orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

LinuxとWindowsをめぐる微妙な関係

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過去のCentOSの仕組みが実質崩壊したことで、うーん今CentOS7を載せているサーバーは今後どうするかなというのはインフラエンジニアの課題となっていると思います。

CentOS8は今年までしかアップデートされないので、今から選択するなんてありえません。一方でCentOS Streamはあくまでも開発用ですよね。yum updateしたら動かなくなるリスクは覚悟しなきゃならんと思います。

一方で、AlmaLinuxやRocky Linuxなど、代替となるようなプロジェクトはスタートしていますが、まだエンタープライズ勢からは信任されていないように思います。AWSやAzure、Google Cloudなどで公式サポートされた様子もなく、まあ使うならどうぞ的な状況で、SIとして顧客の本番環境に採用するには今一つこれも、リスクのある状況です。

あーあ、CentOSがこれまでどおり続けばいいのになあ

っていうことを世界中の人が思ってそうですよね。でも時計の針は前には戻りません。

じゃあ、AWSならAmazon Linux 2。OracleならOracle Linuxのような互換OSもあるのですが、これもベンダーロックインの可能性は捨てきれない。まあCentOSのブランドが特殊過ぎたというのもありますが、誰かが作る以上はどこかでロックインするというのが持論ではあります。

さて、WindowsがますますLinuxを取り込んでいるというニュースがありました。

 

www.publickey1.jp

マイクロソフトはWindows 10でWindows Subsystem for Linuxを導入し、Windows 10上でLinuxカーネルを取り込んでLinuxアプリケーションをそのまま実行可能にしました。加えてWindows Terminalの開発によるコマンドライン環境の充実もはかるなど、Linuxの機能や技術、実行環境を積極的にWindowsに取り込もうとしています。

eBPFのWindowsへの取り込みも、そうした流れの中で位置づけられます。

 

ただこれは、Linuxカーネルの話であって、ディストリビューションを取り込んだわけではないので、どこかでRedhatなりUbuntuなりという話は捨てられません。

一方で、RedHat Enterprise Linuxですが、これは企業で使う場合必ず毎年、サブスクリプション料金を支払わないといけないですよね。しかし、Windows Serverの場合はライセンス費用であり、買い切りです。もちろん保守が必要ならWindowsも保守費用を支払う契約もできますが。

はたから見ていると、WindowsのほうがRedHatより安いと思います。保守が無くたって、Windows Updateは続きますからね。

で、もし企業が、OSが有償だという判断をするなら、Linuxも動くWindows Serverのほうが便利なんじゃあないかと思い出すタイミングがありそうだなと思っています。

RedHat Enterprise Linuxでは、Linuxしか動きませんから。

あとは、Windows上で何のディストリビューションを採用するかと言う話になり、このあたりでUbuntuで動かしとけばいいんじゃないという話もできそうじゃないかと。

いや、じゃあ、Ubuntuをそのまま採用してあげれば、CentOSと同じように無償でもいけるじゃんという話も、一方で進むかもしれません。

日本の会社ではまだまだUbuntuはマイナーですが、世界シェアで見ればUbuntuの方がありますからね。

 

news.mynavi.jp

 

圧倒的でしょ?。

ってことで、国内の有償Linuxでは、RedHat Enterprise Linuxが圧勝なのですが、どうもこのままWindowsがLinuxを取り込んでいくと、Ubuntuとの組み合わせが結構インパクトがあるのかもしれないなと思う次第です。

まあクラウド使えば、WindowsもRHELも毎月ライセンス費用を支払うことになるので、一緒ですから、もしかしたらRHELはクラウドで伸びるかもしれませんが・・。

ということで、タイトルに「微妙な関係」と入れたのは、こういったモヤっとした状況だからです。まだ、業界の方針は流動的ですが、2023年ごろにはちゃんと決めなきゃと、議論が活発になるんじゃないかと思います。

Ubuntuはあんまり私も慣れてないので、がんばれAlmaLinuxと言った話でもありますが・・。うーん微妙な状況。どうなることやら。