orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

Power Automated DesktopがWindowsに標準装備されることの意味

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昔、マイクロソフトにRPAを早く作ってよって記事を書いたことがあるんです。

 

www.orangeitems.com

早くマイクロソフトは表計算といえばExcel、RPAと言えばこれ、というツールを手に入れてほしい。どう考えてもエントリー向けにはそれが一番効率が良いと思うのです。そこからエンタープライズに進む方法はたくさんの企業が参入すればいいと思うのですが。

 

この記事を書いてから2年経ちましたが、どんどん時代が進んでついに、マイクロソフト版RPAともいえるPower Automated DesktopがWindows 10に標準装備されるとのことです。

 

jp.techcrunch.com

米国時間3月2日、Microsoft(マイクロソフト)はPower Automate DesktopをWindows 10ユーザーに無料で公開すると発表した。Power Automate Desktopはデスクトップベースのワークフローを自動化するエンタープライズレベルのツールだ。Power Automate DesktopはMicrosoftが「Attended RPA」と呼ぶソリューションだが、強力なマクロレコーダーのようなものと考えられる。複数のアプリケーションにわたるフローを構築するのに役立つ370のアクションがあらかじめ用意されているが、真価は何度も繰り返し実行する時間のかかるタスクを自動化するためのオリジナルのスクリプトを作れることにある。

 

私個人は、Microsoft Officeの延長上にあると思っていたのですが、想像を超えてOSに入り込んできました。まあOSと言うにはアプリケーション寄りではありますが、それぐらいOSとアプリケーションの境目は無くなっているように思います。

さて、RPAと呼ばれていた分野は、ほとんどがWindowsをクライアントとして自動化を試みるツールのことを読んでいましたから、完全にかぶってきますよね。いや、先進的なRPAツールは、中央制御でクライアント群のコントロールができるんだと言う話になると思います。でも、Microsoftも、Power Platformというサーバーサイドのソフトウェアを用意していますから、まずはクライアントベースでユーザーに浸透させて、組織で使う時はSIできるという自然な流れが生まれるのがうまいと思います。

昔、Lotus1-2-3という表計算のソフトウェアや、ワープロソフトの一太郎が、WordやExcelに瞬時に市場を奪われたように、RPAでもPower Automated Desktopがやっちゃいそうです。むしろ、独占禁止法にひっかからないのかな、と思うくらいですがそこは偉い人にお任せしましょう。

これ、Windowsにおける自動化の標準に今後なっていくと思います。PowerShellがコマンドレベルでのバッチプログラム標準ですが、結構GUIの処理を、コマンドに落としてバッチ化するの大変なんですよね。今一つ世間的に、PowerShell使いも増えず、bashを取り込んだりマイクロソフトもいろいろあがきましたが、ここにきてこりゃ本命だなと思う次第です。

Linuxにおいては、bashを知っていればだいたい何でもできるという確信があるのですが、Windowsにおいてはそれが無かった。それがLinuxが使われる最大の要因だったと思うのですが、ここにきてGUIを自動化することについて、OS標準の座を勝ち取ってしまったがために、これからは「自動化?Power Automated Desktopでしょ?」という時期が、少なくともクライアントサイドには来るのは必至です。

大昔・・それこそ20年前くらいに、Microsoft Officeを身に着けると、派遣などで事務の仕事がたくさんあった、という時代がありました。みんなMOSMOS言ってました。でも最近では、ExcelやWordは使えて当たり前みたいになり、差別化要因にはならなくなりましたね。

RPAもそういう時代が、これからやってくる。その標準が、Power Automated Desktopだというわけです。これから20年後、誰もがこれで、めんどくさいGUIの仕事を自動化しちゃうのです。来ちゃったな。

だから、多分、これを先に勉強した人が優位に立つし、「よくわからん」で済ましている人はだんだん職場で居づらくなるかもしれません。かつてWordやExcelはそういう道をたどって来ましたから。

勉強しようっと。