orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

解像度が低い人

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最近はSaaS、インターネット経由で利用手続きすればすぐに使い始められるサービスが大量にあって、ぜいたくを言わなければすぐに使い始められるし、気に入らなければすぐに利用を止められる。使った分だけお金を払えばいいというモデルで、便利な時代になりました。

あまりにも便利なので、もう旧来のシステム構築なんて無意味。SaaSでだいたいの用は済まされるだろう、なんてことを平気で言う人が実際に増えて来たと思います。

でもこのSaaS、利用する前に考えなければいけないことがあります。

 

SaaSの事業者、会社の体力は大丈夫ですか?。急に飛んでサービスごと消えてなくなったりしないですか。

SaaSといいつつ、実はデータセンターのオンプレミス環境で動かしているだけだったりしませんか。

実は事業者の一人だけで運用しているだけで、システム監査がされておらず属人的なオペレーションがはびこっていませんか。

データの保管に関して、個人情報保護を守った体制になっていますか。サービスを退会した後も平気でデータを残し活用していませんか。

複数のユーザーが使うことが前提のSaaSで、データは混在して保管しますが、他人のデータが流出するような脆弱性を残していませんか。

もし、致命的な障害などで保管データが損失した場合、バックアップを適切に取っている設計となっていて、しかもそれが定期的に実施されていることを確認できていますか。

利用期間が長くなったときに、何らかの理由で乗り換えたいとき、そのデータを持ち出せるようになっていますか。

何か不具合があったときに、真摯に対応してもらえますか。

運営企業の方針変更などで、サービス内容や契約内容が改悪され、必要以上の出費が発生することは無いですか。

夜中にサービスが急に使えなくなった時に、対応する窓口やリソースが確保されていますか。

実はアプリケーションのフレームワークが時代遅れでサポートされていないソフトウェアも使っていて、脆弱性が放置されていませんか。

 

などなど、言いたいことはたくさんあります。利用するユーザーは、いつ突然無くなってもリカバリーできることを前提に利用しなければいけません。

便利だから使えるからでパッチワークのようにSaaSを組み合わせたとき、なにかのパーツが突然仕様変更したことで全体が動かなくなること、これはもう日常茶飯事です。

SaaSの中身はソフトウェアと、ソフトウェア開発者、ミドルウェア、OS、ハードウェアやネットワーク、データセンターなどで成り立っています。

ひとまとめにしたパブリッククラウドを使う選択肢も最近では多いです。

著名なパブリッククラウドが障害で停止すると、その上で動いていた複数のSaaSが異常停止するなんてことは、普通の話になってきました。

その上で、企業がシステムを利用する場合は、5年以上の長期目線で考えていくのですが、これに対してSaaSは事業環境や運営企業風土など、短期で様々な影響を受けやすいポジションにいます。

SaaSのプロモーションページや、営業商材などを見て、便利だ便利だなんて言う人は、これは解像度が低い人だと思います。

その後ろには様々な運用品質の要素が隠れていて、それらを説明できないSaaSは、都合の悪いことを誤魔化している可能性すらあります。システム運用を仕事としている私としてはそこまで見えてしまうのです。

解像度の低い人は、売り文句にまんまと騙されてしまうのです。

 

解像度の高い人でありたい、と常に思います。

そしてわざと解像度を低くして、人を騙すような行為をしないように、と心掛けています。

実際に利用段階に入ったときに、裏切った時のそのユーザーの失望は計り知れないからです。

超近眼のひとが裸眼で道を歩いて、穴に落ちたとしても、自己責任ですが。なぜ穴があると事前に説明しなかったの?って言われる世界です。

そうやって、世の中の「便利だ」と吹聴されているサービスを見て行かないと痛い目にあいます。

解像度は高くありたい。低い人には説明を尽くしたい。そう思います。