orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

昔の人は、若手によく仕事を丸投げしてたような気がする

 

年を重ねると、どんどん活きのいい若手が出てきて、下からの突き上げでだんだん居場所を失くし・・みたいな、よくあるテンプレ話は昔からあった。私の若い時は確かに、上の人たちなんてみんなポンコツで、私に仕事を任せたら全部たちまち解決さ、と思ってたもんだ。

あの頃の先輩たちはかなり長時間就労をしていて、夜20時だ21時だは普通に働き、その後しかも飲みに行くとかわけのわからないことをやっていた人達だった。私は、たまたまサポートの仕事で、働く時間がきっちり決まっていてほとんど残業しなくてすむ現場に潜り込んだので、一方でそういう現場があるということを聴く度に不思議に思っていた。あまりにひどい噂が入ってくるので、サポートの仕事は10年以上続けてしまった。

これじゃいかんというので移った現場は、それこそ大ブラック。20時どころか終電の時間を気にして働くような現場で、だから呼ばれたんだな、とわかった。ただ、無駄が非常に多かったので、私も残業が大っ嫌いだったのでどんどん自動化していった。毎日同じような作業をするのに、わざわざ毎回手順書を作り、しかもファイルコピーして、毎回手作業で修正していたので、おいおいパターン決まっているなら、変動するとこだけ変数にして変数を入れ替えれば手順書が即出来上がるようにしようぜ、みたいな改善を一つ一つ積み重ねていった。

その現場もリーマンショックの余波で私ごとはじき飛ばされたのだけど、成功体験としてとても勉強になった。炎上するには理由があるし、理由を片付ければ沈静化する。それは今でも続けている。

あの炎上した現場では、40代の人はマネージャーだけだった。現場は20代30代中心でまわしていた。あんなに燃えていたのにベテラン勢は何をしていたのか。うーんわからん。汚れ仕事だから若者集めて馬力で乗り切っていたのか。でも、任せてくれてありがとう。若い時に苦労できるってのは後々の貯金になる。なっている。

 

さて、今度は私が追われる立場になったけれど、相変わらず私はまだ手を動かしている。丸投げがなかなかできない。若手も丸投げられるのを怖がっているように見える。手順書化され、予定が決まった作業は得意だけど、イレギュラーに降ってくるような仕事の片づけ方が不器用だ。

テトリスで、予定していたブロックの形がなかなか降りてこないで、積みあがってしまうような仕事の仕方というか、状況の変化に対する柔軟性に欠けるところがある。

仕事をどう片付けるかではなく、その検討時間を後回しにし、目の前で済むことに取り掛かること。かつ、すぐ済むことを優先してこなし、机の上をきれいにする。静かになってから難しいことに取り組む。そういった優先順位付けに違和感をおぼえる。スケジュールを決めるのはいいけれど、スケジュールにハマらない歪な緊急の作業が発生した時の瞬発力が足りない。

あの炎上時に、何から片づけていいかわからないときから、最後に収束するまでのカオスをいかに平和に戻すか。

若い時代、なんだか炎上している案件はたくさんあり、自社に帰社して別の現場の話を聴くと、こちらに負けず燃えていて、どこそこで燃えてるな、という感想しかなかったけど、あれは若い未熟者にどんどん丸投げされてたんじゃなかろうかとい今になって思い出す。

 

あの状況を乗り切った今の40代あたりがいろんな現場を牛耳っていると思うけど、今の若手にはそんな雑な任され方はないよね。少しでも歪なルールがあればすぐに転職しちゃうし、厳しい指導はパワハラでアウト。働き方改革で無茶な残業もできず、それならベテランが早くから口を出すしかないと、獅子奮迅の働きをしてしまい、「うーん若手を延ばすにはどうすればいいー」といつも悩んでいるのである。

丸投げできる度胸があればやってるのだけど、どうにもそれは難しい。それは、余りある丸投げ経験で培ったたくさんのトラブルシュートが目の前で起こると、条件反射的に手が出てしまうからだよね。

とりあえず、丸投げとは言わないが、地道に若手に一つ一つ技術を伝えていくしかない。若手だって成長したいとも評価されたいとも思っているはずだから、いい感じで苦労させていい感じで乗り越えさせないと。それが難しいのだけど(ループ)。