性の形成を認められるようになればいいな、と思う次第である。