orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

政府が、情報管理責任者に解任命令を出す未来が来る?

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政府が、情報管理責任者に解任命令とな?。

インターネットで仕事をしていらっしゃる方には、もしかしたら、仕事に関係してきそうなニュースです。

 

www.iza.ne.jp

国内で事業を行う電気通信事業者に個人情報管理責任者の設置を義務付けたうえ、不適切な対応が確認されれば政府が同責任者の解任命令を出せる規制強化を総務省が検討していることが3日、分かった。無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題を受け、事業者の個人情報管理を強化する狙い。開会中の通常国会に提出する電気通信事業法改正案に盛り込む。

総務省は1月までにまとめた利用者情報保護の規制強化案で、LINEや携帯大手のNTTドコモなどのほか、ツイッターやグーグルといった利用者1千万人以上の国内外のIT大手を対象に、利用者の個人情報の取り扱い責任者として「利用者情報統括管理者」の新設を示した。

 

そもそも「電気通信事業者」とはなんでしょうか。

実は、かなりの事業者がこれに当てはまるんです。

 

www.lrm.jp

事業として、他人と他人の通信を媒介する場合、電気通信事業であるとして届出が必要になります。この届出が必要な事業の範囲が意外に広いことに注意が必要です。

携帯電話会社やインターネットサービスプロバイダといったような、通信のための設備を用意し、それを用いたサービスをお客さんに提供するような会社は、典型的に他人と他人の通信を媒介していますので、届出が必要です。

また、レンタルサーバ事業のように、他人と他人の通信をサーバで媒介しているサービスが電気通信事業である、というとイメージがわきやすいものと思います。

しかし、これらの目に見える装置を使って他人の通信を媒介している場合のほか、次のようなソフトウェアとサーバを介した他人と他人の通信の媒介も電気通信事業に当たります。

・メッセージアプリ

・Webサービス内でユーザー同士のメッセージのやり取りができるようなサービス

 

というように、他人同士の通信を何らかの手段で媒介すれば、それはもう電気通信事業者なんですね。事業を営んでいるのに届け出としないと罰則まであります。

総務省も、あいまいさがあったので、電気通信事業参入マニュアルというマニュアルを出しているぐらいです。これは通信を使う仕事をしている企業は目を通しておくべき資料と思います。

 

さて、その電気通信事業者に「利用者情報統括管理者」という肩書を必ず設けるようにしようかという議論が記事になったということです。

で、これができたとしたら、行政は処分がわかりやすくていいですよね。この人、担当から外して、と。

ただ、あいまいで幅が広い電気通信事業者に対して、人事権に政府が介入できるとしたら過大な規制なのではないか、というのが議論の根本です。しかも、人を変えたら良くなるのかもよくわかりません。社内に相応する人がいるかどうかも不明なまま、解任だけ指示されるのは結構企業経営にとっては乱暴感が強い話です。

 

記事には、

 

ただ、個人情報保護に関する責任者の解任命令を盛り込んだ法改正は「国際的にも異例」(経済団体関係者)。海外事業者からの反発は必至とみられるほか、管理者選任の対象となる事業者の範囲が不明確なことへの反発も予想される。管理者選任を努力義務にとどめる可能性もある。

 

ともあり、そもそもが電気通信事業とは何?から始まり、利用者情報統括管理者とは何?が始まり、そして、解任だけが明確という、ほんとにわけのわからないまま、何だか業界がざわつくことだけは確かです。