orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

本番作業を行うための資質

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昨日の夜・・いや、もう今日の早朝か。昨日の夜から夜中の3時くらいまで仕事をしていまして、また、今日の朝もいろいろありましてくたくたです。

本番作業って、精神を消耗します。

自分の所作で、他人が大事に扱っているシステムや情報資産にリスクがあるのですから、集中して作業に臨まなければいけない。そんなことは十も承知なのですが、表層的な心構えというよりは、心の奥底までその怖さを知っているので、作業前や作業中はかなりの緊張感を感じます。

扱うのは液晶ディスプレイの中で全て完結するデジタルの情報ですが、悪影響を与えるとまわりまわって一般の人々にも良くない影響を与えます。それは誰なのか、わかりません。わからないからこそ、リスクは無制限。やるからには、その実施することについては事前に最大の準備と、想像を怠ってはいけません。

実施する内容は手順書に起こすのでそのとおりやればいいじゃないか、という意見はあると思いますが、それだけではありません。なぜその手順になったのか。その手順が何を引き起こすのか。そして想定していないことはないか。出来る限りのベストを尽くして臨んでもです。それでも想定外の一つや二つあるものです。

その想定外については、作業者によって大きかったり小さかったり、もしくは起きなかったり、起きても最小限に影響は限られたりします。この差は知識によってもたらされるのですが、この知識は、学術的なことより先んじて、経験であったり、影響に対する理解であったりします。「本番作業こえー」という感覚が基盤にあってこそ、自らの知識にアクセスできます。あれも備えなきゃ、これもやっとかなきゃ、という感覚は、マニュアルではどうしようもないくらい、本人の資質によるところが大きいです。

この辺りは教育上難しいところで、熟練者はいろんなリスクを頭に入れた上で、スピード感も含めてコントロールするため、「えいや」と瞬時に様々なコマンドを繰り出すことがあります。それを若手が見ていて、ああ、作業って、そんなに感覚的にやっていいものなんだ、と誤解します。いや、それは大いに違う。本当に緊急で状況改善をすぐに求められているとき、リスクを含めて熟練者が過去の経験に基づいて制御し、計算し、その上で腹を括ってコマンドを打っているのです。気軽に入力しているように見えるそれは、全く気軽ではなく、準備をしないで緊急対応しているそれは、若手に真似できるものではありません。

こういった、緊急で熟練者が想定外の状況を切り抜けることも含めて、本番作業です。そう言う状況が恐らく起こるだろう、だからこそ、熟練すればするほど、作業前は緊張するのです。もしかしたら自分の経験を凌駕する状況が発生し、それを解決できるのは多分自分だけだという思い。いや、何も無ければそんなこと絶対しないのですがーー。頭の中はもう戦闘モードで、強制的に過集中となり、深夜作業でも何でも、眠気に襲われることはありません。むしろ昼間より頭は冴えているぐらい。

ただ、作業がいざ無事に終わると、ものすごい疲れがやってくるので、これは頭の中で天然のエナジードリンクが出てドーピングしているんだと思います。

こんな修羅場のような状況を不定期にこの十年くらいやって来たような気がするのですが、そういうときに学んだことっていうのが身になって、本番作業を行うための資質が育まれてきた、そう思います。

現場のいろんな修羅場に参加し、初めはわき役で、そこから主役級にまで成長、そして監督まで任され、最終的には火消しまでやらされるような立場の中、やはり業界の中で成長していくには基礎的な勉強をした上で、手っ取り早く現場経験を積むことじゃないかと思います。現場にしか落ちてないものがたくさんあります。