orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

憎しみのインターネット

 

iPhoneを中国から排除する動きが顕在化したようだ。

 

jp.reuters.com

関係筋によると、中国はここ数週間、政府職員によるiPhone規制を強化、一部中央政府機関の職員に公務でのiPhoneの使用を禁じた。

 

アメリカだってさんざん、中国製品排除を進めて来たので、どっちもどっちである。なのにかろうじて、インターネットだけはつながっているというのがヘンテコだなと思う。インターネット空間は確実に、国対国の憎しみが支配していて、昨日、こんな記事を読んだ。

 

www.jiji.com

報告書に掲載されたスクリーンショット画像によれば、フェイスブックやツイッター(現X)への投稿とみられる。今年3月ごろから生成AI技術を用い、米有権者による投稿と見せかけて英語の政治的なコンテンツを作り始めたという。

 

中国はAI先進国だと私は思う。結構なAIモデルが中国からアップロードされていてしかも、出来がいい。彼らはたくさんのGPUを持っていて、日本人なんかより全然AIに慣れ親しんでいる。

技術だったら、もう中国の方も大変なレベルの方もいらっしゃっていて、フロントの競争では世界を争っているんじゃないかと言う印象もある。readmeが中国語なんて最近はザラだ。機械翻訳で読めるから苦労しないけど、英語一択だったのとは隔世の感がある。

 

みんな仲良く技術を高め合おう!という話だったら平和なのだが、もはやそんな余裕はアメリカにもない。ほっとくと追い越されるってなもんで、アメリカもどんどん規制するもんだから中国には間違いなく不景気が訪れている。で、やられっぱなしでは威信がすたると、ついにiPhoneの規制に乗り出した・・ということか。あとはわかりやすいところで言うとテスラが上がってくるだろうが、多分もっと先のカードだと思う。

 

正直、もう技術どうこうではなく、世界でアメリカより大きな顔をするのが許せない、というアメリカの意図がものすごく強い。中国だって、なんでいつまでもアメリカの顔色を窺っていなきゃいけないのか、むしろ人口や国土面積から言っても中国がいずれ追い越すのが自然じゃないか、という思いも感じる。

そんな状況で、インターネットがつながっているというのがとても不思議で、各国が社会インフラ基盤として利用している先に、憎しみがつながっているというのは何とも不思議な光景である。

 

今後は、きっと分裂する方向に向かう。インターネットは政治を色濃く反映し、物理的に遮断するようになる。

SNSのブロック機能のようなもので、インターネットは物理的につながっていても、ある国からある国、の方向性で全遮断、もしくは一部遮断するような事態が目前に迫っていると思う。

どれだけ情報が、世界の優位性を決めるかということが、世界中の人々に染みわたった。国対国で、他国の情報を霞み採ったり、操作したり、改ざんしたり人質に取ったり。日本も散々やられているじゃないか。

 

インターネットが私の手元にやってきたのは「1996年」だった。パソコン通信からインターネットへ急激に切り替わった。始まりのインターネットは何もない空き地だった。それが今では、人間の感情や思いそのものを表す土俵になっている。インターネットから切断すると、物理的に世界と切れるのがわかる。

国境なんて意味がなくなる、みたいな夢想家もいたけれど、結局は国境を浮きだたせてしまった。国境線が無いので無差別に攻撃する装置のようになってしまった。

そろそろ現実に戻ったらいいと思う。ちゃんと入口は締めなきゃ、危ないよ。