orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

Linuxを使うかWindowsを使うか2022

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話の初めですが、富士通がメインフレームやUNIXから撤収するらしく。

 

xtech.nikkei.com

 富士通が2030年度(2031年3月期)末にメインフレームの製造・販売から撤退することが、2022年2月10日までに日経クロステックの取材で分かった。国内メインフレーム市場で首位(出荷台数ベース)を誇り、長年にわたり日本企業の情報化を支えてきた老舗メーカーが約66年にわたるメインフレーム製造の歴史に幕を閉じる。

 併せてUNIXサーバーも2029年度下期に製造・販売を終了する。同社は縮む市場からの撤退を決断し、クラウドなどを駆使したサービス企業への転換を本格化させる。

 

思い切った決断ですがしょうがないですね。堅牢性で言えばメインフレームにかなうものはないと思うのですが、一社で全てを賄うことによるコスト増、そして開発者が高齢化し若い世代が入ってこないという閉塞感。世間はみんな、LinuxかWindowsしか見ていませんから、来るべきものが来てしまったという感想しかありません。

いいものだから、誰かが支えるだろう、でも私は流行りをやりますー、ということの積み重ねです。

 

さて、この人気のLinuxかWindowsか論議ですが、2022年の今、2010年代とは風向きが変わりつつあります。CentOSの変調です。私もかなりのお仕事をCentOSでやりました。だってOSが無料。無料より強い物はない。しかもミドルウェアも無料。ああ無料。インフラもOSやミドルウェアの費用を差っ引けば非常にお安く見えるので、この世はほとんどCentOSになっちゃうんじゃないか・・と思った時期もありました。

ご存知の通りCentOSはバージョン8のサポートを打ち切っており、CentOS7だけが2024年までやってくれる。ですから今から導入するシステムで、CentOS7を選ぶケースもまだ散見されます。来年あたりになると、さすがに次の年にサポートが切れるものも選べないだろうとか、CentOS7のパッケージがさすがに古いものばかりで開発者も困るだのいろいろあって、Linuxを選ぶと一言で言っても文化がかなり変わりそうです。

CentOSの代替として、いろいろ出ていますので関連情報を貼っておきます。

 

www.kagoya.jp

AlmaLinux

Rocky Linux

Oracle Linux

Fedora CoreOS

RancherOS

Ubuntu

 

ですけど、純粋な代替とすればAlmaかRockyで、これはRedhat Enterprise Linux互換を皆望んでいて、どうなのかと言う話です。FedoraやRancherの方はコンテナ前提、UbuntuはそもそもDebian系、Oracle Linuxは・・うーん、ということで、本命がここまで決まらないということは、Linuxの立ち位置は変わってしまったと理解しています。

そもそも無料という建てつけが不気味すぎて、ビジネスで利用するには継続性があやふやですよね。今までフリーライドしてきた皆様も薄々こうなるんじゃないかと思っていた人は多いと思われますし、実際そうなりました。

 

さて、有料版で考えるとして、買い切りのケースで考えます。

そう考えた場合、Windowsだと保守については任意ですが、RedHatの場合は、契約の関連上本番で使うなら、毎年かならずサブスクリプション料金を支払わなければいけません。開発機は払わないとか、このシステムだけ支払う、ということができません。ですから毎年、使った分全部のOSの費用がかかると思った方が良いと思います。

買い切り前提だと、ですからWindows Serverのほうが圧倒的に安いんだと記憶しています。

一方で、クラウドで月額費用の中でOS料金を支払う場合は、これはもうWindowsもRedHatも同様に費用が掛かりますが、これは同じCPUコア数であればRedHatの方が安い感覚です。

この辺りは購入時に、クラウドの料金表をにらめっこして見てもらえればと思いますが、もはやWindowsだろうがLinuxだろうが、お金はかかるんだというルールに変わったと理解したほうが良いかと思います。

まだWindowsだと、買いきりがある分、費用の柔軟性があるかな・・。

 

色々考えると、今はUbuntuが結局は一番安定的に運営されています。無料で突き進む最後の牙城のような気もしています。ただ、ビジネスベースだとWindows ServerとRedhat Enterprise Linuxの二択で、あとは開発会社がどっちのOSの開発を望むか・・だけな気がします。正直インフラとしては、どっちでも同じことはできるのであんまり気にはしていません。

ま、慣れとしてはLinuxの方ですが、WindowsでPowershellで何かやれと言われたら、やりますかね、と言ったところ。まあ、あのWindows Updateだけは辟易していますけどね。

ということで、現場としては両方OKという顔をしつつ、Linuxの方が何かと構築が楽というのはあります。ほぼコマンドで構築が済むので・・。あとは費用見合いですが、クラウドだとそこまで大きな差として感じられないというのはあります。

 

今後コンテナが伸びて、OSはLinuxかWindowsかなんて議論の横で別の議論が生まれそうな気はしていますが、そんな話は2018年ごろからずっとされていて、でもなかなかKubernetesが以前言われていたほど伸びないので、今後も延々とOS何にする問題は続きそうですね。ただ、CentOSの件で、以前と文化が様変わりしていることだけはおぼえた方がいいです。